皆様今晩は。
当ブログも非常にお世話になっている鮫乗り様の「鮫乗りのブログ」に少し前ですが、「ゴルバ崩壊の謎#2」という非常に興味深い記事が掲載されています。
この記事の中で鮫乗り様はゴルバが敗北した理由として「メルダーズの焦り」を指摘されています。
この記事を読んだ時は「なるほどな~」と思ったのですが、先日、フクヤマニメで行われた「宇宙戦艦ヤマト2205 前章&後章」特別上映会で久しぶりに2205を見返した時、そもそもメルダ―ズはゴルバが波動エネルギーに弱いという事実を知らなかったのではないか、それ以前にゴルバはメルダ―ズたちが作った兵器ではないのではないか、という仮説が頭をよぎりました。
何故、このように考えたのか。
それは、ゴルバが波動エネルギーに弱いということを知っているとしたら明らかにおかしな言動をメルダ―ズがしているからです。
デウスーラ三世の特攻に対する不自然な対応
まず1つはデウスーラ三世の特攻に対してメルダ―ズが特に気にしている様子が見受けられない事です。
この時デスラーはゴルバが波動砲を防げているのは表面に張り巡らされた「位相変換装甲」のおかげであると見抜き、デウスーラ三世を杭にしてヤマトの波動砲でゴルバを内部から破壊しようともくろみました。
恐らくデスラーの作戦はあの時点では(イスカンダルの自爆なしに)ゴルバを破壊する唯一の方法であり、実際にヤマトに波動砲を撃たれていたら、波動エネルギーに弱いゴルバは間違いなく破壊されてしまったと思われます。
幸いにしてヤマトから波動砲が撃たれることはありませんでしたが、そのままゴルバが地球・ガミラス連合艦隊と戦闘状態に入ってしまったことを考えると、デウスーラ三世が刺さりっぱなしの状況は危機的状況が続いていたと言わざるを得ません。
ところがメルダーズはこの状況に対して特に気にしている様子はありません。
一応、刺さっているデウスーラ三世の対処として殲滅多脚戦車を送り出してクルーの抹殺を行おうとはしていましたが、逆に言えばそれだけであり、デウスーラ三世を取り除いて露わになった弱点を早々に潰そうという行動は見受けられません。
これはメルダーズの慢心によるものなのでしょうか?
あるいは地球・ガミラス連合艦隊との戦闘でその余裕がなかったからでしょうか?
作中からうかがえるメルダーズの様子から私はそのどちらも当てはまるようには思えません。
実際、彼は冷静に地球・ガミラス連合艦隊の意図が陽動であることを見抜いており、その真の意図であるスターシャ女王救出作戦に気づいたら、その時点で即座に行動しています。
つまり彼は慢心などはしておらず、注意深く冷静にすべての状況を把握し、必要と感じる行動はしっかりとっているわけです。
逆に言えば、デウスーラ三世の存在はメルダーズにとって自分たちに危機的状態をもたらすものではなく、殲滅多脚戦車を送り出してクルーを皆殺しにしておけばよいと判断したということになります。
これはそれまで的確な判断をしてきたメルダ―ズにしてはあまりにも大きな判断ミスです。
何故このような判断ミスを起こしてしまったのか、その理由を考えたのならば、そもそもメルダ―ズはゴルバが波動エネルギーに弱いということを知らなかったからと考えることが一番しっくりきます。
波動掘削弾に対する不自然な言動
そしてもう1つが土門の計略で波動掘削弾がゴルバ内部で爆発した時の反応です。
さすがの彼もゴルバ内部で爆発が起きればタダでは済まないということは理解していましたが、それでもたった1発でゴルバが致命的ダメージを追う事は流石に予想外だったらしく、「たった1発の爆弾でなぜ…」と半ば呆然として呟いていました。
しかしこの反応、よくよく考えれば少しおかしいです。
もしメルダ―ズがゴルバが波動エネルギーに弱いと知っていたのならば、ダメージの状況から即座に爆発したものが波動エネルギーを利用した爆発物である事に気が付いたはずであり、「たった1発の爆弾で何故・・・」という言葉は出てこないはずです。
ところが実際は、何故このようなダメージが起きたのか全く理解できず、謎の女の声でようやく波動エネルギーを利用した爆弾が爆発したと気づいたほどです。
つまりこの発言からも、メルダ―ズはゴルバが波動エネルギーに弱い事を知らなかったことを裏付けています。
しかし、自分たちが使っている兵器の弱点をメルダ―ズが知らないということは果たしてあり得るでしょうか?
劇中に登場した彼は非常に慎重であり、少なくとも自分たちが作り出した兵器ならば、その兵器の短所を把握していないというのは彼のイメージに合いません。
もし彼がゴルバの弱点を本当に知らなかったというならば、その理由は、ゴルバが彼らデザリアムが作った兵器ではなかったからではないでしょうか。
ゴルバはデザリアム製ではない
これまでの記事でも言及しておりましたが、私は謎の女とメルダ―ズたちは実は違う勢力であり、両者は「イスカンダルとガミラス」、あるいは「ゼムリアとガトランティス」のような「支配‐被支配」関係にあるのではないかと考えております。
そしてデ―ダ―らが率いるデザリアム艦隊は彼ら固有の戦力であったのに対し、ゴルバ(とデザリアム・ハンマー)は、デザリアムを支配している謎の女の声の勢力の兵器であり、イスカンダル輸送という任務を達成するために、メルダ―ズたちに貸し与えられたものだったのではないでしょうか。
そのため、メルダ―ズはゴルバについてすべての性能を把握していたわけではなく、謎の女達も「ゴルバが波動エネルギーに弱い」という弱点を教えていなかったのではないでしょうか(この理由は自分たちの弱点を知られてしまうとデザリアム達に反逆された時にヤバいと考えたからかもしれません)。
その為、メルダ―ズは波動砲に対する危機感がどうしても薄かったのではないかと思います。
つまりメルダ―ズたちが破れた本当の理由は、彼らの油断や焦りなどではなく、上層部の思惑による情報の隠ぺいだったのではないかと私は思います。
もしそれが事実ならば、あれほどデータの正確さに拘っていた彼らデザリアムが不正確な情報によって破れることになったとすれば何とも皮肉で気の毒な話ですね。