タラン将軍は何故新政権から離れたのか?

皆様今日は。
今回は2202最大の謎の一つ、「何故タラン将軍がデスラー総統に合流したのか?」という点についての考察です。
この件は2202第4章でタラン将軍が再登場して以来ずっと気になっていた問題だったのですが、最近になってようやく私なりの解答が出ましたので今回、それをまとめることにいたしました。
根拠はない私の勝手な解釈ですので、今後の設定次第で否定される可能性もありますが、よろしくお願いいたします。
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なお、今後、当ブログでは
ヴェルテ・タラン(兄)→タラン長官
ガデル・タラン(弟)→タラン将軍

と呼称を統一します。
タランのことを書いているくだりで、長官と出た場合は「兄」のことを、将軍と書いている場合は「弟」のことをさしていると考えていただければOKです。

2199と矛盾するタラン将軍の言動

以前アップした第4章本PVの見所その②前編」でも書きましたが、2199の流れから考えるとタラン将軍がデスラー総統に合流するのには違和感があります。
この理由について、上記の記事でこのように書きました(以下抜粋)

「2199ではタラン将軍は穏健派であるディッツ提督派閥の重鎮であり、2199第25話の冒頭でもディッツ提督の帰還に対して自ら迎えに出るほどです。
2202時点において、ガミラス本星がどのような状況になっているのか詳しく語られているシーンはありませんが、恐らく2199の時点で暗示されているユリーシャを権威とし実務をヒスとディッツが担う政治体制が続いていると考えても良いと思います。
このような状況下においてはタラン将軍がことさら本国と袂を分かち、デスラー総統の下にはせ参じる理由はどこにもありません。
ましてや、2199の第23話においてデスラー総統はタラン将軍をはじめとする軍・政府の幹部たちを全員切り捨て、本国こと皆殺しにしようとしています。
この点においても、タラン将軍にはデスラー総統に対して恨みこそあっても忠誠を誓わなければならない理由はどこにもありません。」

私はこの時は兄であるタラン長官が弟を密かに呼び寄せ、それゆえ、タラン将軍も不承不承ながら従っているのではないか、と考察しました。
しかし、本編で描かれたタラン将軍の姿は、まさにデスラー総統に心から忠誠を誓っている忠臣としての姿であり、上記の説は否定せざるを得ません。
本編、あるいは資料集で何らかのフォローが入るかとも期待していましたが、結局タラン将軍の変節に関して補足説明を見つけることはできませんでした。

この2199設定との矛盾について、私もあれこれと悩んでいましたが、結論として、「タラン将軍は穏健派であるディッツ提督派閥の重鎮」という前提が間違っており、タラン兄弟はディッツ提督とは(友好関係にはあっても)違う派閥であり、ガミラスの未来についても違うものを見ていたのではないでしょうか?

2199年当時のガミラスの派閥

2199年当時のガミラスは、アベルト・デスラー総統が絶対の指導者として君臨していたものの、その下にいる幹部達はいくつかの派閥に分かれて、派閥抗争を繰り広げていました。

本篇内では
①ゼーリック閥(強硬派)
NO,2のゼーリックが率いる最大派閥。
強硬派であり、また貴族が多数参加していることから復古主義的側面を有する。
②ディッツ閥(穏健派)
航宙艦隊総司令ディッツが率いる派閥。
ゼーリック閥と対立関係にある穏健派で勢力はやや劣るが、ドメルなど有能な者たちが所属している。
③ギムレー・セレステラ閥(強硬派)
帝国とアベルト・デスラー総統個人に絶対の忠誠を誓っているものたちの派閥。
ギムレーとセレステラの協力関係で形成(ただし、互いに信用していない)
強硬派であるが、血や家柄を重んじるゼーリック閥とも対立関係にある。
の少なくとも3つの派閥が存在し、対立していたことが確認できます。

この分類から、タラン兄弟はその言動からディッツ閥に所属しているものと思い込んでいました。
しかし、よくよく考えてみれば、タラン長官の帝国内の地位はディッツとほぼ同格であり、ディッツの派閥に属していると考えるのも妙な話です。
むしろタラン長官も独自の穏健派の派閥を形成しており、ゼーリックやギムレーなど強硬派の暴走を抑えるために、同じ穏健派のディッツ閥と同盟を結んでいたのではないでしょうか?

実際、ディッツがゼーリックの陰謀で失脚したあとも、タラン兄弟の地位や権限に特に変化は生じていません。
派閥の有力幹部ならば、何らかのとばっちりが来るのが当然ですが、それが無かったということはタラン兄弟はディッツ閥とは(表面的には)無関係であったという証拠ではないでしょうか。

なお、2199第12話でディッツとタラン長官が同じ車に乗っているシーンがあり、そこでガミラスの未来について語っていました。
こまでは単に大人の会話として見ていましたが、実はあのシーンは同盟している2派閥のトップ会談であり、だからこそタラン長官も極秘事項の遷都の話を切り出してきたと考えると非常に意味深ですね。
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タラン長官閥はどのような派閥だったのか?

以上のことを考えると、2199時点のガミラスは
・ゼーリック閥(強硬派)
・ディッツ閥(穏健派)
・ギムレー・セレステラ閥(強硬派)
・タラン長官閥(穏健派)
と強硬派2つ穏健派2つのちょうどバランスが取れた派閥関係で成り立っていたことが分かります。
恐らくデスラー総統もこの派閥の力関係のバランスを上手くとることによって自分の地位を強固なものにしていたのではないかと思います。
実際、ゼーリック閥が反逆罪で処分されたあと、本来冤罪であったはずのディッツが復帰することはありませんでした。
これは彼を復権させると、派閥のバランスが壊れてしまうため、忘れた振りをして意図的に復帰させなかったと考えると納得できます。

では、タラン長官の派閥は具体的にどのような派閥だったのか?
一言で言えば、総統派・穏健です。
同じ穏健派でもディッツの派閥はガミラスという母星に忠誠を誓っているのに対し、タラン長官の派閥は、あくまでもアベルト・デスラー総統個人に忠誠を誓っており、この点においてはギムレーやセレステラたちと同じスタンスだったと思われます。
それゆえ、色々思うことはあってもタラン長官は最後までデスラー総統に随行し、その忠誠を全うしたのではないでしょうか?
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ちなみに、2199ではタラン長官を、2202ではタラン将軍を傍らにおいているあたり、デスラー総統も派閥の中ではこのタラン長官の派閥を最も信頼し、重要視していたことが分かります。

必然だったタラン将軍の離脱

タラン閥が最初から総統派だったと考えると、タラン将軍の離脱も必然です。
ガミラス戦役後、タラン長官の派閥は恐らく弟であるタラン将軍が引き継ぎ、当初はディッツ閥に協力してガミラスの建て直しに協力したました。しかしその一方で、民主化やそれを強化するためにデスラー総統を「狂った独裁者」として喧伝することは、総統派のタラン将軍にとって到底許せなかったのではないか。
この様に考えると、彼がガミラス本国と袂を分かち、総統の下にはせ参じたのも納得できます。

なお、第23話においてタラン将軍はデスラー総統によってリストラされそうになりましたが、同じくリストラされそうになったセレステラはこの点について特に気にしている様子もありませんでした。
タラン将軍もまたその忠誠の高さから、特に気にしていなかったのではないでしょうか?

コメント

  1. yoshirinn より:

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    タラン将軍がデスラーと行動を共にしたか?「それは旧作がそうだった」であって、あまり深い考えはなかったと思います(笑)。深く考えるなら、2199の流れを考えるとゲールになるはずなので(確か旧作でも最初の設定では、デスラーと行動するのはゲールだったと思います)。
    デスラーとゲールという凸凹コンビが出ていたら、それだけて面白くなったと思いますので、是非ともやってほしかったですが(笑)。

    私は、タラン長官が最後までデスラーに忠誠をつくしたことから、タラン将軍の新政権での立場が揺らぎ、またガミラス星の秘密を知ったことから、新政権に袂を分かったのだと思いますがどうでしょうか?

    まあ、やはりデスラーの隣はどちらかのタランが一番しっくりきますよね。見慣れていますし。

    私事ですが、先週Windows10にアップグレードして、イラついています。これは慣れるしかないので、できるだけパソコンを触るようにしていますが。

  2. 山城2199 より:

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    yoshirinn様、コメントをありがとうございます!
    それと返事が遅れてしまい大変失礼致しました

    > タラン将軍がデスラーと行動を共にしたか?「それは旧作がそうだった」であって、あまり深い考えはなかったと思います(笑)。深く考えるなら、2199の流れを考えるとゲールになるはずなので(確か旧作でも最初の設定では、デスラーと行動するのはゲールだったと思います)。

    ぶっちゃけてしまえば、私も正解は間違いなくこれだと思います(笑)
    とはいえ、これで終わらせてしまえばそれこそ身も蓋もありませんからあれこれ想像を膨らませているわけです(笑)
    わたしも副官役としてゲール将軍を再登場させて欲しかったです!。
    ただ、ゲール役の声優様が病気で事実上引退状態ですのでそちらの方面で再登場は難しかったのではないかと思っています。

    > 私は、タラン長官が最後までデスラーに忠誠をつくしたことから、タラン将軍の新政権での立場が揺らぎ、またガミラス星の秘密を知ったことから、新政権に袂を分かったのだと思いますがどうでしょうか?

    個人的にディッツとタラン兄弟は親しい関係にあったので、総統との関係は実際はそれほど問題にはならなかったと思います(それをいってしまえば、ほとんどの幹部軍人や閣僚がいなくなってしまいますし)
    ただガミラス星の真実を知ったことは確かに原因の一つかもしれませんね。

    > まあ、やはりデスラーの隣はどちらかのタランが一番しっくりきますよね。見慣れていますし。

    ですね!(笑)
    オリジナル世代からいえば、やはり副官はタランというイメージしかないと思います。

    > 私事ですが、先週Windows10にアップグレードして、イラついています。これは慣れるしかないので、できるだけパソコンを触るようにしていますが。

    Windows10は確かに使いづらいですからね。
    なんでこんな仕様にしてしまったのか私も聞いてみたいですね