【第3章考察】山南艦長はあの人物の裏切りに気づいている?

皆様、こんばんは!

第2章において、イカルス天文台から地球に向けて謎の発信がなされるなど地球脱出組の中にデザリアムの内通者がいるであろう描写がありましたが、第3章の終盤、その正体がついに判明しました。
ご覧になった方はもうご存知でしょうが、内通者の正体は‥‥

はい、アスカの艦長である北野誠也でした。

正直、北野艦長については第1章の頃から、X(旧Twitter)において(この時点では半ばネタでしたが)「北野艦長内通者説」を提唱していましたが、第2章の時点では割と本気で「北野艦長、怪しくない?」と思っておりましたので、今章で内通の事実が判明しても「やはり」という印象が強かったです。
実際、北野艦長がクロであったとすると、第1章及び第2章で疑問に思っていたことも納得できるものが多く、最初からデザリアムの協力者として設定されたキャラであったことは間違いありません(第1章及び第2章での北野艦長の暗躍についてはまた別の機会に記事にしようと思っています)

この北野艦長の内通について、ヤマトクルーや地球の残留組が特に気が付いているという描写は現時点ではありませんが、個人的には、山南艦長は内通の確信は持てないまでも、内心で北野艦長を疑っているのではないか?と思っています。
その理由は、第3章冒頭13分でも描かれた山南艦長と北野艦長の会話です。

よくよく考えるとおかしい山南艦長の報告

この時、山南艦長は北野艦長にデザリアム本星行きの続行を告げるとともに、時空結節点とは逆方向の亜空間ゲートに最短距離で向かう事を告げています。
これは藤堂長官への報告を伝言していると考えればそこまでおかしな内容と思えないかもしれませんが、よくよく考えると少し妙です。
というのも、デザリアム本星行きの続行を報告するのは当然であるとはしても、何故、そこに向かう航路まで詳細に話す必要があったのか。

ヤマトの航路に関しては艦長が決定する全権限を持っており、しかも亜空間ゲートの使用についてもバレル大使からすでに内諾を得ているので特に藤堂長官に動いてもらう必要がない以上、(盗聴などから)情報漏洩の危険を避ける意味でも今後の航路は伏せとくのが普通です。
にもかかわらず、何故、「現在の航路から転進して、最短ルートで亜空間ゲートに向かう」という、聞く者が聞けば、待ち伏せに最適な「オルフェ宙域」をヤマトが通ることまで特定できる詳細な報告をしたのでしょうか?

恐らく、山南艦長はこの「オルフェ宙域」でのデザリアムの出方で、北野艦長の裏切りを確認しようとしたのではないでしょうか?

ヤマトに発信機がつけられていた事から、引き続きデザリアムの透明戦艦(グロデーズ)がヤマトを狙っていることは明らかですし、その発信機自体、少し探せばすぐに発見できるレベルのものでしたので、それほど時間をおかず透明戦艦が次のアクションをしかけてくると予想するのは容易です。
「オルフェ宙域」を航行したのは、最短であるだけではなく、攻撃を仕掛けやすい宙域をあえて航行することで透明戦艦のアクションを引き出し、逆に罠にはめるためであったことは間違いありませんが、もう一つ、その時の透明戦艦の作戦を確認するのも目的だったのではないかと思われます。

もし、発信機を頼りにヤマトを追尾してきたとすれば、透明戦艦は後方、あるいはヤマトを追い抜いた状況で側面からデコイに攻撃を仕掛けてきたはずです。
しかし実際は十分な艦隊戦力を揃えて正面に待ち伏せをしていました。
これは発信機を頼ってヤマトを追尾してきたのではなく、明らかにヤマトの航路を知ったうえで罠を張っていたことを意味しています。
この時点で山南艦長は北野艦長の内通を半ば確信したのではないかと思われます。

アスカを反デザリアム反抗作戦に参加させなかった理由

このように考えると、このオルフェ宙域戦後に地球で行われた「反デザリアム反抗作戦」にアスカを参加させなかったのも納得できます。

星名は「貴重な戦力」であるからという理由でアスカを作戦から外したと言っていましたが、真意を適当な口実で隠すという事は同エピソードで大田達にもやっていたように(軍艦乗りには軍艦乗りの仕事をしてくれとアリゾナからの攻撃を任せたが、真意は素人に作戦を邪魔されないというもの)、この口実は間違いなく星名の真意ではありません。
真意はほぼ間違いなく「北野艦長が信用できない」という事でしょう。

星名が北野艦長を最初から疑っていたかは分かりません。
ただ、オペレーションDADの終盤、地球脱出の命令に素直に従わず途中で妻の百合亜と共に姿を隠したように、元々、星名は「オペレーションDAD」と、その作戦を立案した北野艦長を全面的には信用していなかった節があります
そのような中で、オルフェ宙域突破後、山南艦長から揚羽美術館地下の通信室を経由して「北野艦長は要注意」という趣旨の連絡が入り、その情報を元に星名は作戦からアスカを外す決断をしたのではないでしょうか。

一方、北野艦長自身もオルフェ宙域での待ち伏せの件とその後の「反デザリアム反抗作戦」にアスカの参加が見送られたことから、自分に疑惑の目が向けられたことを敏感に感じていたのでしょう。
そのため彼は「反デザリアム反抗作戦」終盤にグランドリバースへの攻撃を実行したと思われます。
その目的は3つ
1つ目はグランドリバースを攻撃することで純粋に「デザリアムの内通者」としての正体をごまかすこと。
アスカの主砲程度ではグランドリバースは掠り傷1つも負わない事は百も承知の上であえて攻撃を実行することで自分はデザリアムと敵対しているというデモンストレーションを行ったのでしょう。
実際、この攻撃の事実があれば後で追及されても「御冗談を。もし内通者であるならば最重要拠点であるグランドリバースなんて攻撃できませんよ」と言い逃れる事が可能です。

2つ目は「反デザリアム反抗作戦」に参加したメンバーを逃がすため。
第三章終盤のマザー・デザリアムの発言から反デザリアム組織自体はもう少し存続してくれないと困るという事情がデザリアムにもあった事が伺えます。
しかしあのままでは南部をはじめとする大半のメンバーが捕縛されることになったっため、なんとしてでも彼らにはあの場からは逃げてもらう必要がありました。
そのタイミングと大義名分を作るためにアスカでグランドリバースを攻撃したのではないでしょうか。
実際、あのタイミングで攻撃を行うためには、地球を取り巻くゴルバ要塞群に発見されずにギリギリの場所で待機している必要がありますが、正直、それは非常に困難です。
むしろあの攻撃自体、デザリアムと組んでの狂言と考えた方が妥当です。

3つ目は自然な形で捕虜になることです。
恐らく北野の役割はヤマトをデザリアムに捕縛させることだったと思われますが、その計画はことごとく失敗し、しかも自分自身が内通者であることが発覚したという可能性も出てきました。
そのため、一度デザリアムの幹部や地球の親デザリアム派と合流して今後の善後策を練ろうと考えてもおかしくはありません。
ただ理由もなく合流すると、内通者である事実が確定してしまい、今後、反デザリアム組織に獅子身中の虫として入り込めなくなるので、それを避けるために「捕虜」という形をとって合流したのではないか。

このように見ていくと第3章は派手な戦闘の背後で複雑な「情報戦」や「心理戦」が繰り広げられていたと考える事ができて非常に興味深いですね!

コメント

  1. しょう@s2y0o0o7 より:

    本当に、誇れるものではありませんね。人間のやり方ってのは。
    オルフェ宙域戦は個人的には七色星団のオマージュと思いましたが、見た目だけでなくヤマト側が罠を張ったという点に於いても似ていますね。

  2. 匿名 より:

    個人的に、山南さんは割と周りを俯瞰的に見てる節はあると思ってまして、2199の1話での爆撃の生き残りが北野兄というのが正しいなら、こいつヤマトのようなガミラスに味方する側には付かないんじゃねえか?という見方は最初にあったのではとも思います
    経歴的に蟠りがあるだろうと考えるのは、山南さんの立場からすれば自然ですし
    ただまあ、3章までは確信とまではいってなかったんだろうとは思いますが