皆様こんばんは!
引き続き、レインマン様の「2205‐新たなる旅立ち‐」予想の全文第3章をお送りします。
今回が「新たなる旅立ち」編ラストになります。
非常に気になる終わり方なので、続きが気になりますね。
なお、第1章及び第2章を読まれていない方は、そちらのほうを先に読まれてからお読みください!
【コラボ企画】宇宙戦艦ヤマト2205-想像篇-①
【コラボ企画】宇宙戦艦ヤマト2205-想像篇-②
ヤマト対ゴルバ
古代艦長は、ゴルバに対してヤマトの通常兵器による攻撃が全く通用しないことを知り、愕然とした。残された手段は、波動砲しかない。しかし、今度こそ古代は、沖田の残した誓約を守りたかった。ましてや、目の前にはイスカンダルのスターシャが居る。沖田の誓約した当の相手の前で、二度と波動砲なぞ使えるものでは無かった。
「何故、波動砲を使わないのですか?」
古代の思いを知らない若い土門たち訓練生が迫る。
「古代、波動砲を使え!」
波動砲と同じ原理の兵器であるデスラー砲を装備していた坐乗艦デウスーラを今は失っているデスラーが促す。
「嫌だ!俺はもう二度と波動砲は使わない!!」
攻撃手段の無いヤマトの隙を突いて、ゴルバが砲撃して来る。波動防壁の防御力が次第に削がれていく。南部戦術長は、密かに独断で北野砲雷長に命じ、主砲に波動カートリッジ弾を装填させた。
遂に波動防壁が破られ、砲撃がヤマトを直撃した。被害を受けるクルー。被弾した通路に居た平田主計長が土門を庇い、閉まる隔壁の外へ消えて行った、最期の言葉を残して。
「いいか土門、憎しみはいつかお前自身を殺す。そのことだけは忘れるな」
そんなヤマトの窮状を見かねて、コスモタイガー隊の篠原が、ゴルバに特攻をかけた。
「3年前、横からキーマンってヤツにアンタの心持ってかれて、オレ結構凹んでたんだよね。キーマンが死んでも、アンタの心掴めなかったオレの出来る精一杯がこれ。おっと、絶望して身投げするワケじゃないぜ。死中に活路を見出す。沖田戦法のオレなりの実践てやつ。死ぬなよ、あきら」
「篠原!!」
山本隊長の叫びに、微笑みながら敬礼した篠原の機体がゴルバの砲塔の1つに激突し、小さな穴が穿たれた。
すかさず、そこを目掛けて波動カートリッジ弾を撃ち込む南部。大きな爆発が起こり、ゴルバ全体に誘爆が広がって行く。メルダーズ将軍諸共四散するゴルバ。
色めき立つ古代。
「南部、お前勝手なことを!」
「艦長!篠原の死を無駄にしろと言うのですか?」
「言い争ってる場合じゃないぞ。あれを見ろ」
島の言葉にメインパネルをみる一同の前に、息吐く暇もなく現れる敵ザール艦隊。
ハイパー放射ミサイルがヤマトとデスラーを襲う。初弾は何とか迎撃し、回避することが出来た。しかし次の攻撃を躱すことは困難な事態に、ヤマトの前へ出て盾になるデスラーの乗艦。
「何をするんだ、デスラー!」
「古代、スターシャを頼む」
「しかし、デスラー。貴方はどうなるのだ」
「私は、こよなくスターシャを愛しているのだ。それに気付かせてくれたのはお前たち地球人だ、古代」
デスラーの乗艦に向けて、ザール艦隊の砲門が開かれようとした、そのときー
「やめて!」
スターシャの叫びが割って入った。
「オリジナル波動コアを渡します。ただし、今から地球とガミラスの艦への攻撃は一切無用です。ディンギルの方はクリスタルパレスにいらしてください」
攻撃を停止するザール艦隊。ザール司令自ら数名の随行員と共にクリスタルパレスに降り立った。スターシャは、ザール司令と対面し、オリジナル波動コアを渡すに当たっての条件を伝えた。ザールは、グレートエンペラーがその条件をのむかどうかは分からないが、自分がそれを伝えることは約束した。スターシャは、それでよしとした。オリジナル波動コアを収容すると、約束通りザール艦隊はそのまま攻撃せずに撤収した。
クリスタルパレスに駆け付ける古代らとデスラー。しかし彼らの前に現われたのは、スターシャではなく何と森雪だった。
「雪⁈何故ここに?」
森雪
ガトランティス戦役の渦中、頭部を負傷した雪は、過去の記憶を取り戻した。しかしそれと引き換えに、記憶喪失になって以降の直近5年間の記憶を無くしてしまう…古代進の存在を含めて。その後テレサの導きにより、縁の世界樹の下で、全ての記憶を取り戻し、古代と共に元の世界に帰還するが、そのときの雪は、もう古代と婚約した時点の雪とは、全く同じ存在という訳ではなかった。何故なら、記憶喪失前の雪には、ある重大な秘密があり、それは愛する古代にも決して打ち明けることが出来ないことだったからである。
その秘密とは、雪が、波動エンジンの設計データを携えて地球を訪れていたユリーシャ・イスカンダルと共に巻き込まれた交通事故にあった。正確には、巻き込まれたのではなく、雪の操縦ミスが引き起こした事故であり、それによって人事不省に陥ったユリーシャの存在と共に、地球連邦政府によって秘匿され、記録も改竄されたのであった。ガミラスの攻撃により滅亡の淵に追いやられていた地球に対して差し伸べられたイスカンダルからの救いの手。その特使であるユリーシャを過失とは言え人事不省に陥らせてしまったことは、地球連邦政府にとって、あってはならないことだった。その為、ユリーシャは事故後直ぐにイスカンダルへ帰還したとされたが、それは情報操作で、実際にはヤマトの自動航法装置と偽った生命維持カプセルに収容された。ヤマトのイスカンダルへの航海の途上で蘇生すればいいが、その保証はなく、さりとてスターシャに真実を告げる勇気を持たなかった地球連邦政府は、ユリーシャが蘇生しなかったときには、その身代わりを務めさせるべく、事故を起こした雪に因果を含めて、雪の顔をユリーシャそっくりに整形した。元々ふたりは偶然にもよく似ていたので、整形箇所はごく一部で済んだ。更に都合のいいことに、雪には係累が無く、後見人は土方宙将であったので、経歴の抹消や記録の改竄は、ほとんど問題なく行われた。自らが引き起こした事故でユリーシャを傷つけたことに、深い自責の念を抱いていた雪は、こうした非人道的とも言える政府の措置を甘んじて受け入れると共に、自ら申し出て、これまでの自分の記憶を消し、ユリーシャの代役を務める為の新しい人格になることを選んだ。この一連の措置は、当然最高機密であり、雪はそうした重大な秘密を抱えたまま生きることの辛さに耐えかねて、記憶自体封印することを選んだのかもしれなかった。
しかし今や、その重大な秘密の記憶をも取り戻してしまった雪は、その重さに煩悶した。愛する古代にも打ち明けられず、親代わりだった土方ももう居ない。こんな自分のままで、古代の妻になる訳には行かない。雪は、ある日古代に一方的に婚約の解消を告げ、別れの言葉を残して、忽然と姿を消した。
そんな雪の身を寄せた先が、イスカンダルのスターシャの許であった。雪はまずユリーシャと連絡をとり、全てを打ち明けて、謝罪した。そして、せめてもの罪滅ぼしに、イスカンダルに行ってスターシャに謝罪し出来れば側で仕えたいと申し出た。ユリーシャは、雪とスターシャの間を取り持ってくれ、動けない自分の代わりにメルダを雪の迎えに行かせた。メルダは父親のディッツ提督に頼んで、フラーケンの次元潜航艦で雪を迎えに行く。雪はその艦内で今やザルツ人ヤーブ・スケルジとなった藪と再会し、驚く。
イスカンダルに着いた雪は、まずスターシャに謝罪した。スターシャは、雪の告白に驚いたが、結果としてユリーシャは蘇生し、イスカンダルに帰還することが出来たので、雪の謝罪を受け入れた。そして行き場の無い雪に、イスカンダルに滞在することを許した。雪とスターシャは打ち解け、本当の姉妹のような親しさを育んでいった。
そして、ディンギルが襲来した。
「雪⁈何故ここに?」
3年前、ガトランティスとの死闘から2人で生還し、その過程で古代のことを思い出した雪と、今度こそ結ばれると信じていたのに、突然告げられた別れ。その理由も言わず、行き先も明かさぬまま姿を消してしまった恋人が、あろうことかイスカンダルで姿を現した。あまりの衝撃にしばし呆然自失する古代であった。言葉を失いただ立ち竦む古代に、雪は言った。
「スターシャ・イスカンダルの意思を伝えます。ガミラス、地球どちらの艦も至急イスカンダルから離れてください。オリジナル波動コアを失ったクリスタルパレスの波動ジェネレーターは機能を全て停止し、それにより制御されていたダイヤモンド大陸の地殻は変動が起きて、間も無く海に沈むでしょう」
「では、ヤマトに避難を」
「スターシャは、この星を離れることは出来ないわ」
「しかし」
「古代君。私をヤマトで地球に連れて行って。今さらお願いできる筋ではないけれど。ただ私にはどうしても地球に行かなければならない理由があるの」
「私が直接スターシャと話そう」
詰め寄るデスラーに対して、静かにしかしきっぱりと首を振る雪。
「いいえ、デスラー大統領。あなたにはスターシャからの伝言があります。『アベルト、ユリーシャをお願い』とのことです」
雪の言葉に、二の句を継げない古代とデスラー。
デスラーは、負傷したメルダを連れてバーガー艦隊旗艦に戻り、ガミラス星への帰路に就いた。
古代は、人が入れる程の大きさのカプセルを携えた雪と共に、ヤマトに戻った。カプセルの中身を尋ねたが、雪は何も答えなかった。
デスラーの艦とヤマトがイスカンダルを離れると、間も無く雪の言った通りにダイヤモンド大陸に地殻変動が起こり、クリスタルパレス諸共海に沈んでいった。
沈みゆく宮殿の中でスターシャは、雪の乗ったヤマトを見上げて呟いた。
超巨大都市要塞ウルク
ウルクは、地球で言うと日本の淡路島ほどの大きさのある超巨大な都市要塞である。その中枢は神殿でもあるデザリアムである。グレートエンペラー・スカルダートは、その神殿の玉座にあった。
「大義であった、ザール司令」
スカルダートの前にひざまづくザール。
「オリジナル波動コアを得たこのデザリアムは、今や水惑星アクエリアスをコントロールする力を取り戻した。惜しむらくは、我らが母星ディンギルの水没する前にそれが叶えば良かったが。まあ、良い。これからいくらでもアクエリアスの力を使って新たな母星を得ることが出来る」
「そのことにつき、イスカンダルのスターシャ女王から陛下への言伝てをお預かりして参りました」
「ほう、申せ」
ザールは、スターシャから告げられた条件の内容をそのまま伝えた。
「地球か。面白い、我らが新たな母星の候補に入れてやっても良い。だが、それを唯一とするものではないぞ」
「陛下、恐れながら申し上げますが、スターシャ女王の遺言でもありますれば、お聞き届け下さいますよう」
「差し出がましいぞ、ザール。身の程を弁えよ。卿の今回の功績に免じて、今のは聞かなかったことにしてやる。下がれ」
ウルクは、アクエリアスと共に、天の川銀河に向けてワープを開始した。大型波動コアを得たデザリアムの制御システムは、今や全ての機能を取り戻し、その中には古代アケーリアス文明の残した銀河間を繋ぐ亜空間ジャンプゲートの位置座標やコントロールシステムも含まれており、通常であればワープを重ねても数年かかる天の川銀河までの距離を数カ月で行くことが可能になった。
エピローグ
デスラーの要請により、イスカンダルとスターシャの救援に赴いた筈が、どちらも救い得ず、あまつさえ新たな脅威となりそうなディンギルの出現を目の当たりにして、衝撃を受けた古代らヤマトクルーたち。
更には思い掛けない森雪との再会もあり、古代の心は千々に乱れた。
雪の携行してきたカプセルの中には何が隠されているのか?
新たな敵ディンギルの動向はいかに?
コメント
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早速のアップありがとうございます
また昨日は深夜まで 方舟 ご苦労様でした
本日は会合があるため 動画の編集ができませんが
また レインマンさんの感想動画と2199の方舟の動画
作成しますので
よろしくお願いいたします。
しかし 方舟はいいなあ
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土居様、コメントありがとうございます!
またこちらこそいつもお世話になっております。
昨日の生放送は私も本当に楽しかったです!
方舟は何回も見ておりますが、同じヤマトファンと語り合いながら見るのは格別でした!
いつになく濃密な時間で次の日が平日だったのが悔やまれます(笑)
また今週末、よろしくお願いいたします!
> また レインマンさんの感想動画と2199の方舟の動画
> 作成しますので
> よろしくお願いいたします。
おお!楽しみにしております!
動画がアップされたときは当ブログでも宣伝させていただきますのでよろしくお願いいたします。
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山城2199様、こんばんは。
挿絵1枚目です。
古代くんの表情がイマイチかな?
https://livedoor.blogimg.jp/monocarver/imgs/6/e/6e4a7d2e.jpg
あっ、ストーリー的にデスラー戦闘空母がいたらダメだった?デウスーラを失なっただけだからいいのかな?
https://livedoor.blogimg.jp/monocarver/imgs/4/d/4dfb8a5c.jpg
デスラー戦闘空母なしバージョン
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連投すみません。
最初、不正な投稿と叱られてしまったため、分けてみました。
土門が泣き叫んで無いですが(笑)
https://livedoor.blogimg.jp/monocarver/imgs/d/c/dc1230d8.jpg
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山城2199様、こんばんは。
もう一枚、ヤーブとの再会
https://livedoor.blogimg.jp/monocarver/imgs/9/f/9f5c56aa.jpg
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鮫乗り様、こんばんは!
いつもお世話になっております!
> もう一枚、ヤーブとの再会
> https://livedoor.blogimg.jp/monocarver/imgs/9/f/9f5c56aa.jpg
素晴らしい画像を本当にありがとうございます!
早速本編内で使わせていただきます!
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鮫乗り様
素晴らしい挿絵をたくさん作ってくださり、本当にありがとうございます!
雪とヤーブの再会は、このプロットを書きながら思い付きて挿入したシーンなんですが、我ながら結構気に入っていたので、それがビジュアル化されて、とても嬉しいです。
雪と藪と言えば、オリジナルのTVシリーズで因縁がありますからね笑
あと、デスラーの乗艦は特に決めて無かったので、戦闘空母でも大丈夫でした。
山城様も、本当にありがとうございます。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
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レインマン様、こんばんは。
ザルツ人(と思われている)ヤーブが雪を迎えに地球に潜入する命を受け、英雄の丘あたりで再会っていうのもアリかも。
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鮫乗り様
こんばんは!
コメントありがとうございます。
そのアイディアいいですね!
そうしたディテールはまだまだ盛り込む余地があります。