【ネタバレ注意】デザリアムの正体の考察

皆様こんにちは!
今回は2205最大の謎というべき、「デザリアムの正体」について考察してみたいと思います。

結論から言ってしまえば、「デザリアムの正体」については過去にアップした記事の中で様々な説を検証しましたが、現在では、私の中ではこのデザリアムの正体は「時間断層を捨てなかった未来の地球」という仮説で固まっております。
ただネット上では、この「時間断層を捨てなかった未来の地球」という説に対して否定的な意見も存在し(当然ではありますが)、その理由もなかなか納得できるものです。
そこで今回は、この否定論を根拠について私なりの見解をまとめ、「時間断層を捨てなかった未来の地球」説の補強を図ってみたいと思います。

まず反対論における根拠としては次の3点が挙げられています。

①地球の軍艦であるとするならば、波動砲を装備しないのはなぜか。
②パンフレットには地球、ガミラスと異なる技術体系と書かれており、未来の地球とするのはおかしい
③時間断層で技術力が向上しているわりにはデザリアムの技術力は2205時代の地球・ガミラスとそこまで開きがない

確かにこれらはもっともな謎です。
ただこれらの点については私は十分説明可能であると思います。

デザリアム艦に波動砲が搭載されていない理由

デザリアム艦に波動砲が搭載されていない理由としては
①ドクトリンの変化。
②搭載している機関が異なっているため
の2点が考えられます。

ドクトリンの変化ですが、将来的に波動砲は搭載兵器としては廃れていくのではないでしょうか。
というのも、波動砲は確かに破壊力抜群の兵器ではありますが、初見殺しな側面が強く、実は艦の搭載兵器としては問題の多い兵器でもあります。
事実、それを持っていると相手が知っている場合は、航空機戦力でヒット&アウェイを繰り返す、短距離ワープで一気に乱戦にもつれ込むなどといった戦法で波動砲を使わせないことが可能です。
また2202の地球軍のように全ての艦が波動砲艦だと戦術や戦略がどうしても固定化・単純化してしまい、相手に読まれやすくなってしまいます。
対ガトランティス戦では、相手がバカみたいに突撃一辺倒だったため、有利に働いた波動砲艦隊ですが、恐らくデザリアムルートで発生したであろう第二次ガミラス戦争やボラー連邦との戦いでは、逆に波動砲艦の存在が足を引っ張り、敗北する事も少なくなかったのではないでしょうか。
そのため、デザリアムルートの地球軍では波動砲艦がどんどん廃れていき、「戦略兵器」と呼ぶべき一部の艦を除いて波動砲の搭載はしなくなった可能性が高いです。

また波動砲を搭載していない理由としては、デザリアム艦はそもそも波動エンジンでは動いていない可能性が高いです。
これは次の「異なる技術体系」という疑問に大きく関係する事ですが、彼らは時間断層を経由して2205の世界に現れたと想定すると、時間断層を自由に行動する為に特殊な機関を搭載していたのではないでしょうか。
波動砲は文字通り波動エンジン(ゲシュタム機関)を搭載しているからこそ放てる兵器であり、機関が異なれば当然ながら波動砲を搭載できません。
デザリアムは次元移動能力と引き換えに波動砲の搭載は諦めざるを得なかったのかもしれません。
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地球、ガミラスと異なる技術体系とは?

これは上でも述べたとおり、特殊機関による「次元移動能力」の事ではないかと思われます。
これもあくまで私の勝手な予想に過ぎませんが、「2202の最終話」で、地球はテレサ空間から帰還した山本玲より、時間断層の更に奥底にテレサ空間があるという事実を掴んでいます。
そこでデザリアムルートの地球は、「あらゆる未来を認知できるとするテレサ空間」へのアクセスを実現する為、時間断層の移動能力を可能とする特殊機関の開発に取り組むことになったのではないでしょうか。
もっともこの研究は、最初は時間断層を残しつつ、古代と雪の二人を救出するための方法として開始されたのかもしれません。
しかしいつしかその当初の目的は奇麗に忘れ去られ、自分たちの望む未来の障害になるような存在が出現した場合、時間断層からテレサ空間を経由して過去へと赴き、事前に消滅させるという用途ではないかと思われます。

ちなみに、この特殊機関の伏線になっているのが、2205前章で藪が持ち込んできた特殊な波動コアにあるのではないでしょうか?
どうやら地球でも同種のものが研究されているようですが、次元潜航艇の技術士であった藪が持ってきたことを考えると、次元に関係する能力を持っているのではいかと推測できます(もしかしたら次元潜航艇に搭載されている機関なのかもしれません)。
現時点ではこの機関はまだ次元断層での移動がやっとですが、この研究がさらに進むと、「時間断層」への移動、そして「テレサ空間」への到達が可能になるのかもしれません。
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デザリアムの技術力が2205時代の地球・ガミラスとそこまで開きがない理由

デザリアムとなった地球がどれほど未来の世界なのかは分かりませんが、時間断層が存続した場合、AIによって絶えず新技術の開発が行われているはずであり、少なくとも彼らの技術力は2205の地球やガミラスとは数世代離れているはずです。
普通に考えたら、そこまで世代が離れているのならば「ドラえもん・のび太の日本誕生」で描かれたドラえもんvsギガゾンビよろしく、2205世界の兵器は一切通用しないという状況になってもおかしくはありません。
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ところが、2205本編内ではガミラス艦隊は普通にデザリアム艦隊と対等に戦えており、そこまで技術力の差があるようには感じられません。
それは何故でしょうか?。

実は科学技術というものは必ずしも時間に比例して発展していくものではありません。
どんな研究でも最初はすごい勢いで発展していきますが、ある一定のレベルまでいくとその発展のスピードはどんどん鈍化していき、遂には天井にぶつかって停滞してしまうという事はよくある事です。
あくまで予想ですが、地球のほとんどの科学技術のレベルは2202で時間断層を利用していた段階でほぼ天井近くに達しており、時間断層を残したとしてもそこまで爆発的な技術力のアップは望めなかったのではないでしょうか。

無論、天才の誕生や新しい発見によりその技術の天井を突き破り、再びすごいスピードで発展する事はあります。
ただ、新しい発見のほとんどは、「無駄と思われていた研究」、「繰り返された失敗」「まったく異なるジャンルでのひらめき」など、一見、「無駄」と思われていたことが実を結ぶケースがほとんどです。
ところが徹底的に合理性を追求しているデザリアムは、「無駄と思われる研究」は早々に見切りをつけ捨ててしまい、結果として新しい発見の可能性すら捨ててしまっているのではないでしょうか。
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合理性を追求した結果、自分たちの伸びしろすら失っているとしたらそれは皮肉以外のなにものでもありません。
ただし彼ら自身はそのことに気がついておらず、新しい発見ができないのならば、昔の古代アケ―リアスの超科学力を手にすればよいという思考の下、古代アケ―リアスの知識が眠るイスカンダルを狙った・・・というのが、「2205‐新たなる旅立ち‐」の真相なのかもしれませんね。

以上が私の考察です。
このように考えるならば、デザリムの正体が「時間断層を捨てなかった未来の地球」というのはそこまでおかしな設定ではないと考えます。

コメント

  1. TORA より:

    SECRET: 0
    PASS: b5b3517228c0045c39f3fe606d20e5bd
    こんにちは
    デザリアムの正体ですが、虎徹といい、デーダーといい、これまでの匂わせ方をみると「時間断層を捨てなかった未来の地球」というのは説得力があり頷けるものです。
    ですが、あえて別な正体であって欲しいと願っております。
    理由としてはいくつかあるのですが、
    ①別次元(時間)の地球であっても地球は地球。デザリアムの正体が地球と判った時、ガミラスは地球を憎悪の対象としないか?
    ②ターミネーターの様に過去に干渉することが可能であれば、たとえデザリアムが負けるようなことがあったとしても何度でもやり直しが効くのでは?
    ③「高次元」と言えば何でもありになってしまう福井ファンタジーで片づけて欲しくない
    ④前副監督が「デザリアムの正体は時間断層で軍拡を続けた地球」と呟いており、前副監督の呪縛を払拭できていない
    等があります。

    2205前編、とても良かったです。後編にも期待しています。もしかしたら旧作の様に2205ではデザリアムの正体は判明しないかもしれません。コスモハウンド用と思われる青い波動コアの件もあり、おそらく別次元(亜空間)をステージに話が展開することは避けられないと思います。それでも「高次元」を御都合主義の便利ワード化して欲しくありません。

    デザリアム=時間断層を捨てなかった地球というのは予想としては最有力なのでしょうが、あえて違う正体であることを熱望します。

  2. kazu より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    デザリアムは、地球が時間断層を潰すことを選択した時点でそれを潰さないと連続する未来へ繋がらないのではないかと。グレートプレアデスとハンマーにはビームが効かないが、プレアデスとヒアデスは易々とショックカノンに撃破されているシーンがありますが、こんな感じだからどこかでポカやる国家な気がしますね。ショックカノンが余さず敵を撃破しているのは拡散波動砲のような機能を付加した機能向上かと思っているんですが。ヒュウガとの撃ち合いは模擬弾のため線が細いようですが、かなりの強化が図られているんですかね。(4週目の後章冒頭は観てませんが、そのシーンなら何か分かりそうな気がします。)PVを早く観たいです。

  3. kazu より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    してしまいました。
    デザリアム=時間断層を使い続けた地球の未来であるなら、時間断層を潰して古代と雪を掬いに行くことを実行する前に、そのこと自体をつぶしに来ないとならないように思えるのですが、、
    異次元に他のIFが存在できるなら、違った選択をした地球があってもいいのかなとは思いますが。

  4. 山城2199 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    TORA様、コメントをありがとうございます!
    正直、私の推測も外れている可能性が高いです
    2205前章を見る限り、「デザリアム」の正体が「未来の地球」と思わせる描写がいくつも確認できますが、あまりに分かりやすい描写であるため、逆にそれが大きなひっかっけである可能性もあるんですよね。
    旧「永遠に」の暗黒星団がヤマトのクルーに自分たちが未来の地球人と思わせたように、今作では劇中のキャラだけではなく見ている観客も騙そうとしているのかも・・・
    後章で確定するような情報が出てきたのなら、むしろ間違っている可能性が高いですね(苦笑)

    2205は本当に素晴らしい作品だと思います。
    私の中では全ヤマト作品の中でもトップクラスにランクインしています。
    また色々批判の多かった前作の2202が、2205に繋がる物語として再評価されるようになったのは本当にすごい事です
    2205を見るとヤマトはまだまだ戦えますね。

  5. 山城2199 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    kazu様、コメントをありがとうございます。
    ご指摘の点については自分なりの仮説があります。
    近く記事にまとめる予定ですのでよろしくお願い致します。

    ちなみにデザリアム艦がシールドを張っていないのは、次元移動を目的に波動エンジンとは異なるエンジンを搭載しており、そのため波動防壁が張れなくなっているためではないかと考えています。
    グレートプレアデスとハンマーは波動防壁とは異なるバリアが搭載されているようですが、恐らくかなりのエネルギーを消費するバリアであるため、一定の大型兵器にしか搭載できないのではないかと考えております。