皆様今晩は!
昨夜、久しぶりに「ヤマト復活篇」を見直しました。
公開当時は「何だ、このつまらない映画は!」と思ってしまった作品でしたが、その後に発売された「ディレクタ―ズカット」、そして前日譚である「アクエリアス・アルゴリズム 」のおかげで、現在では第二部の制作を心待ちにするくらいにはそれなりに気に好きな作品になっています。
個人的に、「復活篇」はもう劇場公開作品としての完成は難しいのではないかなとは思ってはいますが、少なくとも、古代進が最愛の妻である雪と別れたままになっているのは、旧作のファンとして落ち着かないので、小説やコミカライズなど何らかの形で続編が作られ、しっかり再会させてあげて欲しいですね。
さて久しぶりに「復活篇」を見たので、この作品について以前から考えていたことをいくつかこの機会にまとめてみたいと思います。
第一弾の今回は「復活篇」の敵として登場した「大ウルップ星間国家連合」について取り上げてみたいと思います。

大ウルップ星間国家連合は何故誕生したのか?
一応、復活篇の設定では「大ウルップ星間国家連合」について以下のように説明されています。
戦乱終結を呼びかけたSUSが中心となっているが、実態としてはSUSが他の惑星国家を力で支配している状態である。
残念ながら復活篇では「完結編」以降の星間情勢の変化についてはほとんど触れられていませんので、この「大ウルップ星間国家連合」については上記の設定以上のことはよく分からないです。
ただ「完結編」で銀河系中心部で発生した銀河系同士の衝突が発生するまで銀河系中心部はボラー連邦とガルマン・ガミラス帝国の2強体制が続いていたことを考えると、この「大ウルップ星間国家連合」は完結編以降に誕生した存在であると推測できます。
「復活篇」の前日譚である「アクエリアス・アルゴリズム」では、銀河系同士の衝突で大ダメージを受けたボラー連邦とガルマン・ガミラスはそれぞれ本拠地を天の川銀河外に移したという記述があり、それを踏まえると、「大ウルップ星間国家連合」の構成国はボラー連邦とガルマン・ガミラスが天の川銀河を去った事により独立を果たした旧植民地や衛星国ではないかと考えられます。
これはあくまで私の勝手な推測になりますが、独立を果たしたこれらの国々は単独では弱小であるため、将来、「ボラー連邦や「ガルマン・ガミラス」が再び天の川銀河に戻ってきた時に、その圧力に対抗できるよう強力な軍事同盟を結んだのではないでしょうか。
例えるならば、これは銀河系版の「デロス同盟」です。
「デロス同盟」とは、古代ギリシャ時代に存在した攻守同盟で、当時、世界最強の世界帝国ペルシアに対抗する為、単独ではペルシアに対抗できないエーゲ海域の諸ポリス(都市国家)がポリスの中で最強であった「アテナ」を盟主として結成されました。
「大ウルップ星間国家連合」は「国連」をイメージさせる名前ではありますが、その実態はむしろ「デロス同盟」に近く、「対ボラー」「対ガルマンガミラス」を目的として誕生した攻守同盟だったのでしょう。
そしてデロス同盟で盟主となった「アテナ」に相当する存在が、独立した国家の中で最強格である「SUS」だったのではないでしょうか。
このように考えると、この「大ウルップ星間国家連合」が「地球」を警戒していた理由も納得できます。
「ボラー連邦」や「ガルマン・ガミラス」と肩を並べる存在であった「地球」は、彼らにとっても警戒すべき存在であり、むしろ「ボラー連邦」や「ガルマン・ガミラス」の影響力がほぼなくなったこの機会に乗じて銀河系中心部に勢力を伸ばしてくると考えていたのではないでしょうか。
勿論、地球にはそんな意思はさらさらなかったのですが、そこは植民地や衛星国家であった弱小国家であった悲しさ。
地球が銀河系の端にある太陽系にある事から彼らには地球に関する情報がほとんど無かったことも手伝って、地球に対して重度の強迫観念を抱いてしまったのでしょう。
それゆえ、アマールへの移住も「遂に地球が銀河系全土の征服を開始した」と誤解し、過剰反応を示してしまったのではないか。

デロス同盟の崩壊とSUS
ちなみに対ペルシアを想定して結成された「デロス同盟」ですが、肝心の対ペルシア同盟としては一度も機能することなく内部分裂という形で消滅しました。
その理由は盟主である「アテナ」の暴走です。
結成当初は対等であったはずの「デロス同盟」でしたが、長い期間、盟主の座にあり続けた「アテナ」は次第にその力に慢心し、他どの同盟国を臣下扱いにして一方的な搾取を行うようになりました。
その為、どの行為にブチ切れた一部のポリスは「アテナ」のライバルであった「スパルタ」を中心に団結し「ペロポネソス同盟」が結成され、「デロス同盟」vs「ペロポネソス」という「ペロポネソス戦争」のきっかけとなりました。
作中で、地球との戦いを決断した「大ウルップ星間国家連合」でしたが、実はその内情は仮想敵であるペルシアよりも、盟主であるアテナの方が憎いというデロス同盟末期と似た状況に陥っており(実際、同盟の主要国である「アマール」や「エトス」は「SUS」の横暴を公言するレベル)、いつその団結が崩壊してもおかしくない状況だったのではないか。
そしてその崩壊の最後のひと押しとなったのが第三次移民船団の奮戦だったのではないかと思われます。
ヤマトを旗艦とする第三次移民船団は、数が勝るはずの連合艦隊と対等に戦い、被害らしい被害出さずに離脱に成功しました。
この戦いを見て、この第三次移民船団攻撃の主力であったエトスは、
・地球の艦隊はメチャクチャ強い
・地球は少なくとも話し合いができる相手である
という2点を知り、「SUS」よりも「地球」に接近したほうが自国の国益につながると判断したのではないでしょうか。
実際、「大ウルップ星間国家連合」の盟主である「SUS」は、同盟国の中では最強でも、「ボラー」や「ガルマン・ガミラス」と比べたら雑魚であり(恐らくディンギルと同レベル)、「ボラー」や「ガルマン・ガミラス」と対等に戦える「地球」と誼を結べるならば、そちらの方がエトスの独立を維持できるうえで有利と判断してもおかしくはありません。
作中では感情的に裏切ったように見えるエトスですが、これはアテナを盟主とする「デロス同盟」を見限り、「スパルタ」にすりよったポリス群のように、「地球」という新しい盟主を見つけてすり寄ったと考えると納得できます。
恐らくその後、エトス軍が全滅を覚悟でSUS艦隊と戦ったのも、そうする事で「エトス」は地球の味方ですよということをアピールし、地球の船団を攻撃したことを不問にしてもらうことを目論んだのではないか。
ちなみにのちにアマールのパスカル将軍が玉砕覚悟で出撃したのも同様の意図があったと思われます。

「復活篇」はあくまで「地球視線」で描かれているので分かりづらいですが、星間連合を構成する国家がそれぞれが独自に自国の独立と利益を考えて動いていたと考えると、物語後半の「星間国家連合」のグダグダが理解できます。
「第2部」以降でSUSや星間国家連合がどのようになっているかは分かりませんが、もしかしたら引き続きSUSを盟主とする「星間国家連合」VS「地球」「エトス」「アマール」の三国同盟という形で戦争が継続しているかもしれません。
ある意味で「歴史は繰り返す」ですね。


コメント
最近少なくなってきてる復活編の解説をこんなわかりやすく読めるサイトがあって感動しました!是非これからも!
イスカンダル文明の恥様、コメントをありがとうございます!
また返信が遅くなってしまったことを深くお詫び申し上げます、
>復活編の解説をこんなわかりやすく読めるサイトがあって感動しました!
そう言っていただけると嬉しいです。
更新自体は不定期になると思いますが今後ともよろしくお願いします。
航宙特務隊です!お久しぶりです!
物凄くわかりやすい記事です! 復活編は小学5年のころ当たりにテレビで見た記憶がうっすらとあるぐらいで、見ようと思いませんでしたが、ノベライズされてたら読んでみようかなと思います!
さて記事の件についてですが、なるほどそういうのがありえるかなと思います。
復活編は一回リメイクシリーズで仕切り直しという形で作るというのはいかがでしょうか?もうヤマト=リメイクという人が(特に若年層には)多いと思います。(実際自分がそうです)その中でオリジナルシリーズ作品というのは世界線が混乱するのではないでしょうか?
その際に山城さんが予想された設定が生かされると思います!
航宙特務隊様、お久しぶりです。
コメントをありがとうございます。
一応、復活篇のノベライズは存在しているのですが、現在ではかなりのレアものになっています。
聞く話によるとかなり著者の独自色が強く出ている内容になっているとのことだったので、一度読んでみたいのですが・・・・
また個人的に、私も復活篇は一度リセットして第一部から再出発したほうが良いと思っています。
当面、映像化は難しいと思いますのでアクエリアス・アルゴリズムの続きという形でノベライズで形にしてほしいなと思っています。
アクエリアス・アルゴリズムはかなり評判がよかったのでいけると思うんですけどね~苦笑
記事とは直接関係ないですけど、「宇宙戦艦ヤマト」「さらば宇宙戦艦ヤマト」4Kリマスター版が
12月から2ヶ月連続で劇場公開されるそうです。
https://natalie.mu/eiga/news/535862
個人的に劇場の大スクリーンで久しぶりに旧作を見る事が出来そうで楽しみ。
せいじん様、コメントをありがとうございます。
私も朝にそのニュースを見て一気にテンションが上がりました。
「劇場版」と「さらば」のイベント上映はずっと私が待ち望んでいたことだけだっただけに、今回実現してくれて本当に嬉しかったです。
これを機に再びヤマトブームに火がついてほしいですね。
デレクターズカットと言う名のリメイク。
お陰で、物語りを詰まらなくしてしまったね。と自分には思える。
確かに音楽や効果音などはデレクターズカットの方が良いのだけどね。
カスケードブラックホールに引き込まれ、そのまま銀河中心部のブラックホールに飲み込まれた地球及び地球人類は、確実に滅亡だし、古代率いるヤマトも自殺行為だよ。ブラックホールに飲み込まれたという事は地球もヤマトもスパゲッティのように伸ばされ、更には原子に還ってるって事だかね。これをどうやって元の姿に戻すつもりなんだ?ファンタジー要素を取り入れて再生しますか?テレサ復活させて、超反物質エネルギーによる超対消滅を発生させ、異次元世界で再生されたヤマトとクルーたちと地球、そして人類は元の銀河へ生還。めでたしめでたし!だが、その喜びも束の間・・・第三部へ。
無理だろ(汗)
その点、オリジナルはとりあえず地球や人類は無事なので物語りも作りやすいよね。同じ銀河中心部へ目指すにしても異次元人(メッツラー種族)と対決しつつ、雪奪還出来るしね。
こんばんは、紫龍です。
私としては、メッツラー=アケーリアス文明=JHVHではないかと考察します。
1. ノアの大洪水とアケーリアス文明の関係
宇宙戦艦ヤマト完結編では、ディンギル人はノアの大洪水で滅亡するテロンから脱出したテロン人の末裔であることが示されています。
またアクエリアスは近づいた惑星に引力の干渉で大量の水を降り注がせるが、ノアの大洪水がアクエリアスによるものだとして、そのアクエリアスは現在の黒海にあたる座標の直上で最接近し、水柱を降り注がせて現在の黒海を形成したのではないでしょうか?
謂わば黒海洪水説です。
若しヤマト世界の黒海で何かのアケーリアス文明の遺産が発見されれば、黒海洪水説が立証されると共に、ノアの大洪水がアケーリアス文明によって引き起こされたと証明されます。そこに旧約聖書を関連付けることで、アケーリアス文明の正体が神の国であると共に、ノアの大洪水はJHVH(יהוה)によって引き起こされたと証明されるのです。
2. アケーリアス文明と全宇宙のヒューマノイド種族
リメイク版宇宙戦艦ヤマトでは、宇宙の全てのヒューマノイド種族はアケーリアス文明の被造物という遺伝子を受け継いでいるとされます。アケーリアス文明の技術レベルを鑑みれば、その遺伝子に刻まれたプログラムを通じて、アケーリアス文明が我々を操っていたとしても不思議ではありません。
3. 神とブラックホールの関係性
ブラックホールは中心部に重力が無限大の点である特異点を有しています。つまり有限と無限が結びついているのです。
また無限大の量を持つ存在は一般相対性理論が適用されないため、物理学が意味を成さない――つまり因果律を歪めてしまいます。つまりどんなデタラメ現象が発生したとしても物理的にありえないわけではない状態となるのです。それ故神の正体はブラックホールではないかと、考える科学者もいます。
4. SUSの正体
宇宙戦艦ヤマト黎明篇においては、メッツラーは異次元そのものが意思を持った存在たる〈重力思考体〉であることが明らかとなっており、また第1部及び第2部の黒幕となっております。
ピクシブ百科事典によると以下の通り。
その異次元は正真正銘何一つない虚無の空間だったが、四次元宇宙(要は我々の宇宙)から漏れてきた重力の波によって次第に構造といえるものができていった。そして四次元宇宙の多くの恒星が寿命を迎えてブラックホールと化した時、ブラックホールが吸い込んだ物質に含まれる莫大の情報によって、構造は生物の脳かコンピュータの電子回路にも見えるレベルに大きく進化し、思考ができるようになった。
つまりメッツラー=ブラックホールと関連付けられるのです。
4. アケーリアス文明のレベル
参考資料:https://www.youtube.com/watch?v=ar09yKZCUtk
引用
実はシナリオ集ではデサリアムの出自がブラックホールなのではないかとも書かれています。
仮に本当にブラックホールであった場合2180年代から火星を飛び出し、イスカンダルと似たような高度文明に救われてブラックホールのような時間が無限大に引き伸ばされた世界で1000年時が経過したとしても実はそこまで影響はないのです。
それこそスケールシリンダーや次元エナーシャルキャンセラー
量子フライホイールが回転しているのをあえて確認した真田さんなどから時空間のズレを直す装置というのは地球レベルでも存在するのです。
それ故1000年以内の時間経過を操作できさえすれば好きな時間軸に合わせてブラックホールから出現できます。
またテレザリアムが無限大に加速された時間断層型空間ならばその逆にデザリアムは無限大に時間が遅い空間とも捉えられます。
さらにREBELにはLEVELの意味も内包されるという福井さんの話を考慮していくと、LEVELの意味である段階とは宇宙学者のデグマーク氏の考え出した、観測可能な宇宙を超えた宇宙の分類学上のレベル3相当、量子力学における他世界解釈これにあたるのではないでしょうか。
ちなみにヤマト世界においてもおそらくこの解釈が採用されており。現にテレサが古代に対して全ての可能性を提示していたシーンがありました。ただ基本的にレベル3世界では分岐した世界同士は一切干渉することができません。
これはテレサの描写が最も体現しており、高次元生命体となった超高度文明のテレサですら
縁の力がなければ単なる観測者にすぎないほどです。
これはイスカンダルほどの高度文明でも同様であり、結局この宇宙の外へは出られておらず同時に物理法則を足かせと言っている辺り、この壁を突破したのはアケーリアス文明のみだと言えます。そしてアケエリアス文明は人類をまく前の宇宙に滅びの方舟を残し後から人類の選択によって分岐する宇宙すべてに根絶の危機を
植え付けました。人類以前だからどれだけ世界分岐しても必ず滅びの方舟は存在してしまうのです。
つまりレベルにおけるレベルの意味は大和世界の宇宙論が量子力学的多世界解釈であることを
示しているのではないでしょうか。
つまり宇宙を超える存在であるアケーリアス文明はメッツラーと同じであり、アケーリアス文明は物質世界、即ち宇宙を超える存在=JHVH。そしてメッツラーはブラックホール=JHVH。つまりメッツラー=アケーリアス文明=JHVH説が成り立つのです。
ネタバレになってしまいますが、実は私の小説でもこの解釈が採用されています。
良かったらリンクを貼りますので、ウォッチリストに登録して投稿を心待ちにしてね!
リンク:https://www.pixiv.net/novel/series/13571432
紫龍様、今晩は!コメントをありがとうございます。
>メッツラー=アケーリアス文明=JHVHではないかと考察します。
これは面白いアイディアですが、現時点ではオリジナルシリーズとリメイクシリーズは明確に世界線が違うとされています。
オリジナル要素とリメイク要素を合体させた二次創作として製作されるならば問題ないと思いますが、復活編の検証などをする場合にリメイクシリーズの設定を前提とするのは炎上などの原因になる可能性がありますのでお気をつけください。
リンクありがとうございます!
更新を楽しみにしております。