アリゾナ就役に見える地球軍の政争

皆様今晩は!
先週14日のイベントで明らかにされた「REBEL3199」の新情報の1つとして、「ヤマトⅢ」に登場した「アリゾナ」が登場することが確定しました。
この「アリゾナ」はヤマトメカの中でも「アンドロメダ」に匹敵する人気艦ということもあってネット上にこの一報が流れた時はすごい反響でしたね。
かく言う私もこのアリゾナ(というよりアリゾナを含むヤマト3に登場する列強艦シリーズ)は好きなので、登場が確定してくれて嬉しいです。
今作では活躍のシーンがある事と、ビスマルクなど他の3隻が登場してくれることを期待したいですね。

さて、今回はせっかくですので「アリゾナ」が登場する事から見えてくる、「REBEL3199」の舞台となる2207年の地球の状況を考察してみたいと思います。
個人的にはこのアリゾナの登場は2207年時点での地球を取り巻く状況の厳しさと、国防における主導権争いの激化を表しているのではないかと考えています。

再軍拡に踏み切った地球

2205において「地球の規模に見合った軍備の最適化」という形で軍縮を進めていた地球ですが、恐らく「REBEL3199」の地球は再び再度の軍拡路線に踏み切っていると思われます。
その理由は、同盟国である「ガミラス」の著しい国力の低下とボラー連邦との星間戦争の勃発です。
2205においてガルマン星への移住計画自体は完了し「ガルマン・ガミラス」として再スタートを切ったものの、本星であるガミラス星の消滅により人的資源を含む多くのものを失い、大きく国力を衰退させています。
主力艦隊が既にガルマン星防衛に派遣されていたことでその損失が最低限ですんだことは不幸中の幸いと言えますが、仮に同盟国である地球に何らかの変事が起きたとしても、2202の時のような大規模な増援を送り出すことはほぼ不可能です。
また、ガルマン星を巡ってガルマン・ガミラスとボラー連邦の間に星間戦争が勃発したことも大きいです。
この戦争に対して地球がどのようなスタンスを取るかはまだ分かりませんが、いつこの星間戦争に地球自身が巻き込まれるか分からない状況になったのは間違いありません。
その為、地球は単独で防衛が可能なように再度の軍拡に踏み切る決断をしたとしてもそこまでおかしなことではありません。
ただそこで問題があるとするならば、この再度の軍拡において、国防における極東管区の主導体制が崩壊したことではないかと思われます。

崩壊した極東管区主導体制

これはあくまで私の勝手な推測ですが、ガミラス戦争以後の地球軍は旧極東管区派閥のほぼ独裁と言っても良い主導体制となっており、他の管区派閥はほとんど影響力を失っていたと思われます。
独裁制というと聞こえが悪いですが、これはやむを得ない側面があったと思われます。
なぜなら、極東管区派閥が時間断層と波動砲技術を保有していたことにより短期間で戦力の再建できたのに対し、他の派閥はガミラス戦争の痛手から立ち直れてはおらず、また戦力も既に旧式になりかかっているコンゴウ級が主力であったため、地球軍の再編は圧倒的な力を持つ極東管区派閥が主体とならざるを得なかったのでしょう。
ちなみに、この時点では波動砲技術は最大の機密として極東管区閥が独占したと思われます。
これは自分たちの権力を守るためという側面もあったでしょうが、他の管区に技術供与する事で、波動砲艦建造競争という形で管区間の対立が発生し、コントロールできなくなることを恐れたためであると思われます。
現実の地球でも核保有国が国際政治で大きな発言力を保有していることからも分かる通り、国力的には他の派閥と比べて大きく劣っている極東管区がガミラス戦争後の地球で主導的地位にいられるのは、波動砲艦の保有が大きいです。
これを考えると、主導的地位を極東管区から奪い取るため、他の管区派閥が波動砲艦の増産を決断する事は容易に想像できることです。
もしそのようなことが起きれば地球の速やかな再建と国防力の整備は大きく恐れる危険性もあります。
その為、2202の極東管区派閥はやや強権的とは分かっているものの、時間断層と波動砲関連技術を独占する事でガミラス戦争後の地球連邦と地球防衛軍の主なポストを自派閥で占め、迅速な再建を行っていたのではないでしょうか。

2202のラストで極東管区閥の力の背景である時間断層を失ったものの、それでも2205でなおも極東管区閥が主導的立場にいられたのは波動砲関連技術を独占できていたからと思われます。
しかし、同盟国・ガミラスの大きな国力の低下とそれに続く星間戦争勃発、さらにはデザリアムという謎の勢力が確認されたことにより、迅速な再軍拡を進める必要に迫られたものの、時間断層を失った極東管区にはその要求にこたえることが出来ず、ついに他派閥に波動砲艦の建造を依頼する事になったのではないでしょうか。
実際、ガトランティス戦役で多くの人的資源や戦力を失った極東管区と違い、他の管区は7年前のガミラス戦争の損失から立ち直ってきており、時間断層に頼らずとも波動砲艦を多数建造するだけの余力が既にあったと思われます。
その結果、完成したのが最新鋭波動砲艦「アリゾナ」をはじめとする列強艦シリーズなのではないでしょうか。
いわば、「REBEL3199」のアリゾナの登場は、地球における極東管区閥主導体制の崩壊と他管区の発言力の増大を表す象徴なのではないかと思われます。

山南さんの宙将昇進問題

これを裏付けるエピソードとして山南さんの階級問題があります。
「地球防衛艦隊総司令」という地位についているにもかかわらず、山南さんの階級が低すぎるということは2202の時点で指摘されています。
これについて、昨年、広島県福山で開催されたトークショーで、非常に面白い裏設定が公開されています。
簡単にまとめるならば、

①2205時点での地球防衛艦隊総司令は別の人
②山南さんはガトランティス戦役後、「宙将」への昇進が打診されたが、ガトランティス戦役の責任を取る形で地球防衛艦隊総司令の地位と一緒に辞退した。

ここで注目したいのは「「宙将」への昇進が打診された」のが「ガトランティス戦役後」であることです。
これはあくまで予想ですが、そもそもガトランティス戦役時において、山南さんをあえて「一等宙佐」にとどめたのは、波動砲艦隊という強大な力を持った彼が反乱を起こすことを恐れての事だったのではないでしょうか。
「佐官」と「将官」とでは持てる権限と権威が全然異なってきます。
恐らく2202の地球防衛軍は山南さんをあえて低い地位にとどめることによって彼の権限を「戦術面」に限定し、政治に携わるような面からは「佐官」であることを理由に極力排除していたのではいでしょうか。
ただこれで上手くいったのは当時の地球軍が「極東管区閥」で占められていたからです。
おそらく派閥の方針は既に統一されていたので、地球防衛艦隊総司令という重職にある山南さんがあえて政治に関わらなくても特に意思統一という面で大きな問題はおきなかったのでしょう。
しかし、アトランテイス戦役以後、状況は大きく変わってしまいました。
時間断層を失ったことで「極東管区閥主導体制」が揺らぎ始め、他の派閥の軍人達も発言力を有するようになってきたのではないでしょうか。
しかも他の派閥には宙将クラスの高級軍人も多数いたため、彼らを束ねるには「一等宙佐」という階級では不都合な生じる側面が起きてきたと思われます。
その為、遅まきながら山南さんを宙将に昇進させることにしたものの、山南さん自身はそれを断り、「地球防衛艦隊総司令」の地位を辞してしまったというのが真相ではないでしょうか。

ちなみに、このトークショーでは後任の地球防衛艦隊総司令は特に設定されていない(2205には登場しない為)という話ですが、もしかしたら極東管区閥以外の人間、3199にアリゾナが登場する事を考えるならば、北米管区の軍人が就任し、「アリゾナ」が地球防衛艦隊総旗艦になっている・・・ということもあり得るかもしれませんね。

派閥争いが3199で地球が占領される遠因?

3199で地球がデザリアムに占領されることが14日のイベントで明らかになりましたが、個人的にはその遠因は、極東管区派閥主導体制の崩壊が原因となるのではないかと思われます。
3199の地球では2205の「ヤマト艦隊の独断行動を不問にする」ということの引き換えに、芹沢さんや山南さんが退役or閑職となり、極東管区閥は地球連邦政府および地球防衛艦隊内での発言力を失っているのではないでしょうか。
その為、極東管区閥が警告している「デザリアム」の存在も軽視してしまい、そこをデザリアムにつかれる形で地球は短期に制圧されてしまう流れになるのではないかと思われます。
ただし幸いなことに、当時の地球で冷遇されていたことで芹沢さんや山南さんはデザリアムの捕縛から逃れ、ヤマトへの合流やバルチザンの立ち上げを成すことが出来るのではないか。
もし私の予想が的中しているとしたら酷く皮肉な話ですね。

コメント

  1. ABARTH より:

    地球防衛艦隊旗艦はアリゾナ級ではなく、やはりアンドロメダ級であるべきだと考えます。艦長は日本人でなくとも艦隊指揮はアンドロメダ級をそのまま引き継いだ方が今ある資源の活用としては利にかなっているし、むしろ足りないのは人的資産ですからね。アリゾナの立ち位置は惑星探索用の長距離対応の護衛艦としての方がしっくりきます。ワンオフでなく複数登場を期待しますが、各国の護衛艦も観たいですね。バンダイからプラモデル化して欲しいところですが、その予定はまだ全くわかりません。ヤマトの第3次改装版はどうやらお蔵入りみたいのようなので、錨刻印の第4次改装版を期待したいです。

    • yamasiro2202 より:

      ABARTH様、コメントをありがとうございます!
      やはり「春蘭」の登場への期待も大きいですよね。
      今回公開された情報は恐らくほんの一部であるうえ、まだまだ隠し玉はあると思いますので更なる情報公開に期待したいです。
      プラモデルも本当に出してほしいですよね。
      1/1000シリーズは難しくても、せめてメカコレで第65戦隊が揃うようにしてほしいです。
      あるいはコスモフリートSPシリーズで第65戦隊が揃うようにしてほしいですね。

  2. ヴェネター級ヒューベリオン より:

    お久しぶりです。

    アリゾナ=USA、プリンス・オブ・ウェールズ=イギリス、ビスマルク=ドイツ、ノーウィック=ロシア、

    アリゾナ以外の3隻の艦が出る場合、この4つの艦は4つの管区それぞれの代表的な戦艦であることは間違いないでしょう。

    ガトランティス戦役において、極東管区と派閥争いを繰り広げていたとされるUSA管区が今度こそ極東管区から主導権を奪わんがために3199では上記の3管区に分け前をチラつかせて手を組んだと言えるでしょう。

    けれどこの4つの管区以外、嘗ての大国だった管区は一体どうしているのでしょうか。

    ブルボン朝時代からヨーロッパ全土に影響力を持ち続け国際連合発足時も常任理事国の席を得たフランス、

    ヨーロッパ古代文化の発祥地にしてWW2以後も大国であり続けたイタリア、

    新冷戦において現在きな臭いチャイナ、

    自由で開かれたインド太平洋戦略で頭角を現してきたインド、

    グローバルサウスの中で大国化し始めたトルコやブラジル等々。

    特にチャイナの場合はガミラス戦役以前からの極東管区との確執から極東管区の足を引っ張るために大手を振ってUSA管区に力を貸しそうなのに影一つ見えません。

    逆にチャイナとの確執から極東管区に手を貸しそうなインドも動き1つありませんでした。

    一体これはどういう事でしょうか・・・

    返信お願いいたします。

    • yamasiro2202 より:

      ヴェネター級ヒューベリオン様、コメントをありがとうございます。
      まあ、画面上には出ていないだけで、それらの大国の宇宙戦艦の存在した可能性もあります。
      例えば、ひおあきら先生が描かれた「さらば宇宙戦艦ヤマト」では、フランス艦隊の「エトワール」、アラブ連合艦隊の「ツタンカーメン」といった艦名が登場していますし。
      ちなみにメタ的な発言になりますが、ヤマトⅢに登場した宇宙戦艦はソ連艦をのぞき、「有名どころ」、かつ「第二次世界大戦で沈んだ艦」という縛りがあったのではないかと思います。
      現在ではイタリアの戦艦やフランス戦艦も広く知られてはいますが、ヤマトⅢが作られた時代では、それらの国の戦艦はよほどのマニアでなければ知らないマイナー艦でしたので、排除されてしまったのではないかと思います。
      その意味では、ソ連の扱いは偉く苦労したでしょうね。
      冷戦の最中だった当時、ソ連を無視するわけにはいかなかったものの、肝心のソ連は第二次世界大戦中に最後まで大型艦が保有できなかったので選べる艦名が無く、苦肉の策として、日本海軍にゆかりのある(鹵獲されて通報艦鈴谷として在籍していた)巡洋艦ノヴィークが選ばれたのではないかと睨んでいます。
      ノヴィークの外観が異色なのも実はそのあたりに理由があるのかもしれませんね。

  3. ヴェネター級ヒューベリオン より:

    候補になりえるソ連艦について

    せっかく大戦時の両陣営の沈んだ戦艦が出てるのにソ連艦がないのは寂しいので鈴谷ことノヴィーク以外にソ連の大型艦がないか自分で調べてみました。

    そしたら見並建造中止やら沈んでないやらでがっくりしました。

    一応沈没してて駆逐艦より大きい艦は1隻だけ見つけました。

    スヴェトラーナ級軽巡洋艦5番艦「チェルヴォナ・ウクライナ」です。

    数奇な運命により艦名は何度も変わっています、ややこしいので日本語訳のチェルヴォナ・ウクライナを中心に書きます。

    元々アドミラール・ナヒーモフと名付けられたのですが、完成直前に発生した2月革命の混乱によりドイツ帝国の支援を受けたヘーチマン政府により接取されヘチマン・ボフダン・フメリニツキーと改名されました。

    その後はウクライナ人民共和国やロシア白軍を経てソ連の物となりチェルヴォーナ・ウクライィーナへの改名に至ります。

    ソ連では黒海艦隊に属し新鋭艦として重宝されました。

    奇遇なことに後に名を上げる人物達がちらほら若き日にチェルヴォーナ・ウクライィーナで勤務していました。

    後に空母アドミラル・クズネツォフの艦名となったニコライ・ゲラシモヴィチ・クズネツォフもその一人です。

    その後はソ連によるスターリン飢饉を始めとするウクライナ人弾圧政策に伴いウクライナ語は禁止されたため、チェルヴォーナ・ウクライィーナの艦名もロシア語名のチェルヴォーナ・ウクライーナに変更されました。

    独ソ戦ではクリミアの戦いでセヴァストーポリに停泊中、爆撃により沈没しています。

    応急処置により沈没を遅らせてドイツ軍爆撃機を撃退する戦果を挙げたものの最後には無残に沈没しました。

    それによりチェルヴォナ・ウクライナは独ソ戦で唯一沈んだ巡洋艦として名を残しました。

    チェルヴォナ・ウクライナがヤマトシリーズに出て来ないの大型艦とは言い難い故に役不足だったんでしょうか。

    或いは艦名が変わると沈むと言う謂れから縁起が悪いと思って出さなかったのでしょうか。

    気になりますね。

    • yamasiro2202 より:

      ヴェネター級ヒューベリオン様、コメントをありがとうございます。
      また返信が遅くなってしまい大変失礼いたしました。
      ヤマトⅢでは「ノーウィック」が登場しましたが、今は時期が時期だけにロシアは3199では時期が時期だけに微妙にハブられる気がします・・・汗
      第2次世界大戦はソ連は海軍が復活する前に独ソ戦に突入してしまったので、軍艦の喪失がほぼないのも仕方がないかと思います。
      第二次世界大戦の勃発自体がもう数年後だったら、もうしかしたらソ連戦艦「ソビエツキー・ソユーズ」が完成していたかもしれなかったのでその点だけは惜しいですね。
      スペック的には大和級戦艦にも匹敵する大戦艦になったという話ですし、もしかしたら北海でビスマルク級と激しい戦闘を繰り広げることになったのかも。
      こういう仮想戦記も読んでみたいかも。
      ちなみに沈没ではありませんが、大戦中にガングート級戦艦のマラートがドイツ空軍の空襲で大破・着底しています。
      一応戦後、修復されて復帰していますが、大戦中は最後まで復帰できませんので喪失艦として扱ってもいいかもしれませんね。
      個人的には「ガングート」という名前は響きがいいので、ソ連製波動砲艦の名前として登場してほしいです。