皆様今晩は。
イスカンダルとガミラスの過去を考察する当検証シリーズ、第2回の今回はイスカンダルが何故CRS(コスモ・リバース・システム)を所有していたのか、その理由について考えてみたいと思います。
そもそもをいってしまえば、CRSは「人間の魂(記憶)を利用して惑星を再生させる」という、「何でそんなものを開発したの?」と聞きたくなるかなり頭のおかしい発明品です。
「惑星を再生させる」。この部分は波動兵器で色々やらかしてしまったイスカンダルがその後始末で必要だったのではないかという解釈で納得できますが、何故その解決法として「人間の魂を使えばいいんじゃね?」という発想にいたったのか、その点が理解できません。
イスカンダル(とガミラス)は地球よりも遥かに科学技術が発達しているようですが、魂をエネルギーに使うというのは普通では出てくるような発想ではなく、元々何らかの理由により「魂の研究」をしており、その研究があったからこそ「惑星の再生にその星の人間の魂を使う」というCRSの構想と開発ができたのではないかと思われます。
では、イスカンダルは何を目的に「魂の研究」というものをしていたのか?
その答えはテレザート星なのではないかと思われます。
もっとはっきり行ってしまえば、超大国であった頃のイスカンダルは自らが第二のテレザートになる事を夢見ていたのではないでしょうか?
テレザート星と超大国イスカンダル
2202においてテレザート星は「かつて文明発達の極致を極めた星であり、その星に住む人々は肉体を捨てて精神体となり永遠の生命を手に入れ、その魂の力は星の形をもかえうるすさまじい力を持つ」(意訳)というような設定となっております。
イスカンダルが超大国として台頭した頃にはすでにテレザート自体は伝説の存在になっていたと思われますが、それでもテレザート星の持つ力にガミラスやガトランティスが目をつけているのと同様、かつてのイスカンダルもまたこのテレザートの力に魅了されたのだと思います。
ただ彼らがのちのガミラスやガトランティスと異なったのは、テレザートそのものを手に入れようとしたのではなく、自らが第二のテレザートになる事を夢見て、そのために魂というもの研究を始めたのではないかと思われます。
そしてその研究は結論から言ってしまえばかなりいい線までは到達したのではないでしょうか。
事実、2199の時点ではCRSという形で「人間の魂を意志を持った状態で保管できる(=精神体の確立)」と制約はあるものの「人間の魂をエネルギーとして使い惑星再生という普通ではできない事を実現できる(=魂のエネルギー化による奇跡)」という、テレザート人の到達した地点まであと一歩のところまで実現させています。
また昏睡中のユリーシャが精神体で活動していたことからみてもイスカンダル人のあり方がテレザート人に近い存在になりつつあった事を伺わせます。
このままいけばイスカンダルが第二のテレザートになるのも時間の問題だったと思われます。
イスカンダルの方向転換とCRSによる救済
しかし、2199でスターシャらイスカンダル人たちが肉体を捨てていない事から見て、イスカンダルのテレザート化計画はCRSの開発に成功した時点で中断したと思われます。
自主的に止めたのか、それとも何らかの事情で止めざるを得なかったのか、その理由は分かりません。
あるいは昨日の記事で書いたような波動兵器の大チョンボにより、それどころではない事態になってしまったのかもしれません。
いずれにせよ、かつての超大国であったイスカンダルは覇権国家から平和主義へと方向転換を行い、開発したCRSは「滅びに瀕した星々への救済装置」として使用されるようになったのだと思われます。
ところでCRSでガミラスを救わないのか、という疑問があります。
劇中においてもガミラスの貴族などがCRSの利用を提案(イスカンダルの政治的優位に繋がるので否定された)するシーンがあります。しかし私はこれは逆ではないかと思われます。
イスカンダルとしてかつての同胞であるお隣が救えるのなら何も言わずに手を差し伸べていると思われます(もっとも、ガミラスのほうが以前より内政不干渉を断言していたのならば、要請がない限り動かない可能性はありますが)。
イスカンダルが動かないというのは、CRSを使ってもガミラスが救えないという証拠なのではないでしょうか?
その理由としては、以前の記事で「寿命にはCRSは無力」という説を書きましたが、もう一つの理由としては、実は過去、波動兵器でやらかしてしまった時にすでにCRSを使っており、もう一度使っても現在以上には良くならないという可能性です。
この場合、ガミラスサイドとしては以前の成功例があるのでCRSを使えば何とかなると考えており、一方、イスカンダルのほうとしては無意味と分かっているが、それを言ってしまうとガミラスが絶望に包まれてしまうので、沈黙を保っている、そのような状況だったのではないかと思われます。
なお、アベルト・デスラー総統は確信していないもののCRSの使用に対して疑問を持っていました。
恐らくスターシャからCRSについて色々話を聞いており、遠まわしの言い方で「CRSは駄目だから別の方法を探したほうが良いかも」と言われていたのかもしれません。
しかしそうなると2199における地球の惨劇はスターシャが引き起こした事になり、そりゃあ責任を感じて地球に対して最優先で手を差し伸べる気にもなりますね(苦笑)
コメント
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こんばんは。引き続き拝見させていただいています。
イスカンダルがやらかし過ぎてしまった結果の修復に役立てるということ、なるほどです。また、武器を使わなくなったのは精神を尊重する姿勢の表れなんだと思われますね。できればCRSは惑星にとどまらず恒星にも作用することができればイスカンダルも根本的な環境修復がかなったのでしょうか。3で太陽の暴走を止めたような装置もありましたからね。そうなると青い肌のガミラス人の居場所がなくなると。ややこしい状況になってしまいますかね。
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kazu様、コメントをありがとうございます
> できればCRSは惑星にとどまらず恒星にも作用することができればイスカンダルも根本的な環境修復がかなったのでしょうか。3で太陽の暴走を止めたような装置もありましたからね。そうなると青い肌のガミラス人の居場所がなくなると。ややこしい状況になってしまいますかね。
CRSは星系全体に影響を当たるほど万能ではないということではないでしょうか?
それにCRSの惑星再生はあくまでも「記憶」に基づくものですので、恒星の記憶など誰も持っていないというのも理由としてあると思います(例えば、1年前の太陽の環境を思い出してください、といわれても「知らんがな」としか言いようがないと思います)