ユリーシャの来訪目的とテロの原因

皆様、こんにちは！
今回は前回アップした「ユリーシャの来訪と第二次火星沖海戦」の補足記事です。
この記事の中で提唱している「第二次火星沖海戦の原因はユリーシャではないか？」という仮説が大前提となっていますので、前回の記事を読まれていな方はまずはそちらをお読みください。

さて、あえてぼかしましたが前回の仮説には大きな穴が1つあります。
もしユリーシャの地球来訪が仮説の通り、「遊星爆弾攻撃」より前だった場合、彼女は一体何を目的に地球に派遣されたのでしょうか？
「あらゆる知的生命の救済」というイスカンダルの使命に基づき派遣されたことは間違いありませんが、派遣された時期が遊星爆弾攻撃より前であるとすると、少なくとも派遣された目的が「地球の再生」ということはあり得ません。
となると、彼女は何をしに地球に派遣されたのかが謎となります。
この答えとして考えられるのは、「両者の交戦の停止」と「ガミラスとの話し合いの仲介役」になるためだったのではないかという可能性です。

イスカンダルの使命は仲介役？

２１９９本編に登場するイスカンダルは積極的な救済を行う国力も人材も失っているわりに、大マゼラン銀河内での名声が非常に高いです。
この名声の高さはガミラスによる「大イスカンダル主義」の宣伝の結果が大きいと思われますが、一方で、実際にイスカンダルによって救われた星々もかなりの数、存在しているのではないかと思われます。
恐らくですが、これまでガミラスが植民地としている各惑星も、イスカンダルが仲介役になって両者を話し合わせガミラスの傘下に入る代わりにある程度の「自治権」を認めさせるなどして穏健に戦争を終わらせていたのではないでしょうか。
事実、高度な科学力と強力な宇宙艦隊を有するガミラスに狙われた場合、それはその星にとって滅亡を意味する事態です。
そのような時にイスカンダルが仲介役としてガミラスとの和平に尽力してくれたとしたら、その星はイスカンダルに非常に感謝し、結果として、イスカンダルの名声が向上したのだと思われます。
つまり、２１９９本編時点でのイスカンダルの救済とは、基本的にこのような「外交」を意味していたのではないでしょうか。
これならば３人の王族しか残っていないイスカンダルでも十分に可能な「救済」です。

事実、２１９９第２２話において、ユリーシャの仲介の下、沖田艦長はガミラス穏健派との共闘を話し合っていましたが、その場にいたユリーシャは妙になれた感じでした。
恐らくユリーシャにとってこのような仲介は非常になれた“お仕事“だったのではないでしょうか？

イスカンダルの誤算とコスモリバースの提供

ユリーシャを地球に派遣したスターシャとしては、イスカンダルが仲介に入ることで地球とガミラスの戦争をうまく着陸させることを目的にしていたと思われますし、地球にやってきたユリーシャも当初はその方針で当時の地球の上層部と話していたと思われえます（ただしイスカンダルとガミラスの関係を知らなかったところを見ると、本格的な情報交換には至っていなかったのでしょう。）
しかしここでイスカンダルにとって誤算だったのが、この地球に関してガミラスは惑星改造を企んでおり、遊星爆弾の攻撃が始まってしまったことであると思います。
この時点で地球とガミラスの話し合いによる和平はほぼ不可能となり、ユリーシャの通信から遊星爆弾攻撃の話を聞いたスターシャは、ガミラス（というより、デスラー総統）の暴走に責任を感じ、異例ながらも「コスモリバースシステム」の提供と「波動エンジン」の提供を決断し、さらにもう一人の妹であるサーシャの派遣を決めたのではないでしょうか。

ちなみに、スターシャとユリーシャの通信方法は自動航法室にあったカップセルを利用した精神感応『コスモウェーブ』による通信だったのではないかと思われます。
本編においてあのカプセルの詳細は不明のままでしたが、大マゼランからはるかに離れた銀河系に来る以上、何らかの通信手段は確保していてもおかしくはありません。
地球の技術力ではあのカプセルは長距離航海用の冷凍ベット程度にしか思われていたのかもしれませんが、その本質は、肉体から精神を切り離しその力を増幅させることでイスカンダルとの通信を可能とした通信装置だったのではないでしょうか。
実際、２２０２で桂木透子があのカプセルに入り、ヤマトのシステムを増強させていましたが、それが可能だったのはあのカプセルそのものに『コスモウェーブ』を増幅させる機能があったからでしょう。

ユリーシャがテロにあった理由

本編内でユリーシャが意識不明に陥った事故について、現在まで明確な設定は明らかにされていません。
しかし私は軍部内の跳ね上がりが暴走したテロが原因であると考えています（あるいは襲撃から逃げる途中で事故ったか）
ではなぜ、ユリーシャはテロの対象とされてしまったのか。
その理由はいくつか考えられますが、私自身は以下の二つのどちらかではないかと考えています。
①ユリーシャが地球に来てから遊星爆弾攻撃が始まったことで、その原因と考えられてしまった
②ガミラスとの和平を仲介しようとしていたことで反発を買っていた。

①はあくまで偶然に過ぎないのですが、ユリーシャが地球に来て以降、遊星爆弾の攻撃が始まったとするならば、短絡的にその原因がユリーシャにあると考える連中が出てきてもおかしくはありません。
特に遊星爆弾の攻撃で家族を失っているのならば、原因とされたユリーシャに報復を図ろうと考えるのはごく普通ではないかと思われます。
一方、②は「ガミラスの話し合いの余地がある」と言っていたにもかかわらず、明らかに地球人の抹殺を企図する遊星爆弾攻撃が始まったことで、強硬派の怒りが爆発してしまった感じです。
彼らからしてみればもともとガミラスとの和平を訴える事自体許せないことでしたが、それに話し合いの余地が無いような遊星爆弾の攻撃が始まったことで、一気に暴走してしまったのではないでしょうか。
実際、歴史上、和平派が戦争を望む強硬派の暴走で害されるという例は非常にたくさんあります。
もし②の場合、ユリーシャだけではなく他の和平派の地球人もまとめて“事故”で死亡している可能性が高いです。
外務次官であった雪の父親はすでに死亡しているとのことですが、あるいはこの時の強硬派の暴走によって妻ともども事故死させられてしまったのかもしれませんね。

２１９９本編が始まる前の歴史は本当に謎が多いです。
「ヤマトという時代」でその一部が遂に明かされますが、どこまで解明されるかは気になるところ。
個人的には小説などで公式に２１９９本編直前のエピソードを明らかにして欲しいですね。