皆様今晩は。
コメントで指摘していただいた方もおりましたが、本日12月10日は太平洋戦争初頭において日本海軍航空隊がイギリス東洋艦隊を攻撃、主力艦であった戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と巡洋戦艦「レパルス」を撃沈したマレー沖海戦が起きた日です。(このネタは今日のネタのためにあえて8日の記事では書いていなかったのですが、先にコメントされてしまい「言われちまった~」と若干へこんだのは秘密です(笑))
先の真珠湾攻撃にしても、1940年11月におきたタラント港空襲においても、航空機攻撃によって戦艦が大破・撃沈されてしまいましたがこれらはいずれも停泊中の出来事であり、作戦行動中の戦艦が撃沈されたのはこのマレー沖海戦が初となります。
この海戦がおきるまでは作戦行動中の戦艦を航空機が撃沈させる事は不可能と信じられただけに、世界に与えた衝撃は大きく、そして戦艦の軍事的価値はこの日をもって完全に止めを刺されてしまいました。
この戦艦時代の終焉を告げた「マレー沖海戦」のわずか6日後に世界最大の戦艦である「大和」が完成します。
いずれ海戦の主流が戦艦ではなく航空機になることはもはや時代の流れでありとめることが出来なかったでしょうが、この大和は「世界最大最強の戦艦」でありながら完成直前にその存在意義が失われたという点で本当に悲劇といわざるを得ません。
なお、始めから大和など建造するべきではなかったという意見も聞きますが、私はこの意見はあくまでも結果論による主張であると思います。
戦艦は航空機によって沈める事が可能であるというのは現在では常識ですが、当時では「不可能である」というのが常識であり、海戦の勝敗は大艦巨砲に左右されるというのは当時の海軍の共通認識でした。
現代に置き換えるならば、「近い将来、航空機攻撃で艦船を沈める事が不可能になりますから、空母や航空機の建造を止めて重武装の戦艦を作りましょう」と進言した場合、その意見は簡単に主流になりえるでしょうか?
実際のところ、対空兵器の向上により航空機のみの攻撃で艦船を沈める事は難しくなり始めているそうであり、近い将来、「空母不要論」は現実のものになる可能性があります。
しかし、現時点では空母は依然として最強の海上兵器として君臨しており、軍事的見解から空母の建造が否定される事はありません。
戦艦大和の建造もこれと同じであり、当時の常識でいえば否定すべき理由は無かったというべきです。
大和の悲劇は建造した日本海軍自身が戦艦の存在価値を否定してしまったことと、使えないなら使えないで他の使い方を模索しなかったことであると思われます。
例えば戦艦は沈んでもかまわないと割り切ってミッドウェー海戦で空母機動艦隊の前に戦艦部隊を先行させておとりとするなどすれば結果は変わったかもしれません。
今更言っても仕方が無い事ですが、「世界最強の戦艦」として誕生した大和がその力を十分に発揮できないまま沈んだ事は本当に残念といわざるを得ません。
話は戻りますが、「マレー沖海戦」で沈んだ戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」は、調べれば調べるほど「呪われていたんじゃないか、この艦?」といいたくなるほど酷い生涯でした。
まず完成直後にドイツ戦艦ビスマルクとの戦いに駆り出されて、一緒に行動していた僚艦の巡洋戦艦フッドは轟沈、プリンス・オブ・ウェールズも大破し、逃走を余儀なくされました。
その修理が終わって戦列に復帰してみれば、東洋艦隊旗艦としてアジアに回航され、到着数日後にマレー沖海で撃沈。
同行している巡洋戦艦も必ず沈んでいるあたり、間違いなくイギリス海軍屈指の不運艦といわざるをえません。
ところでこの不運艦の名前を与えられた戦艦がヤマトⅢに登場しています。
資料によっては「巡洋艦」と書かれてしまったりとどこか不運な要素も受け継いでしまっていますが、果たして第二の地球探査航海で生き残る事ができたのでしょうか?
なんとなくアリゾナ同様にどこかでひっそりとボラー連邦艦隊によって沈められている気がしますが・・・
個人的には中々好きなデザインの艦なので、もし次回作があるならばデザインをリファインして登場させて欲しいところです。
コメント
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フライングでプリンス・オブ・ウェールズをだしてしまいました。m(_ _)m
日本もプリンス・オブ・ウェールズは倒せないだろうと読んでいたらしいんですが、当時対空戦闘用装備はなかったということも一因ではないかと。日本海軍航空隊の戦力は高かったんですね。
話はそれますが、空自F2も、F16をこれでもかと魔改造してしまいましたからね。まだまだ戦闘機持ちとしてはいい線出してるかと。オリジナリティが無いのは残念ですが。
アメリカ太平洋艦隊の戦艦が戦艦同士の決戦を望んだが却下されたようです。聞きかじりです。
ヤマトⅢ版のは、船体後部が巡洋艦ぽいんですよね。リファインされるといいですね。
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kazu様、毎回コメントありがとうございます!
> フライングでプリンス・オブ・ウェールズをだしてしまいました。m(_ _)m
いえいえ、お気になさらずに
ちょっと戦史に詳しい方ならばこのマレー沖海戦は戦艦時代の終焉として必ず言及する出来事ですから(苦笑)
真珠湾の記事を書いた時点で、コメントに書かれるかもしれないな~とは半ば覚悟はしていましたよ、実は。
> 日本もプリンス・オブ・ウェールズは倒せないだろうと読んでいたらしいんですが、当時対空戦闘用装備はなかったということも一因ではないかと。日本海軍航空隊の戦力は高かったんですね。
ちょっとここは間違いですよ
東洋艦隊に配備された二隻の戦艦(プリンス・オブ・ウェールズとレパルス)には共に当時最新鋭の対空兵器「ポンポン砲」(現在で言うバルカン砲)が搭載されていました。
これと似た兵器を後に日本も伊勢型に搭載しましたが、レイテ海戦で米軍機を相手にかなり活躍したそうです。
このため「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」もかなり対空攻撃力が高い艦と世界中で認知されていましたが、それだけに航空機の攻撃で沈められた事が衝撃だったみたいです。
ちなみにこのポンポン砲は新兵器だっただけに故障しやすかったそうで、マレー沖海戦のときも早々に使用不可になりました(苦笑)
> 話はそれますが、空自F2も、F16をこれでもかと魔改造してしまいましたからね。まだまだ戦闘機持ちとしてはいい線出してるかと。オリジナリティが無いのは残念ですが。
日本が独自で戦闘機を計画すると某国が必ず邪魔をしますからね。
あの国の干渉をはねのけられないうちは独自開発は無理であると思われます。
> アメリカ太平洋艦隊の戦艦が戦艦同士の決戦を望んだが却下されたようです。聞きかじりです。
沖縄攻撃を担当した第5艦隊の司令長官であるスプーリアンス提督自身がそれを内心で望んでいたらしいですが、人的損害を考慮して一番友軍に被害が少ない方法をとったらしいです。
最もそのおかげで、大和の「世界最強の戦艦」という称号は守られる事になってしまい、よほど悔しかったのか、後に接収した信濃の装甲を(近距離で)戦艦の主砲でぶち抜いてアメリカの戦艦の方が強いという証拠として現在も飾ってあるそうです(汗)
>
> ヤマトⅢ版のは、船体後部が巡洋艦ぽいんですよね。リファインされるといいですね。
資料によって「巡洋艦」とされてしまうのはそのあたりが原因でしょうね。
本当に次があるならば、「アリゾナ」や「ビスマルク」などと一緒に是非登場させて欲しいですね。
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ポンポン砲のことありがとうござます。
せっかくの戦艦ネタなので、2202で少し気になるところがあって、土星沖会戦でD級の衝撃砲が三門それぞれ少しずつずれて発射してるんですが、三式弾を撃てるヤマトならともかく、この描写は雰囲気出し半分なんですかね。大和などでは3門同時に撃つと中央砲の弾道がぶれるため、左右2門発砲後、一瞬おいて1門が撃つようになっていました。相手が動いているなら3門全てずれると命中精度が下がってしまうので、大和のような発砲のしかたの方が良いんではないかと。
あと、航空機では沈めにくくなっているのは確かですよね。空母機動艦隊でもイージス艦などのミサイル防御戦になりますからね。でも、ヤマトのような、煙突、左右両舷のミサイル、前後の魚雷などまさしくハリネズミですから、このくらいの機能が付いてくればあながちなくもないかと思いました。
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kazu様、お返事ありがとうございます!
> せっかくの戦艦ネタなので、2202で少し気になるところがあって、土星沖会戦でD級の衝撃砲が三門それぞれ少しずつずれて発射してるんですが、三式弾を撃てるヤマトならともかく、この描写は雰囲気出し半分なんですかね。大和などでは3門同時に撃つと中央砲の弾道がぶれるため、左右2門発砲後、一瞬おいて1門が撃つようになっていました。相手が動いているなら3門全てずれると命中精度が下がってしまうので、大和のような発砲のしかたの方が良いんではないかと。
そちらの方が見栄えがよいというという事情があるでしょうが、D級の主砲は衝撃破砲ですので一斉射撃しても弾道が乱れるという事はないのではないでしょうか?
> あと、航空機では沈めにくくなっているのは確かですよね。空母機動艦隊でもイージス艦などのミサイル防御戦になりますからね。でも、ヤマトのような、煙突、左右両舷のミサイル、前後の魚雷などまさしくハリネズミですから、このくらいの機能が付いてくればあながちなくもないかと思いました。
近い将来、レーザー兵器も本当に実装される可能性もあるといわれていますし、下手すれば航空戦力の時代は本当に終わるかもしれませんね。
ところでヤマトですが、今作では2199で何度かあった全兵器の乱れ撃ちはまだやっていませんよね。
最終章では是非やって欲しいところです。
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山城2199さま レス頂きありがとうござます。
おそらくご存知のことと思いますが、主砲の斉射時に一瞬ずらすのは、弾が打ち出されたときの爆風の影響で弾道がそれて散布界というのですか、それに影響するのを防ぐためだと思われます。発射の合図とともに甲板からは乗員が姿を消したそうですので、凄まじさは伺えます。
ところで、アンドロメダやD級主力戦艦は衝撃砲ですので、大気圏内の使用も想定すればずらして撃つのは有りのような気がします。
衝撃砲がビーム状に出ていますが、そこのメカニズムは理解不十分です、すみません。
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kazu様、こちらこそ毎回コメントをありがとうございます!!
> おそらくご存知のことと思いますが、主砲の斉射時に一瞬ずらすのは、弾が打ち出されたときの爆風の影響で弾道がそれて散布界というのですか、それに影響するのを防ぐためだと思われます。発射の合図とともに甲板からは乗員が姿を消したそうですので、凄まじさは伺えます。
大和の主砲の衝撃は冗談ではなく殺人級だったらしいですね。
主砲発射の記録を残そうと甲板に映像カメラを置いていたら文字通り消し飛ばされたそうです(残っていたら貴重な記録になったのに)
高角砲や機銃座が全面防御されていたのも敵の攻撃から守るというよりも主砲の発射の衝撃から守るためだそうです。
> ところで、アンドロメダやD級主力戦艦は衝撃砲ですので、大気圏内の使用も想定すればずらして撃つのは有りのような気がします。
> 衝撃砲がビーム状に出ていますが、そこのメカニズムは理解不十分です、すみません。
ふと気がついたのですがD級に関して言えば無人艦が多いそうなので、目の前に敵をロックオンしたら何も考えずに全力正射する仕様なのかもしれません。
土星会戦の頃のAIは衝突距離に大戦艦が接近してきても回避行動せずに攻撃を続ける頭が悪いものでしたので。