皆様、こんにちは!
本日、4月7日は戦艦大和沈没の日。
77年前の今1945年4月7日14時20分、歴史上最大の戦艦であった戦艦大和は鹿児島県坊ノ岬沖、北緯30度22分、東経128度04分の地点でその最期を迎えました。
この戦いで亡くなられた英霊の皆様に改めて哀悼の意を示したいと思います。
さて今回は、ちょっとした小ネタです。
昨日アップした記事で、旧作で描かれた「戦艦大和の最期」について言及しましたが、実はあのシーンでは現在では誤りとされる描写がいくつも存在します。
これは現在ほど戦艦大和の調査や研究が進んでおらず、またヤマト制作当時では「事実」と思われていた定説を採用したためです。
改めて指摘するネタではないかもしれませんが、せっかくの機会ですのでまとめてみました。
護衛艦の数の間違い
このシーンのナレーションで以下のように語られています。
1945年、押し寄せる300を超えるアメリカ艦隊に戦いを挑むべく戦艦大和は、護衛艦10隻を従え、日本海軍最後の艦隊として出撃していったのである。
これは純粋な勘違いであると思われますが、「天一号作戦」、いわゆる大和の海上特攻に参加した艦艇は戦艦大和を含めて10隻です。
護衛艦が1隻多いですね(苦笑)
ただ豊後水道においては前路掃蕩隊として秋月型駆逐艦の「花月」と松型駆逐艦の「榧」「槇」の3隻が同行していますので、小型である松型を無視して計算したとすれば10隻という表現は正しいかも・・・
それはそれでマニアチックな情報となしますが(爆)
護衛機無し・片道燃料は間違い
また次のナレーションも現在では完全に否定されています。
もはや1機の援護機の姿もなく片道分だけの燃料を積んでの出撃は、まさに2度と帰らぬ覚悟をした決死の出撃であった。
まず、完全ではなかったとはいえ九州各地の航空基地が可能な限り護衛機を出していますし(参加した1機が第2艦隊司令長官である伊藤中将の実子というのは有名です)、満タンでは無かったにせよ、沖縄からの往復が可能な十分な燃料を積んで出撃したという事実が判明しています。
もっともこの事実が判明したのはわりと最近ですし、またこの補給は現場の独断で行われ、連合艦隊司令部には「片道分しか補給していない」と報告したそうなので、ヤマトが作られた当時にこの誤解が続いていても仕方がない話です。
ちなみに、この予定以上の補給については単なる燃料の無駄遣いとして厳しい意見もありますが、初霜の生還理由の一つにこの燃料補給があった(十分な回避行動がとれた)とされていますので、決して無意味なことではなかったと思います。
有賀艦長の死に方
大和が沈む際、艦橋で羅針盤に自らの体を縛る有賀艦長の姿が描かれています。
この有賀艦長の死に方は有名なエピソードではありますが、現在では正確ではないとされています。
有賀艦長の最後については今だはっきりとわかっていませんが、最も有力説としては大和の対空指揮所にあった羅針儀にしがみ付き、そのまま沈んだとする説です。
これについては有賀艦長と一緒に防空指揮所にいて生還した者が発言していますので、信憑性がかなり高いです。
ただ彼らも途中で大和を脱出しており、有賀艦長の最期を見届けたわけではないので、正確ではないかもしれまません。
ただ有名であった「羅針盤に自らの体を縛る」というのは事実ではないようです。
バラバラになった大和
そして最後の間違いが大和の沈み方です。
作中では原形をとどめたまま沈んでいる大和ですが、1985年に行われた海底調査で大和の船体は3分割され海底で「バラバラになっていたことが判明しました。
大和は沈没直後に大爆発を起こしているため、恐らくバラバラになっているだろうというのは一部で予想されてはいましたが、実際にバラバラになった大和の写真を見た時の衝撃は今でも覚えています。
もし「宇宙戦艦ヤマト」の制作当時にこの事実が判明していたら、宇宙戦艦ヤマトは全然異なる物語になったのではないかと考えると当時この事実が判明していなくて良かったと心から思います。
本当に、ヤマトは幸運が重なって完成したまさに奇跡の作品なのだなと改めて実感しますね。
コメント
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大和の最期で、他にも間違いがあります。米軍機を副砲で撃破はしているかもしれませんが、主砲では落としていません。旧作ではそのシーンがあるのですがまちかえです。
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ABARTH様、ご指摘ありがとうございます!
確かに史実において主砲で攻撃機を撃ついたという記録は存在しませんね。
というよりも大和がこの海戦で主砲を撃ったのは第一次攻撃隊に対する三式弾だけのようです。
まあ、主砲の砲撃時は衝撃波で吹き飛ばされないよう対空要員は艦内に退避しなければならなかったそうなので、やむを得なかったのかもしれませんがなんとももったいない話です(アニメ本編では対空砲を撃ちながら主砲をバカスカ撃っていましたが。苦笑)