【コラボ記事】デスラーと民主派は全面和解している?

皆様今晩は!
先週アップした「ガルマン星と3つの火種」について多くのご意見やご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
この記事に関するコメントに対して現時点まで返信が出来ずにおりますが、実はこの記事のアップ後、この内容が根本から否定されてしまう情報を入手してしまいました(汗)
結果としてこの考察に基づく返信が難しくなってしまい、どうしたものかと少し考えておりましたが、新しく入手した情報の元にした今回の記事をアップする事で、「ガルマン星と3つの火種」のコメントに対する返信とさせていただきます。
コメントをくださった皆様には大変失礼ではございますが、ご容赦ください。

さて、先月29日(火)に行われた『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦 2202 年の選択』 ヤマトーク」において、「宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち 冒頭9分20秒」の上映をはじめ、2205に関するかなり詳細なネタバレが行われたようです。
ここで明かされた情報については、当ブログがも大変お世話になっている鮫乗り様のブログ「鮫乗りのBlog」でアップされた「2205:ネタバレ情報まとめ」で非常に分かりやすくまとめられていましたが、そこで明かされていた情報の1つに「ディッツ提督にガルマン星の防衛を任せ、総統はマゼラン方面へ」というものがありました。
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民主派の中心人物であるディッツ提督がデスラー総統に協力しているとなれば、「ガルマン星と3つの火種」の中で指摘したような対立構造は存在しておらず、デスラー総統とガミラス民主派は完全に和解したと考えも良さそうです。
もちろん、ガミラス民主派は2199における経緯から全面的にデスラー総統を信用してはおらず、協力者兼監視役として、民主派の重鎮であるディッツ提督がデスラー総統に同行していたという可能性はあります。
しかし、ガルマン星の解放にディッツ提督が同行しているという事は、ガルマン星入手後の政治方針についても総統派と民主派の間でそれなりの合意が出来ていると考えるべきであり、主導権を巡っての総統派と民主派の対立は発生する可能性は極めて低低そうです。
しかしここで二つの疑問が生じます
1つは、デスラー総統と民主派はどうして和解できたのか
もう1つは、ガルマン星における政治体制として両派はどのように合意したのか

という事です。

両派が和解できた理由

両派が和解できた最大の理由はもちろん、「星の寿命」という最大の問題を前にして、もはや対立している余裕が無いという事情だったと思われます。
デスラー総統が幼少の頃、既にガミラス星の寿命は「もって100年」と宣言されており、さらに2202において首都の総統派を一斉検挙した民主派の様子を知ったミルの小馬鹿にした態度から考えても、ガミラス星に残された時間はそう多くは無さそうです。
そのことは民主派も流石に気がついており(総統が残していた資料などから知った可能性があります)、大マゼランに帰還したデスラー総統には本国の民主派政権も思うところは少なくないでしょうが、ガミラス民族の存続という大義を前にして、過去の遺恨は忘れることにしたのではないかと思われます。
また、これ以外の要因として、理由があったのではないかと考えられます。

①キーマンの暴露


2205のPVにおいて、キーマンが残したと思われる記録映像が残されていましたが、恐らくその内容は「ヤマトという時代」で音声記録として登場した、デスラー総統の真実を暴露する内容だったと思われます。
その記録映像を見たことによって、ヒス副総統やディッツ提督といったガミラス民主派の中枢メンバーにもデスラー総統の真意が伝わり、彼らの中に和解のムードが産まれたのではないでしょうか。
また、キーマンが残していた暴露の中には当然、「ガミラスタワーに仕込んだ巨大砲でイスカンダルを脅す」という軍部の暴走の事実も含まれており、ディッツ提督等、軍部を後ろ盾にしている民主派もあまりデスラー総統を糾弾できる立場ではないという事に気がついたのかもしれません。
デスラー総統によるバレラス攻撃を糾弾した結果、軍部によるイスカンダル恐喝未遂が明るみに出たら、それこそ一発で政権が吹っ飛ぶ大スキャンダルです。
それ故、民主派のデスラー総統に対する態度が軟化し、どちらも過去の行為を糾弾しないという方針に切り替えたのかもしれません。
②イスカンダルの仲裁


また当然ながら、デスラー総統の大マゼラン銀河帰還に前後して、イスカンダルのスターシャが両派の仲裁を行った可能性が非常に高いです。
元々スターシャはデスラー総統に対して同情的であり、彼が大マゼラン銀河に帰還したのならば彼の立場が悪くならないよう、ガミラスの民主派政権に対して積極的に働きかけたのではないでしょうか。
国民統合の象徴としてイスカンダルの権威を利用しているガミラス民主派としても、スターシャのこの仲介は拒絶することが出来ず、デスラー総統との和解に踏み切ったと考えられます。
もっとも、このスターシャの仲介によって本当に救われたのは後述するようにデスラー総統よりも、ガミラス民主派政権の方だったかもしれません。
③ガミラス民主派政権の限界


最後に考えられる要因は、デスラー総統が大ガミラスに帰還した時点で、民主派政権は政権維持するのが困難なほど国民の支持が落ちていた可能性があります。
確かにガミラス民主派政権は、首都バレラスへの攻撃という蛮行を行おうとしたデスラー総統を激しく批判する事によって国民の支持を集め、政権の樹立に成功しました。
しかし、その後のガミラスがデスラー政権下よりも良くなったかといえば首をかしげざるを得ません。
むしろ、植民地の放棄による領土の縮小や、ガミラス破壊解放軍の出現といった治安の悪化など、デスラー独裁政権時代よりも明らかに悪くなっている部分すらあります。
これらはデスラー政権時代の負の遺産が出てきただけとも言えますが、国民にそのような事情など分かるはずもなく、それゆえガミラスの中で今の政権に対する失望と、デスラー体制の復活を望む想いが強まっていても不思議はありません。
2202でギムレーの組織した総統派をボロクソにけなしていましたが、逆に言えば、そうしなければならないほど現政権に対する求心力は低下していたのかもしれません。
それゆえ、デスラー総統の帰還は実は現政権に対する完全なトドメであり、彼らとしてはもはや復活を阻止できないデスラー体制の中で、如何に自分たちの影響力を残すのか、その点でデスラー総統との妥協点を探していた可能性があります。
上で「スターシャの仲介によって本当に救われたのはデスラー総統よりも、ガミラス民主派政権の方だった」と書いたのは、実はこういった事情も考えられるからです。

ガルマン星における政治体制の合意について

この点について結論から言ってしまえば、総統派と民主派は「立憲君主制」の成立で合意したのではないでしょうか。
つまり、デスラー総統が総統に復帰する事を民主派は認める代わりに、議会の成立をデスラー総統に認めさせたのではないか。
これならば、デスラー総統を頂点にした体制を目指す総統派と、政民主化の推進と独裁者の暴走を阻止したい民主派の妥協点としては丁度良い落としどころです。
またデスラー総統としても、ガミラス人とガルマン人の融合に、この議会制度はかなり使えると考え、かなりあっさりと認めたのではないでしょうか。
実際、この制度の導入で一番得をするのは民主派ではなくデスラー総統です。
というのも、ガルマン星解放の経緯からガルマン人たちは高確率でデスラー総統のシンパになる事は間違いありません。
つまり、ガルマン・ガミラスに議会制を導入しても、「総統派(旧ガミラス人)」「総統派(ガルマン人)」「民主派(ガミラス人)」という勢力構図になり、デスラー総統がその圧倒的な数の暴力を背景に事実上の独裁制を確立する事が可能です。
2199のデスラー総統は古代ローマ帝国のアウグスティヌスがモデルの一人といわれていますが、このアウグスティヌスは、建前としては元老院を尊重しながら、誰も気がつかないうちに事実上の帝政を完成させた人物として有名です。
もしかしたら2205のデスラー総統はこのアウグスティヌス顔負けの政治力を発揮する展開になるかもしれませんね。