高次元宇宙の記憶に関する一考察

皆様今晩は!
もう皆さまもご存知かもしれませんが、ヤマトについて非常に面白い記事を書かれているymtetc様の「ymtetcのブログ」において、今回、非常に興味深い記事がアップされていました。

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この記事では「2205」第4話において芹沢さんと古代との会話の中で出てきた「高次元宇宙(テレサ空間)での記憶」について、古代は本当に覚えていないのかを検証されており、「本当に覚えていない可能性が高い」と結論付けられています。
私もこの結論に同感ですが、それでは何故、古代はテレサ空間の記憶を覚えていないのか、ちょっと考えてみました。

テレサ空間は夢の世界?

そのヒントとなるのが、先にテレサ空間より帰還した山本の証言です。
彼女の覚えていることをまとめるなら
①大きな木を見た
②誰か懐かしい人と話した気がする(兄だったのか、キーマンだったのかも覚えていない)
③古代と雪を迎えに来て欲しいというテレサのメッセージ

このうち、山本がハッキリと覚えているのは③のみであり、①と②の記憶については非常に曖昧です。

何故、同じテレサ空間から持ち帰った情報であるのに対しこのような違いが生じているのか。
これは③はテレサが山本に与えたメッセージであるのに対し、①と②の記憶は山本自身がテレサ空間で知覚した事の違いであると思われます。
恐らく一部の例外を除き、テレサ空間で見聞きした情報の大半は、現実世界に戻った段階で失われてしまうのでしょう。
例えるならば「夢」に近いのかもしれません。
人は寝ている間に必ず夢を見ていると言われていますが、目を覚ました時にその夢の内容をはっきり覚えていることは少ないでしょう(覚えているとしても一部や曖昧な部分がある)
現実世界の人間にとって、「テレサ空間」に行くことは「睡眠」と同じことであり、そこで見たものは「夢」のように脳内で処理されていまうのではないでしょうか。
それゆえ、古代もまた「テレサ空間」で見た未来の光景はあまり覚えていない(本人としては、何か嫌なものを見た程度の感覚があるのかもしれませんが)のではないでしょうか。
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テレサが古代の記憶を消した?

また古代が見た未来の情報は特にテレサが介入して記憶から消去した可能性も高いです。
何故なら2202本編でもテレザート星で出会ったテレサは古代たちに「未来の出来事」を知られることを非常に警戒し、最低限のヒントしか与えていません。
これは「未来を知る」という行為によって、未来に悪影響を与えてしまう事を警戒しているためです。
実際の所、第7章を見てから第5章でのテレサの与えたヒントを見直すと、「滅びの方舟」を止める為のかなり重要な情報を与えていることがわかります。
しかしこの未来を掴むためには、古代たちが回避したいであろうイベント(仲間の死など)もいくつもこなす必要がありました。
もしこの時、古代たちが「未来」を知ってしまった場合はどうなったでしょうか。
確かに「未来」を知っていれば、芹沢さんが指摘したようにその時点での最善の道を選べるかもしれません。
しかし、「知っている」からこそ逆に「正解」を選ぶことができず、それが結果として未来を閉ざしてしまう事も十分にあり得ます。
実際、テレサが示した未来を掴めたのは、古代たちが「未来」を知らなかったからに他なりません。
テレサもまたこの事を知っているからこそ未来に関する古代の記憶を消し、彼自身の決断次第であらゆ未来を掴める可能性を残したのではないでしょうか。
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雪の記憶は残っているのか?

さてここで気になるのは雪の記憶です。
もし考察通り、テレサ空間での記憶が現実世界への帰還と同時に大半が失われてしまうとすれば、テレサ空間で取り戻した雪の記憶もまた失われてしまった可能性はないのか?
私はこれはテレサ空間における例外の1つであると思われます。
というのも、彼女テレサ空間で見つけたのは、あくまで彼女自身の欠損した記憶であり、新規の情報という訳ではありません。
記憶をデータに例えるならば、過去のデータを上書き保存してしまったことで消去してしまった新規データが、「テレサ空間」で保存されていたバックアップによって消去部分を修復できた・・・というイメージに近いでしょう。
それゆえ、彼女は自信の失われた記憶を問題なくテレサ空間から持ち帰ることができたのだと思います。
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実は、この「データとして持ち帰る」は今後の2205に大きく関わてくるのではないかと思われます。
というのも、デザリアム人達は本来は持ち帰ることができないテレサ空間の情報をデータ化する事により、現実世界持ち帰ることに成功しているのではないでしょうか。
本来、テレサ空間に来れる者達は生身であるため、記憶する方法は自分の脳のみです。
それゆえ、そこで得た情報は脳によって夢として扱われ、その大半はテレサ空間からの帰還と同時に失われてしまうのでしょう。
しかし、もしデザリアム人達が体のサイボーグ化だけではなく、自分たちの頭脳も電子頭脳化しているとしたらどうでしょうか?
彼らはそこで得た情報をデータとして保存し、現実世界に持ち帰ることは可能でしょう。
ある意味で、芹沢さんが言っていた「高次元宇宙で得た知見」に基づき最善の選択をしている存在こそ、デザリアムなのでしょう。
おそらく彼らにとって、決断とは「テレサ空間」によって得られた「最善の結果」を選んでいるにすぎず、それゆえに結果を狂わすバグの存在を嫌っているのではないでしょうか。

コメント

  1. kazu より:

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    ヤマトのメインコンピュータに記録し、分析が始まっていると思います。
    あの真田さんが、ワクワクしながら紐解いてくれているでしょう。
    そもそもヤマトはテレサを降臨する器です。波動エンジンの臨界稼働が何をもたらすかなど、興味の種は無尽蔵です。

  2. 山城2199 より:

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    kazu様、コメントをありがとうございます。
    果たしてどれほどのデータがメインコンピューターに記録されているのか気になるところ。
    場合によっては「ヤマト2」みたいにコンピューターがショートしている可能性もありそうです。

  3. mars より:

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    テレサ空間の記憶はアーカーツィアの書庫だとすればアーカーシャ(虚空蔵菩薩)の叡智と同じく「知っているけど知らない、見た時に思い出す」の類だと思います。タグを知っていれば引き出せる情報だがそのタグは情報の中に書いてある代物。
    ユキだけが例外な理由としてユキは「コスモリバースによる再生」を行われてます。地球と同じくテレサ空間に繋がる穴がどこかに有ると考えられます。
    但し「叡智の書の写本の一部」自体を持っているのは古代でユキが持っているのは「目録」と「古代と共に過ごした記憶」であり天空の図書館を巡る乗り物はヤマトです、合わさると理不尽なまでの奇跡が頻発しますが古代だけを幾ら調べても何も見つかりません。
    或いは例外的にテレサから接触を持ったデスラーを中心に「縁」の糸を古代とヤマトが辿ると奇跡が頻発するようなイレギュラーもあり得ます。傍目に見たら「ヤマト」が奇跡の船に見えたり悪魔の船に見えたりして更なる誤解と伝説による「縁」が増大します。
    デザリアムからしたら怒りで頭が破裂するほどの極大ノイズですね。

  4. 山城2199 より:

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    mars様、コメントをありがとうございます。
    正直、仏教についてはあまり詳しくなかったので、虚空蔵菩薩について教えていただきありがとうございます。
    テレサが蓮の花に載っているあたり、もしかしたらモチーフは本当に虚空蔵菩薩なのかもしれませんね。

    >デザリアムからしたら怒りで頭が破裂するほどの極大ノイズですね。

    もしデザリアムがこの事実を気づいたとしたら、旧「永遠に」のように何が何でもヤマトを探し、入手しよとするのも納得です。
    リメイクシリーズでデザリアムが恐れるのは、波動兵器ではなく、ヤマトという存在そのものなのかもしれませんね。