フクヤマニメリポート①‐2205裏話篇

皆様こんにちは!
昨日、広島県福山市で開催されている「フクヤマニメ」に遠征、夜8時から行われた「宇宙戦艦ヤマト2205 前章&後章」特別上映会+スペシャルトークショーに参加してきました。
このイベントに参加すると決めて以来、「2205」は一切見なかったので久しぶりに見ると以前は気がつかなかった事に気がつかされました。
これについてはいずれ改めて記事にしたいですね
また脚本の岡秀樹さんが登壇された今回のスペシャルトークショーは色々と収穫がありました。
その内容の多くは昨日、Twitterでも呟かせていただきましたが、今回、改めて情報を整理し、箇条書きにまとめてみたいと思います。
少しでも現在のヤマトロス解消に役に立っていただければ幸いです。

スペシャルトークショー終了後、宿泊しているホテルに帰った直後に聞いた内容をメモにまとめたものを参考に書いておりますが、私の記憶間違いや漏れがあるかもしれません。
また思い出した順に書いておりますので、岡さんはこの順番通りには話してはおりません。
以上の点はご注意の上で読んで頂けますようお願い致します。

■2205における岡さん
2205の脚本は福井さんと岡さんの2人で担当したが、2人は同格という訳ではなく、組織図でいえば福井さんの下に岡さんがおり、福井さんが作りだした大筋をもとに自分なりにアレンジして脚本に仕上げていた(この関係を岡さんは古代と土門の関係と表現)
その為、福井さんの大筋と岡さんのアレンジが衝突する事もあった。
特に衝突が多かったのは2205における古代の描かれ方(※この点は後述)

■藪の再登場は岡さんのアレンジだったが…
2205での藪の再登場は岡さんのアレンジ(最初の大筋には藪の存在は無かった)
元々、岡さんは2202の最終決戦において藪とヤマトは再会するシナリオを考えていたが、その案はポシャったので、今回改めて挑戦してみたとのこと。
岡さんとしてはファンサービスのつもりでの出しただけだったが、福井さんがそのアイディアを気に入り、いつの間にか2205の主軸の1つになった。
【補足】
2202での案がポシャったのは、2202を制作する際の大前提として、ガミラスサイドの2199キャラやメカは極力登場させないという縛りがあったため。
ただし、監督や副監督がその方針に強く反対し、独断で再登場させていた。
駒印2202で登場した2199キャラが登場してもほとんど活躍しなかったのは、現場のアレンジでは顔見せが精一杯だった模様。

■迷走する古代像
前章のラストで吹っ切れたかに見えた古代が、後章で再びグダグダする展開に違和感を覚えた方は少ないと思います(実は私もそうでした)
これは、岡さんと福井さんの方針の違いが明確に浮き彫り出てしまったようです。
はっきり言えば、岡さんとしては前章のラストで古代は吹っ切れたのだから、後章では迷いなく突き進むはずだと思っていたのに対し、福井さんとしてはラスト1話で土門にはっぱをかけられるまで悩んでグダグダすべき、という方針だったようです。
確かに完全記録集に掲載されていた福井さんの初期案では、イスカル救出作戦への参加も古代は当初は地球政府の意向に従って行わないという声明を出して土門達の失望を買うという内容でしたので、ある意味福井さんの2205での古代像は一貫していたようです。
前章と後章の古代像に食い違いが出てしまったのは、岡さんのアレンジがの結果だったようですね。
ただ個人的にはこれは岡さんの方が正しかったのではないかと思っています。
あくまで可能性にすごませんが、前章で吹っ切れて、後章で活躍する古代艦長をメインに描いた方が、後章の評判はもっと良くなかったのではないかと思います。

■キャロライン・雷電は紆余曲折があって誕生した
2205で登場した新キャラ、「キャロライン・雷電」
ヤマトⅢに登場した雷電五郎を女性化しただけのキャラかと思っていたキャラでしたが、今回のトークショーでかなり紆余曲折があって誕生したキャラであったことが判明。
そもそも当初は、キャロラインは存在せず代わりに「イズミ・ライディーン」(注:ファーストネームは記憶間違いかも)という巨漢のロシアのハーフが登場する予定だった。
彼女は土門達の2歳年上でありながら同期生という複雑な存在であり、その腕っぷしの強さで裏番長として君臨していた・・・という設定だったそうですが、早い話、ストーリーや尺の都合でその設定に使い道が無くなり没に。
ただ、「ライディーン」のキャラとしての設定を完全に捨てるのが惜しかったことから、雷電五郎の女性化という形で復活をみたそうです(苦笑)

■台詞に秘められた伏線
メルダ―ズのセリフである「釣り上げろ」や「網を放て」のセリフはある意味伏線。
つまり彼は海がある星の出身であり、釣りを知識として知っている。
※旧「永遠に」で登場するデザリアムのような星ではありえない台詞

■2205ラストのアンドロメダについて
あれはアンドロメダ級を捕獲したのではなく、アンドロメダ級から生えたのがゴルバという可能性も考えたほうが良いんじゃないですか?
そう、不遇な扱いを受けたアンドロメダ級の怨念が形になったのがゴルバなんですよ(以上、意訳)
【補足】
岡さんは冗談半分で話していたが、ここにわりと真実が隠されている気がするのは考え過ぎ?

■2205で登場したパトロール艦は2202で登場したエンケラドゥス守備隊に在籍していた艦?
はっきり言えば岡さんはシナリオ時点ではこの艦については深く考えていなかったそうです。
この艦を登場させたのは、設定考証担当の皆川ゆか先生であり、岡さんが皆川先生に確認したところ、否定はしなかったそうです。
なお、「パトロール艦」や「護衛艦」はあくまで通名なので、正式な艦名を考えなければならないとのコメントも同時に頂いたみたいです。
【補足】
皆川先生が3199にも続投が決まっており、この発言をしたのならば「パトロール艦」や「護衛艦」も3199で再登場する?

■ハイニは本当に死んだ?
おそらく本当に死亡している。
再登場するとしたら惑星ファンダムでのことになるだろう。
なお、福井さんが2199出身のキャラで、原作に死亡イベントがないキャラを殺すのは実はかなりレア。
岡さんはハイニを殺すことを反対したらしいが、福井さんはこの点は頑なに譲らなかったので結局、ああいう形になった。
【補論】
岡さんは福井さんがハイニを殺すことに拘ったのは、ネームドキャラを死亡させることで戦争の過酷さを描きたかったからではないかと推測していたが、個人的にこの推測は弱いと思う。
福井さんはまだ明らかにしていないだけで、あそこでハイニを始末したのは個人的には何かの伏線になっているのではないか?

■古代はテレサ空間の記憶を本当に覚えていない?
起きている時の古代君がテレサ空間の記憶を持っていないのは本当。
ただし無意識下では断片的に覚えており、夢という形で思い出していることはある。
その内容は寝言として隣で寝ている雪が聞いていてもおかしくはない。
なお、古代君はテレサ空間で下手をすると数万年単位の経験をしている。
【補論】
雪が古代の寝言を聞いているというのは何かの伏線?
状況としてはうなされてい声に起きた雪が古代の寝言を聞くという流れ?

■キーリングについて
2205前章で登場したキーリングは当初、デウスーラ3世に乗り込んでおり、デザリアムの戦いに参加する予定であった。
だが、尺の都合と登場キャラの整理によりその案は没に。
2205ではガルマン星でお留守番となった。
彼の動向については続編の3199に期待して欲しい。
なおオリジナルと異なり長髪なのは、森蘭丸をイメージしたから。

■2205の山南さんは自ら望んで閑職についた
2205で山南さんが第68護衛艦艦隊司令についているのは自ら望んだ人事
地球防衛艦隊総司令官の職は辞している、後任は不明(2205に登場しないので単に考えていない)
本来は中将への昇進の話があったが、ガトランティス戦役の責任を取る名目で出世を断り、さらに育成部隊への転属を希望した。
これは若い者達を育てることが、ガトランティス戦役で多くの者を殺してしまった自分の責任の取り方と考えるため。
地球防衛軍はマジで人材不足であり、山南さんの人事も含めて本気で頭を抱えている。


2205関連での情報は(覚えている限り)こんなものでした。
少し長くなってしまったので一度ここで切ります。
次は今回のトークショーで明かされた3199での新情報についてまとめたいと思います。

コメント

  1. ABARTH より:

    古代がグダグダだったのは旧作と違って古代守が既に死んでいること、そして、波動砲を撃たない約束を守れなかったことに後ろめたさを感じているためにスターシャに合わす顔がないと思い詰めていたことに尽きると思いますね。守が生きていたら兄さんと姉さんを助けなきゃと土門より先に突っ走っていた気がします。福井さんはそのことを頭にいれていたのでしょう。

    • yamasiro2202 より:

      ABARTH様、コメントをありがとうございます。
      また返信が遅くなってしまい大変失礼いたしました。
      恐らく福井さんの描きたかったものは間違いなくABARTH様の指摘された通りだと思います。
      ただメタ的にってしまうと、そう言うストーリーが望まれていたかなというのは微妙です。
      前章と異なり、後章の評価が分かれているのはやはり古代君の描き方で好き嫌いが分かれてしまったのではないかと思っています。
      こういっては何ですが、福井さんって必要以上に主人公をグダグダさせるのが一種のお約束になっているんでしょね(苦笑)

  2. 伊吹 より:

    「メルダーズは『海のある星』の出身」…ですか。
    中々に興味深い情報が出てきましたね。
    個人的には「地球」か「シャルバート星」のどちらかかな、と予想しています。

    前々から噂されていた「シャルバート黒幕説」がかなり現実味を帯びてきましたね。
    「3199が“永遠に”と“Ⅲ”を融合させたストーリーならば、シャルバートは黒幕として登場させた方が上手くまとまるのかもしれないな…」とも考えてしまいましたが…(^^;)

    あと、これは深く考え過ぎなのかもしれませんが、デザリアム人の首元にある首輪のような模様(?)がボラー連邦がガルマン人たちに着けさせていた毒殺首輪と似ているなぁ…と思いました。
    何者かに支配されている事を暗示しているのか…。

    2205全記録集にも「女の声に操られるように…」といったニュアンスの表現が見られましたし、『シャルバートが時間断層を捨てなかった世界の地球を教導(支配)している国家』がデザリアムの正体なのかもしれませんね。

    • yamasiro2202 より:

      伊吹様、コメントをありがとうございます

      >シャルバートが時間断層を捨てなかった世界の地球を教導(支配)している国家がデザリアムの正体

      私もこの意見には賛成です。
      ちなみに2205で登場したメルダ―ズたちは恐らく地球人の成れの果てではないかと思っています。
      しかし仮にそうであるとすると、人間を超える為に人間性を捨てた結果、心というものを追い求める存在になったというのはある意味皮肉ですね。