皆様今晩は!
昨日アップした記事でも書きましたが、本日12月1日は「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の公開日です!
そこで記念記事として、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が公開された時によく指摘されていたアメリカのTVドラマ「キャラクティカ」との類似性について検証したいと思います。
ギャラクティカとは?
恐らくご存知の方は多いと思いますが、この作品を知らない方のために簡単に説明すると、「ギャラクティカ」は1978年に放映されTVドラマシリーズ『宇宙空母ギャラクティカ』のリブート作品で、2005年1月から2009年3月にかけて全4クールわたって製作されました。
人類の抹殺をたくらむロボット・人工知能であるサイロンと、彼らから逃げつつ新天地を捜す人類の攻防を描いた作品で、私もレンタルして見ましたが、そのごBDを購入するほどドはまりしたSFドラマの傑作です。
この作品の日本での放送と「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の公開の時期が重なっていたこともあって、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が公開された当時は、「ギャラクティカ」の粗悪品と批判もされていました
実際、両作品を見比べると、後発の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」がこの「ギャラクティカ」の影響をもろに受けたなと部分は確かにあり、パクリとまではいわないまでも多大な影響を受けたのは間違いないと思われます。
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」と「ギャラクティカ」の類似性
類似性①:ワープが探知される
「ギャラクティカ」では必至で痕跡を消しながら逃走をはかるギャラクティカの船団に対し、追撃するサイロン達は船団のワープを探知する事で攻撃を仕掛けていました。
一方、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」でもワープの度にガミラスの艦隊に探知され、攻撃を受けていました。
敵が追撃なのか、それとも進路を妨害するのかの違いはありますが、ワープの度に敵に攻撃を受けるという点では全く同じであり、この点に関しては「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が「ギャラクティカ」の設定を真似たというのはほぼ間違いありません。
類似性②:ヒロインが女性エースパイロット
またヒロインが共に女性エースパイロットである点も類似点にあげても良いかもしれません。
「ギャラクティカ」はメインとなる女性キャラは非常に多いため、誰をヒロインとするかは意見の分かれるところですが、一応主人公であるリー・アダマ 大尉と一番深い関係を持つことになるのは、カーラという名前の女性エースパイロットです。
一方、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」のヒロインである森雪も、原作アニメの生活班班長から設定が変更され、古代の部下であるコスモタイガー隊のエースパイロットとなっています。
「ギャラクティカ」のカーラと「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の森雪は、エースパイロットという設定のほか、拳で男を殴り倒すような女傑である点でも共通しており、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の森雪のキャラ造詣に「ギャラクティカ」のカーラの影響が全くなかったとは言いません。
しかしこれが全くのパクリであるかといえば、それはまた違うと思います。
そもそも、雪がアニメ版通りの生活班班長だった場合、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」のストーリー的に活躍する余地はほぼなく(強いて言うならばガミラス・イスカンダル上陸作戦で衛生兵といして同行する程度か?)、ヒロインでありながら登場場面が少ないという非常に困ったことになります。
また森雪は、アニメ版の初期設定では古代の部下であるパイロットであったことを考えると、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」での森雪の設定はそこまで世界観を無視したものではありません。
むしろ、アニメ版の設定のままではヒロインである森雪がストーリーに絡む余地がほぼないので、その問題を解決するために初期設定を採用したと考えるならばこの雪の設定変更は非常に妥当なものであると考えます。
要するに、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の森雪はキャラ的には「ギャラクティカ」のヒロインであるカーラの影響は確かにあったかもしれないが、その設定変更そのものはストーリー上必要なものであり、「ギャラクティカ」のパクリでは決してありません。
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」は「ギャラクティカ」のパクリ作品ではない!
確かに「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が当時放送されていた「ギャラクティカ」の影響を受けていたことは間違いないと思います。
しかし、「既存作品に影響をけて似たような設定を作中で使う」ということは別に「SPACE BATTLESHIP ヤマト」に限った話ではありません。
むしろ「全く影響を受けていない」、あるいは「似たような設定使っていない」、という作品の方が非常に珍しいと思います。
重要なことは過去作品の影響を受けながらも、その作品がオリジナル作品として成り立っているかであり、この点で言えば、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」は、間違いなく「宇宙戦艦ヤマト」の実写版として極めて完成度の高い作品に仕上がっています。
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」は決して「ギャラクティカ」の劣化作品ではなく、日本が誇るオリジナルSF大作であると断言しても良いのではないでしょうか。
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」、連続TVドラマ化の夢
ちなみに私個人としては「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を連続テレビドラマとしてリブートしてくれないかなと思っています。
一本映画としてみた場合、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」は非常にまとまりのある素晴らしい作品ですが、やはり約二時間
という尺の制限があるせいか、人間ドラマなどは結構性急に描かれています。
個人的にはや古代や雪、沖田艦長の人間ドラマやガミラス・イスカンダルにたどり着くまでの様々なエピソードをもっと見てみたいですね。
アメリカでは「ギャラクティカ」を1時間枠の連続ドラマとして4クールも製作したのですから、日本もそれを見習ってせめて1クールくらいの長さで、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」をテレビドラマとして制作できないものか・・・
放送時間にもよりますが、結構視聴率を狙えると思うのですが‥‥
4年後の2024年は「宇宙戦艦ヤマト」初放送からちょうど50周年となりますが、その特別作品としてぜひ検討されて欲しいところですね。
コメント
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これほど残念なヤマトは初めてで悔し涙を流した作品の落ちはまだまだあったんですね。まあガミラスを精神体に設定した時点で脚本家には荷が重すぎましたね。ワープ後の感知は航路にセンサーをはらせておけば、タキオン粒子の波動の痕跡を探知できますよね。これをギャラクティカとの違いを見せるならアニメ原作を採用すればいいんです。ガミラス帝国の強大な軍事力を周知させる意味でも納得がいきます。エースパイロットを女性にするのも復活編や2199でも実践してます。雪でなくても、2199では山本を女性にして古代の恋敵を演じさせているので絡んでいます。上陸作戦でも医療班として同行を無理やり通したことにすればアナライザーの護衛つきでやれると思います。この作品こそシン・スペースバトルシップヤマトとして庵野監督でリメイクして欲しいものです。
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ABARTH様、連投ありがとうございます。
ご指摘の点はごもっともですが、正直、アニメのヤマトをそのまま実写で再現することは日本の特撮技術では不可能であると思っています。ヤマトを実写化するにあたって設定の変更は賢明な判断だったのではないでしょうか(これに関しては異なる意見がある事も承知しています)
庵野監督によるリメイクは私も強く希望していますが、やるなら実写ではなくアニメ、あるいは今はやりの3Dアニメーションでお願いしたいですね。
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なるほど、ギャラクティカとの類似性ですか。("⌒∇⌒")
キムタクヤマトを見てデジャ・ビュに似た感覚を覚えたのはそのためだったのかな? f(^_^;
『SPACE BATTLE-SHIP ヤマト』のテレビシリーズ化、賛成です。
ヤマト自体の活躍シーンが少なかったので、ぜひ連続ドラマ化してほしいですね。("⌒∇⌒")
できればヤマトの艦首形状をアニメ寄りにリ・デザインして欲しいかな、と個人的に思います。f(^_^;
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昔の「宇宙からのメッセージ」とか「スペースウルフ」とかをリアルタイムではないにしても子供の頃に見ていた自分としては、そう思うのですけれどね。それにワープアウトの探知にしたってスペースオペラの定番と言えば定番な訳でパクリというのはちょっと大袈裟かなと思います。
話は変わりますが、もうちょっと時代が下って「さよならジュピター」という映画が有りました、小松左京先生の原作は素晴らしかったのですが脚本がこれまた「当時としてはまあまあ?、いやこの原作をたったの二時間に収めるのは無理だったろ」だったのです、更に特撮部分がなんとも…、色々不運なことが重なった影響が有ったにしてもなぁ。
冒頭、火星テラホーミングのシーンだったと思うのですが、凍り付いた極冠と思しきところが解けて一気に流れ下る所がとても大瀑布に見えず、精々2~3mくらいのセット程度に。
木星衛星軌道上に浮かぶ何百m?(かなり大きいはず)もあるはずの宇宙ステーション:ミネルヴァ基地がこれまた精々5~7mにしか見えなくて映るたびに冷める冷める、当時のCGワークもちゃちで彗星調査船やミネルヴァ基地、ジュピターゴーストなどの造型は今でも通じる素晴らしいものが有っただけに非常に残念な思いをしたことを覚えています。
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」も脚本の詰め込み過ぎのきらいはありますし、ラストシーンも納得していない部分もあるのですが、また過去のそれらと比べた贔屓目も有ることを差っ引いても充分観られる映画だと思います。
そして自分もテレビシリーズ化賛成ですね、ただ役者さんが…、柳葉敏郎さん以上に真田四郎を演じることが出来る方がいらっしゃるかどうか、沖田艦長は更に難しい。
長文失礼しました、過去の経験からちょっと思い入れが多いものでつい長くなってしまいました。それにもう少し早く書き込むつもりだったのですが、仕事の年末進行と自身の微妙な体調不良で考えが纏められず…、前の記事で書き込むつもりだったのですがねぇ。
では、この辺りで。
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Gotton様、連投ありがとうございます!!
>『SPACE BATTLE-SHIP ヤマト』のテレビシリーズ化、賛成です。
正直、普通の特撮より作るのは楽だと思うんですよね。
ヤマトの戦闘シーンなどは全てCGで作れるでしょうし。
是非実現してほしいですよね~
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オールドタイマー様、コメントをありがとうございます。
私も「SPACE BATTLESHIP ヤマト」に対しては不満もありますが、楽しめた部分のほうが遥かに多いので十分良い作品だと思っています。尺不足に関しては全くその通りですので、今から考えると無理に1本の映画にまとめるのではなく「出発篇」と「帰還篇」の2部作構成にしてもよかったかもしれませんね。
「宇宙からのメッセージ」や「スペースウルフ」、「さよならジュピター」名前は聞いたことがありますが実際に見たことはないんですよね(汗)
代わりに「惑星大戦争」や「地球防衛軍」、「宇宙大戦争」あたりは好きなので結構見ています。
特に「惑星大戦争」はヤマトに似た部分が多いので(敵が青い肌をしているなど)かなりお気に入りです。
SFに関して現在はリアル志向が強いですが、昔のような「な~んちゃって」のノリの宇宙戦艦ヤマトもまた見てみたいですね