山南艦長の階級問題

皆様こんばんは!
2021年も残すはあとわずか。
皆様どの様にお過ごしでしょうか?
現在、実家に帰省中ですがネット環境が悪いのか、使っているノートパソコンがぼろいのか(中古で購入した奴からな。苦笑)、頻繁にwi-fiが切れてしまい、ブログの更新がすっかり滞ってしまいました(苦笑)
PVの検証の続きは、年明け後、帰省先から帰宅後に再開しようと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
さて、今回は短い考察として、以前から気になっていた「山南さんの司令長官就任問題」について検証してみたいと思います。

2202において、山南さんは地球連邦艦隊総旗艦「アンドロメダ」艦長に就任すると同時に、実戦部隊である地球艦隊そのものを統括する司令長官に就任しています。
この人事自体はそこまで問題ではありません。
正直な話、ガミラス戦争での致命的ともいえる人的資源の枯渇や、波動砲艦隊計画問題をめぐる政争で土方閥の軍人たちが中央から遠ざけられたことにより、もともと実戦経験を積んでおり、かつ信頼できる艦隊指揮官自体が非常に希少になっていたのだと思います。
また、山南さん自身も波動砲艦隊計画問題の際は、政治に関わらず職業軍人を貫いていたと思われますので、推進派と反対派のバランスをとる意味で、山南さんに司令長官のポストが回ってきてもそこまで不思議ではありません。
むしろ問題なのは、山南さんの階級が「地球艦隊司令長官」というポストのわりに低すぎるという点です。

20211219_img001.png

山南さんの階級は一等宙佐

2202での山南さんの階級は「一等宙佐」です。
これは旧軍でいう「大佐」であり、巡洋艦以上の軍艦の艦長に任命される階級とされています(駆逐艦以下は少佐でも任命される)。
この意味で、「一等宙佐」である山南さんが「地球連邦艦隊総旗艦「アンドロメダ」艦長」に就任すること自体は何らおかしくありません。しかし、問題なのは「2202」においては「旗艦艦長」と「地球艦隊司令長官」が同一の意味となっており、「総旗艦アンドロメダ」の艦長である山南さんは、地球艦隊総軍そのものにも責任を負わねばならないということです。
旧軍において、艦隊司令官は「少将」ないし「中将」、さらにそれらを統括する「艦隊司令長官」は「大将」が就任します。
この観点で見た場合、山南さんの「一等宙佐」はその有する権限に比べてあまりに低すぎます。
少なくとも「アンドロメダ艦長」に就任させた時点で「宙将」に昇進させても良かったはずです。
何故このような配慮が行われなかったのか。

未完成だった地球防衛軍

この理由として、「地球防衛軍」という組織そのものが「2202」の時点ではまだ完全に完成しておらず、その人事は「暫定」のものだったからではないでしょうか。
「地球防衛軍」はガミラス戦争後に国連軍を解体し、再編した組織と説明されています。
しかし、ここで注意したいのは「地球防衛軍」の再編は「ガミラス戦争後」に着手されたという点です。
ヤマトが地球に帰還したのは2199年12月、そこから少なくとも1年は地球の復興や「今後の方針の決定」に費やされたと考えられますので、「地球防衛軍」の再編が本格的に着手されたのは本編が始まる約1年前の「2201年」以降ということになります。
この間、「波動砲艦隊計画」を巡るゴタゴタモあったでしょうし、本編が始まった時点の地球防衛軍はようやく司令部の体裁が整い始めたばかりだったのではないでしょうか。
当然、後方の司令部がそのような状況であるならば、実戦部隊である「地球防衛艦隊」の再建も始まったばかりであり、「地球防衛艦隊司令長官」の地位も文字通り「名前だけ」の存在だったのだと思われます。
そのため、「地球防衛艦隊司令長官」の本格的な人事はとりあえず後回しにされ、暫定的に、旗艦艦長であった山南さんが「司令長官」を兼任することになったと考えることができます。
もしかしたら、地球連邦軍の統括司令長官である藤堂長官としては、数年後に土方さんを「地球防衛艦隊司令長官」として中央に呼び戻すつもりであり、そのため、つなぎとしてあえて階級が低い山南さんを「司令長官代行」としたのかもしれませんね。
ちなみに似たような人事として11番惑星の斉藤始が、「宙曹長」という下士官でありながら、本来「一佐」の者が就く「連隊長」を務めていたことが挙げられます。
恐らくこれも11番惑星に配置された「第7連隊」そのものが、月面の生き残り組で結成した名前だけの部隊であり、実際には「連隊」規模の兵力として再編されていなかったことから、部隊の中で最上位者であった斉藤が「連隊長代行」として指揮を執っていたのではないかと思われます。
このように2202における「肩書」と「階級」が一致しないことの原因は、「地球防衛軍」という組織そのものが再編の途上であり、すべて暫定的な人事だったためではないかと思われます。

そこまで拡大する気はなかった地球防衛艦隊

また、「一等宙佐」である山南さんが「司令長官」でも問題なしとされた理由としては、もう一つに本編開始時点では「地球防衛艦」そのものをそこまで大所帯にする気は上層部もなかったためではないでしょうか。
恐らくですが、当初の予定ではアンドロメダ級5隻、D級戦艦15隻の波動砲艦20隻を基幹戦力とし、アンドロメダ級1隻+D級戦艦3隻で艦隊を編成する再建計画だったのではないでしょうか。
この程度の規模の艦体ならば旗艦艦長である「一佐」が「代将」として艦隊を指揮することも現実にあった話であり、「司令長官」の地位も各艦隊の指揮を執るアンドロメダ級の艦長の中で山南さんが「最上位指揮官」として認定されたに過ぎない・・・程度の話だったのかもしれません。
ところがヤマトが白色彗星帝国の戦力を報告してきたことにより、その大兵力に対抗するため、地球防衛艦隊は前代未聞を大艦隊を編成し、結果として、山南さんが「一佐」という非常に低い階級のまま大艦隊の指揮を執ることになったのかもしれません。
「2202」の山南さんが「2199」の時点ほど余裕が無かったのは、現時点での自分の器をはるかに超える艦隊を指揮することになってしまったことから、そのプレッシャーで押しつぶされていたからかもしれませんね。

コメント

  1. パステヤージュ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    明けましておめでとうございます。
    本年もゲリラ的に乱入、引っ掻き回し、無責任発言を連発し、ファンの皆様を困惑と混乱のドツボ(坩堝でなくて)に叩き落したくコメントを投稿したく思います。
    付きまして主様におかれましては、笑って発禁印などを構えて頂ければ幸いです。

    さ~て来週のサザ…もとい山南さんですがこれは困った問題ですよねぇ。
    この人のポジションってホントぼやけていますよね。整理すると、
    1戦艦アンドロメダの艦長
    2山南艦隊司令官?
    3地球艦隊総司令官。
    これだけ兼任してしまうのはちょっと、いやかなり無理がある。
    雪ちゃんがレーダー手、看護師、生活班班長を兼任するよりたいへんだ。
    それとアンドロメダ自体に複数の艦隊を傘下に置くための司令部を設置するだけのキャパシティーってあるのだろうか。まず、波動砲を2個も付けるより、通信設備やそれ用の高性能コンピューターや連絡艇用ポートの強化とか、、、ねw
    もう、余計なお世話ですが、そんなワケで波動砲は撤去です。
    次に司令部用スペースです。AIはどんな形になっているのだろう。アナライザー型?
    人間だろうど、アナライザーだろうと沢山乗るのでスペースは必要です。第3艦橋でも付けますかw

    やはり、さすがにというか
    劇中設定では説明しきれないように感じます。
    とりあえず、艦長は別な方にお願いするとして、それを皮切りに3つの職のうち、一つだけに就任しましょうかね。
    どうしても山南さんだけにするならば、彼に補助脳も付けましょうか。

    これも制作スタッフの偉い人が、キチンと設定を見ないから発生した非人道的なミスなんでしょうなぁ。メカデザインの担当者にちゃんと任せておけばもう少し良かったのではないかと思うが、もうせんない事ですよねぇ。

    ところで最近、ガミラス星が爆発してしまいましたが、わたし、このところ、あの星の地形が気にって仕方がありません。
    2月の上映で答えが出されると思ってはいるのですが。
    これまで星の寿命が尽きかけているので、大規模な地盤沈下など自然由来かと思っていたんですが、なんか違う気がしてなりません。主様はいかがお考えですか?

  2. yoshirinn より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    明けましておめでとうございます。
    お久しぶりで申し訳ありません。
    これまた面倒な問題を(笑)。スイス軍は平時の最高位が「大佐」なのでそれに倣ったのかもしれませんね。まあ、それぐらいに解釈しないと解けない問題です。山南さんを昇進させればすむと思うのですが、そうしたくない何らかの理由があるんでしょう。ヤマトクルーも誰一人昇進してませんでしたし。

  3. 山城2199 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    パステヤージュ様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます!
    2021年に引き続き2022年もよろしくお願い致します。

    >1戦艦アンドロメダの艦長
    >2山南艦隊司令官?
    >3地球艦隊総司令官。
    >これだけ兼任してしまうのはちょっと、いやかなり無理がある。

    第二次世界大時のドイツ軍でとある元帥が西部方面軍の総指揮と、元から指揮していた直属軍の指揮を兼務する事になったことがありましたが、早々にその指揮は破綻しドイツ軍敗北の一因になったという話があります。
    正直なところ、現実的にこれだけの権限を一人の人間が兼務する事は無茶なので、この処置はやはり地球連邦艦隊が再建中だった故のイレギュラーな人事だったのではないかと思います。
    実際、今回の検証でも書きましたが、初期の段階での波動砲艦隊は20隻程度であり、この程度ならば兼務は可能です。
    その後、艦隊が増大するに従い、人事方面も見直していく予定だったのではないでしょうか。

    ちなみにガミラス星については、そもそもイスカンダル人がガミラス人を移住させるために作った惑星(もとからあった星をい重要に改造した?)ではないかと思っています。
    その為、自然にできた惑星と比べてかなり無理があり、崩壊につながっていったのではないかと思っています。

  4. 山城2199 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    yoshirinn様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます
    今年も「ヤマトの日々」をよろしくお願い致します。
    年齢を考えると、山南さんもヤマトクルーも「将官」や「佐官」に昇進させるには若すぎるので、しばらく経験を積ませてから昇進させようと考えたのかもしれませんね。
    特にヤマトクルーのセクションリーダーは2199年に「三尉」から「一尉」に昇進しているので、流石に2~3年でまた昇進させるのは問題があったのかもしれません。

  5. mars より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    次回の森雪艦長の解説で気がついたのが西条さんも雪の後任にしたらアレっと思うぐらい低い階級でした。土門たちが18歳で「防大卒」というのも考えたら結構無茶な話です。
    山南さん自身が頭を抱えて呻いた「艦は有るのに人が居ない」というのが原因でしょうね。
    戦時任官を乱発したら組織がメチャクチャになるけどそうしないと艦に一度も乗ったことのない事務系の人がD級の艦長など(2202の下手な艦隊機動だと本当に有ったと思う)をさせられても困るので雪の艦長就任は有ったと思う。一方宙将のポストは前線に出ていない人の分は案外空いてないのかもしれません。

  6. 山城2199 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    mars様、コメントをありがとうございます。
    全てを含めて「戦後」から回復していないという事なのでしょうね。
    >一度も乗ったことのない事務系の人がD級の艦長
    流石にこれは適正無しと判断されると思います。
    強いて言うならば当初はポジションリーダーorサブリーダーで配置、ある程度経験を積んだら副長、艦長と昇進していくのではないかと思います。
    その意味で、ポジションリーダー経験しかない雪の艦長職就任は確かに大抜擢だったのかもしれませんね。
    >一方宙将のポストは前線に出ていない人の分は案外空いてないのかもしれません。
    その可能性は高いです
    宙将クラスはもともと少ないうえ、ガミラス戦役で戦死した少なくないでしょうから本当に人材不足だったと思われます
    またあくまで推測ですが、ガミラス戦争後に誕生した地球防衛艦隊は旧極東管区がほぼ人事を独占していうるのではいかと思っています。これは波動砲技術の隠匿という意味合いもあるでしょうが、そのため余計人材不足になっているのではないでしょうか。

  7. ヴェネター級ヒューベリオン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    地球連邦大統領の話で書かれたように、極東管区閥から地球連邦軍の指揮権を奪い取りたいUSA管区閥が艦隊の指揮を行ってたなら山南艦長の地球艦隊司令官の肩書はお飾りだったことになります。

    故に階級が低くても問題なかった可能性がありますし、山南艦長の階級の低さと権限の少なさを利用して派閥の影響力を削ぎやすくするための処置だったやも知れません。

  8. ヴェネター級ヒューベリオン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    今更ながらの話になりますが、リメイク版の地球連邦防衛軍には自衛隊をモチーフにした階級が設定されてますが、少し階級が少なすぎるような気がします。
    基本的に現実の軍隊は3階級制か4階級制ですが、防衛軍は自衛隊に倣い3階級制を取ってるようです。
    けれどその割には将官、曹、士の階級があまりに少なすぎます。

    特に艦隊の下の戦隊を率いる場合、1等宙佐では戦艦の艦長などと被ってしまうので指揮系統的に難があると思います。

    これはどう説明すべきか・・・

  9. 山城2199 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ヴェネター級ヒューベリオン様、コメントをありがとうございます。
    階級問題に関してはまた別の機会に検証してみたいと思っておりますが、本当に司令官クラスで何故あそこまで階級が低いのかはちょっと謎です。若手の抜擢は人材不足から当然であるにしても、一応体裁は整えるものなんですがね・・・

  10. 権兵衛 より:

    山南さん、3199で漸く宙将に昇任するようです。恐らく航宙艦隊の司令長官に正式に拝命したと思われます。だだ、雪のことで打ちひしがれて指揮を執れそうにない古代に代わって一時的に艦長を兼任するのでしょう。階級章は錨付きの四本線、どうやら宇宙海軍では錨無しの四本線の階級章は使用していないように見受けられます。

    そういえば、谷艦長の階級章が錨付きの一佐でしたが、作画ミスなのかどうかの言及も無いままです。その一方で藤堂信乃の袖章のことで、以前一本線としていましたが、四本線の間違いでした、すみません。

    錨無しの四本線は宇宙海軍以外の軍種の将官の階級章と見た方が良いのかもしれません。肩章があくまで将官であることを示し、袖章で相当官を示す、例えば芹沢虎徹は中将相当、藤堂信乃が大将相当というように。将官の階級としては将一階級のみで役職で地位や待遇を区分するようなシステムになっているようです。

    また、士官の階級章で銀線を使用している場合、赤いV字シェブロンで准士官以下を区別しているようです。2202の最終回で空間騎兵隊の勤務服で永倉詩織が二本、それ以外が一本のシェブロンだったので、永倉が准尉、その他が下士官なのだと思います。

    では宇宙海軍ではどうやって区分しているのかと言えば相変わらず分らず仕舞いで、この辺はやっつけ仕事でやらずにきっちり決めておけばと思うばかりです。