波動エネルギーのマイナス面の考察

皆様こんばんは!
今回は先日、風呂に入っていた時にふと頭に浮かんだ「波動エネルギー関連技術」に存在する(かもしれない)思わぬマイナス面について考察してみたいと思います。

宇宙そのものをエネルギー源にしていると説明される「波動エネルギー」ですが、波動砲が宇宙を切り裂く危険性を指摘された以外は特にデメリットは描かれていません。
また、「宇宙を切り裂く」といわれた波動砲も、2202であれほど乱発したにも関わらず、2205までの劇中描写で判断する限りほとんど問題は発生しておりません。
つまりリメイク世界での波動エネルギーは(少なくとも現時点においては)、ノーリスクで得られる無限のエネルギーとして描かれていることになります。
しかしここで2つ疑問が生じます。
1つは何故、デザリアムはそのような波動エネルギーを「忌むべき力」として毛嫌いしていたのか。
そしてもう一つは、果たして全くのノーリスクという都合の良いエネルギーが本当にあり得るのでしょうか?
私は、この二つの疑問は実はつながっているのではないかと思っています。

宇宙の寿命を縮める波動エネルギー

結論から言ってしまえば、波動エネルギー関連技術は「宇宙そのものの寿命を縮めてしまう禁断の技術」だったのではないでしょうか。

一昔前に大ヒットしたアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」において、「宇宙のエントロピー」という概念が登場します。
これは簡単に言ってしまえば、「宇宙を維持しているエネルギーは外部から補給する方法が無いため、時間の経過とともにドンドン目減りしいずれは尽きて宇宙は終焉を迎えてしまう」という考え方です。
実際、「エネルギー」は「無」から生み出すことは出来ず、そこに「エネルギー」が発生する以上、必ず何かを消費しているはずです。
宇宙の真空から無限のエネルギーを取り入れるとされる波動エンジンは、要するに、宇宙を維持しているエネルギーを動力源として消費する技術であり、その乱用は文字通り宇宙の寿命を縮めてしまうと考えてもそこまでおかしな話ではありません。
ただ、宇宙が保有しているエネルギーは非常に膨大であるため、波動エンジンのような「通常機関」として使用する程度ではそこまで深刻なエネルギーの増減はなく、無視できるレベルだったのではないかと思われます。
ですが、ここでキーとなるのが「波動砲」です。
空間を切り裂くほどの威力を持つ波動砲は、それこそエネルギーの消費量が半端ではなく、通常の消費が「コンマ数秒」レベルなら、波動砲は「1日分」分くらいの消費があったのではないでしょうか。

それでも「ヤマト」など数隻がたまに使う程度なら許容範囲だったと思われますが、2202で登場した「波動砲艦隊」のように数千隻、そして数万隻の波動砲艦が波動砲を連発するとなると話は変わっています。
しかも2202の最後の決断で古代達よりも時間断層を取った場合、波動砲艦隊はさらに強化され、そしてより強力な波動砲が開発されることにより、エネルギーの消費がドンドン増加していく未来が予想されます。
私はデザリアムの正体は、「時間断層を取った世界線の未来の地球」であると睨んでいますが、彼らの世界線の宇宙は波動砲の使い過ぎでエネルギーの枯渇が深刻化しており、もはや生物が生存できないような状況になりつつあるのではないでしょうか。に
その時点で地球人達もようやく自分たちの過ちに気が付いたものの、もはやその時点では自分たちの宇宙を救う術が残されてはおらず、彼らは並行世界に救いを求めることにしたのではないかと思われます。

デザリアムがイスカンダルを狙った理由

波動エネルギーの乱用が自分たちの宇宙を滅びに瀕させてしまったわけですから、そりゃあデザリアム人達は(自業自得であるものの)波動エネルギーを「呪われし力」と呼んで毛嫌いする理由も分かります。
そんな彼らがイスカンダルを確保しようとした理由は、ズバリ、コスモリバースシステム(CRS)で自分たちの宇宙を蘇らそうとしていたからではないでしょうか。
かつてガミラスによって滅亡寸前にまで追いやられた地球が、宇宙戦艦に搭載されたCRSの力で短期間で蘇ったという記録から、デザリアム人はイスカンダル本星が保有しているCRSを総動員すれば宇宙を完全に元の状態に戻せると考えてもおかしくはありません。

またそこまでは不可能でも、波動エネルギー技術の粋を極めたイスカンダルを確保すれば何らかの打開策が見つかるはず、彼らはこのように考えたのではないでしょうか。
ただ、正直な話、これは完全な間違いであると思います。

寿命がつきかけているガミラス星をCRSでは救えなかったように、恐らく並行世界の宇宙もCRSで蘇らせることはできないでしょう。
CRSの効果については以前、考察したことがありますが、恐らくCRSは「怪我を癒すことは出来ても寿命を延ばすことはできない」と思われます。
ガミラス戦争時の地球は、外的要因で滅亡しかかっていただけで、星としての寿命は十分残されていたのだと思われます(身体に例えるならば重傷で瀕死だった状態)。
その為、CRSで回復させることが出来たのでしょう。
しかしガミラス星や並行世界の宇宙のように寿命がつきかけている場合にはどうする事も出来ないと考えられます。

またそもそもCRS自体が「波動エネルギー技術」の粋で作られたものである以上、その作動には波動エネルギーが使われるはずです。
そして、宇宙の回復というとんでもない用途で使われるならば、それによって消費されるエネルギーもまた莫大なものであり、下手をすればそれで止めを刺すことになりかねません。
自分たちの宇宙を救おうとした結果、逆に宇宙の寿命を尽きさせてしまうとするならば、それはあまりにひどい皮肉ですね。

では何故、デザリアム人達はそのことに気がつかなかったのか。

使い捨てに過ぎないデザリアム

これはあくまで私の勝手な予想ですが、2205および3199に登場するデザリアムの背後には、シャルバート人(仮)が黒幕としており、彼らによってデザリアム人達は騙されているのではないでしょうか。

恐らく宇宙の寿命がつきかけているという不安に乗じてシャルバート人(仮)は並行宇宙を完全に掌握し(直接的な支配というよりも宗教的な支配)、彼らの主導によってデザリアム(地球)を含む並行世界の人々は動いていると思われます。
ただしここであえて言いたいのは、シャルバート人(仮)達とその傘下の人々の思惑が完全には一致していない、もっとはっきり言えば、シャルバート人(仮)達は自分たちの本来の目的を隠した状態で、並行世界の人々を利用しているに過ぎないという可能性です。

これもまた勝手な予想ですが、シャルバート人(仮)の真の目的は滅びかけの宇宙からの脱出と脱出先の支配です。
彼らは既に滅びかけている自分たちの宇宙に見切りをつけており、並行世界へ脱出する事を考えたのではないでしょうか。
ただし、脱出するうえで最大の問題となるのが並行宇宙にある波動エネルギー技術の存在でした。
理由が分かりませんが、シャルバート人(仮)達は波動エネルギーが苦手であり、並行宇宙に脱出するにあたってそれを排除する必要がありました。
その為、まずは自分たちの傘下にあるデザリアム人達を並行宇宙に派遣し、まずはその中枢であるイスカンダルを排除しようと思ったのではないでしょうか。

シャルバート人(仮)達からしてみればイスカンダルは即座に処分したかったものの、あえて自分たちの並行宇宙への移送を命じたのは、デザリアム人達を利用する為の方便に過ぎなかったのでいかと思われます。
あるいは首尾よく並行宇宙に移送させた場合は、自分達の脱出後にイスカンダルのCRSを発動させ、並行宇宙もろとも利用済みの古道具を処分する気だったのかもしれません(イスカンダルを処分できるうえ、自分たちの正体を知るものを一掃できるので一石二鳥です)。
ただ実際は、移送作戦の途中でイスカンダルは派遣したメルダ―ズもろとも自爆するという結果となりました。
シャルバート人(仮)達にとっては多少思惑が外れたものの、最大の懸念材料であったイスカンダルが消えたことにより、本格的な並行宇宙への侵出を発動したのが次回作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の裏事情
なのではないでしょうか?

2199第3話で初めて波動砲が使用された際、沖田艦長は「我々は禁断のメギドの火を手に入れてしまったのかもしれない」と独白しました。
もしかしたらこの「メギドの火」こそが、「宇宙を滅ぼす禁断のエネルギー」という意味で「REBEL3199」の最大の伏線として使用されるかもしれませんね。

ちなみに「REBEL3199」でも、オリジナル版通りにアルフォンが雪にいろいろ情報を漏らすとするならば、それは彼がシャルバート人達の真の狙いに気が付き、自分たちが利用されただけの捨て駒に過ぎないと知ったから・・・という流れになるかもしれませんね。