総統の本気度はどの程度だったのか？

皆様今晩は。
昨日アップした「検証・ザルツ旅団の謎」について鮫乗り 様より非常に興味深いご指摘を頂きました。
それはデスラー総統が、シュルツを知らなかったことについて、わざと知らないふりをしていたのではないか、ということです。
いか、引用させていただきます。

「新天地を銀河方面に求めるというのは重要なミッションですが、表向きは別の目的を装う必要があったでしょう。
実際はドメルからの推薦で、ザルツ旅団が有能であることを把握したうえで、表向きは辺境で、戦略上あまり大きな意味を持たないからザルツ人に任せた、という体をとったのでは？
この場合、人の心が読めるセレステラは、当然そのことを知ったうえで話を合わせていたというわけです。」

ぶっちゃけてしまえば、地球への移住計画自体2202で復活したあとづけ設定であるため、2199の段階ではデスラー総統は地球に対して本当に興味が無かったというのが正解でしょう(ゆえに地球攻略していたザルツ旅団についても関心が無かったといえます。）
しかし、2202でデスラー総統は地球への移民を考えていたという設定が作られた以上、整合性が必要であり、その意味では、鮫乗り 様のこの説は非常に説得力があります。
しかし一方で、この説に立った場合、冥王星基地を失った後のデスラー総統の対応があまりにのんびりし過ぎているのにも気になります。
本当に地球への移民がガミラスの命運を左右するものであるならば、その核となる冥王星基地喪失の段階で即座に計画の建て直しを図る必要があり、例えばゲールに命じてオリジナル版のように冥王星基地再建計画を立てさせるなどの対応がとられるはずです。
しかし2199を見ている限りそのような気配は感じられません。
これはどういうことなのか？

計画のひとつに過ぎなかった地球移民

考えられることは一つ、この地球の改造及び移民は、デスラー総統が同時並行で進めていたガミラス救済計画のひとつに過ぎず、しかもそれほど期待はしていなかったプランだったのではないでしょうか？
実際、デスラー総統は同時期に最低でも3つ、以下のような救済プランを進めていた形跡があります。

1：第2バレラスという人工の移民先の建造
2：支配宙域拡大に伴う第2のガミラス星の発見
3：地球のガミラスフォーミング化

恐らく出すら総統の期待度は1>2>3という順序だったのではないでしょうか。
というのも恐らく完全な惑星の改造はガミラスといえども前例が無く、恐らくは「理論上は可能である」レベルの試みだったのではないかと思われます。
そのため、総統としても成功したらもうけもの程度の感覚で地球のガミラスフォーミングを試みただけであり、実際のところは最も実現度が高い「第二ガミラス」の建造に集中していたのではないかと思われます。
また、遊星爆弾攻撃の初期の段階で地球そのものがガミラス化する可能性はかなり低いことが判明し、一応、継続して遊星爆弾によるガミラスフォーミング作業は続けるものの、地球に対する関心は早々に失っていたのかもしれません。

どちらにせよ、総統自身は地球のガミラスフォーミング化はそれほど期待はしていなかったため、ガミラスフォーミングの中核であった冥王星基地の喪失にたいしてもそれほどショックを受けることは無く、すぐに計画の建て直しを図ることも無かったのではなかったと思われます。

なぜ地球のガミラスフォーミングをシュルツ旅団が担当したのか？

また、何故ガミラス救済プランである地球のガミラスフォーミングをシュルツの旅団が担当することになったのか？
これについては戦力の不足が原因であると思われます。
恐らくガミラスの1線級部隊は軒並み大・小マゼラン銀河の防衛と拡大政策（第二のガミラスの探索）に投入されており、辺境宙域で長期間にわたってガミラスフォーミングに従事させられるような部隊がなかったのではないでしょうか？
勿論、2線級以下の部隊はあったでしょうが、あまりに錬度が低い部隊に従事させた場合、地球艦隊に敗北する可能性もあったので（油断するとガミラス艦も撃沈されることが第二次火星沖海戦で証明されています）、属国から提供させた補助兵力の中で、最も有能であったザルツ艦隊に地球討伐及びガミラスフォーミングの実行を命じたのではないでしょうか？

以上の仮説であるならば、2202における地球への移住設定と2199における総統サイドの描写は一応の整合性がつくと思われます。如何でしょうか？