「第二次火星沖海戦2198年説」考察動画紹介

皆様こんばんは!
月曜日にアップした「2202年表における2199との矛盾」の中で、「第二次火星沖海戦が2198年だと遊星爆弾の設定と矛盾する」と述べました。
この私の見解に対して「第二次火星沖海戦が2018年のほうがしっくりくる」と考察する動画をYoutubeで発見いたしました。

(リンク元)2202総集編最新情報から考察座談会+雑談【宇宙戦艦ヤマト】

ヤマト二次創作での大御所であられる「FGT2199」様と「我が家の地球防衛艦隊」様の対談形式の考察なのですが、これまで数々の素晴らしい外伝ストーリーを製作されたり、ヤマトに関する考察されているお二方だけあって、今回の「「第二次火星沖海戦・2018年説」も非常にうなづけるものでした。
以下、この説に対して軽くご紹介したいと思います。

正解が出せない第二次火星沖海戦の時期

まず大前提として、そもそも本編の描写では第二次火星沖海戦の時期を特定できないとしています。
というのも、第二次火星沖海戦の時期は定説である2193年説と公式が発表した2198年説はどちらにも矛盾が生じてしまうというのがその理由です。
まず2198年説の矛盾点は「2202年表における2199との矛盾」の中で私が述べた内容とほぼ同じです。
一方、2193年説は2198年説のおかしな点をすべてクリアできている半面、山本玲の兄、山本明生が第二次火星沖海戦で戦死したとする設定と矛盾しています。
私は今回指摘されるまでこの明生の戦死の設定を忘れていましたが、軍服姿の玲と一緒に写っている写真が存在する以上、第二次火星沖海戦が2193年というのは確かにおかしいです。
この矛盾を解決する説明は今のところ存在せず、2193年説を採用しているむかかわみち先生のコミカライズ版では明生の死因を変えることでクリアしているます。
この動画の中では、これらの矛盾点が存在することを認めたうえで、2193年と2198年に火星沖海戦が発生したという解釈でこの矛盾点をクリアしています。

2回行われた火星沖海戦

これについてはオールドファン様から頂いたコメントでも同様の見解を述べておられますが、簡単にまとめると次のような流れになります。

■2191年:ガミラスとのファーストコンタクト
・極東艦隊が偵察に派遣、沖田十三提督が抗命罪で解任
・攻撃命令を受けた先遣艦「ムラサメ」が沈没、島大助の父、島大吾艦長戦死
■2192年:反抗作戦が計画/地下都市移住が始まる
・ガミラス艦隊が火星宙域まで進出
・火星に戦力を終結させた反抗作戦が計画(カ号作戦?)
・地下都市への避難が始まる
■2193年:第一次火星沖海戦
・カ号作戦(?)に基づく反抗作戦の実施(失敗)
・沖田の息子が戦死
・遊星爆弾攻撃が始まる(2193年から2198年の間に古代の家族が死亡)
■2198年:第2次火星沖海戦
・ユリーシャが地球サイドと接触に到着(5月に雪がスタッフとして配属されているため、ユリーシャの到着はその前後と推察)
・第二次火星沖海戦が勃発(地球軍唯一の勝利)
・山本明生が偵察中に戦死
■2199年:メ号作戦~ヤマト抜錨

確かに2193年の反抗作戦が「第二次火星沖海戦」であるとは2199本編内で明言されていない以上、「火星沖海戦」が2193年と2198年の2回にわたって行われたのではないかという指摘は非常に納得がいくものです。
そして上記のような流れであるならば、2193年説と2198年説の双方にあった設定の矛盾もほぼ説明が可能です。

第1次火星沖海戦の補足

ただこの説だと、第一次火星沖海戦がなぜ敗北認定なのかという疑問が生じます。
というのも、「FGT2199」様と「我が家の地球防衛艦隊」様の解釈によれば、この戦いで地球艦隊は大きな犠牲を出しながらも火星に進出したガミラス艦隊の前進を阻み、後退させたという戦果を出したことになります。
犠牲が多くても火星宙域の防衛に成功したのならば(事実上は敗北に近い痛み分けでも)、この「第一次火星沖海戦」も地球軍の勝利として宣伝されるのではないか。
しかし実際に地球軍の勝利とされているのはこの5年後に起こる「第二次火星沖海戦」のみです。
何故、「第一次火星沖海戦」は敗北とみなされているのか。

ここからは私の解釈なのですが、第一次火星沖海戦の原因となった「カ号作戦」が「防衛戦」ではなく「反抗作戦」として公表されていたのが原因なのではないかと考えます。
「反抗作戦」とは文字通り攻勢を目的としたものであり、この作戦目標は「火星宙域の確保」ではなく、進出してきたガミラス艦隊を撃滅し、冥王星までの勢力圏を回復することとされていたものと思われます。
この場合、第一次火星沖海戦の結果は「ガミラス艦隊を撃退した」という勝利ではなく、「多大な犠牲を出して攻勢に失敗した」という敗北とみなされ、敗北の一つにカウントされることになったのではいかと思われます。
ちなみにガミラス艦隊は、火星宙域の確保にはそれほどこだわってはおらず、むしろ遊星爆弾攻撃の邪魔になりそうな宇宙艦隊戦力の撃滅を主眼に置いており、その目的を達したことにより撤収、遊星爆弾攻撃に切り替えたものと考えられます。

第2次火星沖海戦の補足

第一次火星沖海戦が前述のような内容であった場合、第二火星沖海戦はなぜ起きたのでしょうか?
「FGT2199」様と「我が家の地球防衛艦隊」様の考えでは、ユリーシャと接触したことで、1年後にサーシャが来ることを知り、その合流ポイントとして火星の奪還を目指したと考察されていましたが、この点に関しては私は意見を異にします。
むしろ第二次火星沖海戦はユリーシャが原因だったのではないかと思われます。
この点について簡単に説明すると、ユリーシャの乗るシェヘラザードが冥王星基地の警戒網に引っ掛かり、その正体を確認するために火星宙域に派遣されたガミラス艦隊と火星を最終防衛線として死守していた沖田提督の地球残存艦隊が衝突、第二次火星沖海戦が起きたのではないでしょうか。
その結果は多大な犠牲をだしながらもガミラス艦隊が少数であったということもあってその撃破に成功、そしてこの「第二次火星沖海戦」が地球軍唯一の勝利として記録されることになったのではないかと思われます。
ただし戦いには勝利した地球艦隊も犠牲があまりにも多かったことから火星の死守を断念、ユリーシャを伴って地球へと撤収することになったのではないでしょうか。

ちなみに、この戦いが地球・ガミラスに与えた影響は非常に大きく、
ガミラスサイドはイスカンダルがガミラスに接触したことに気が付くことができず、一方、地球サイドもこの戦いの結果、火星を放棄してしまったことで、次の使者であるサーシャと接触するために残存艦隊を囮とする「メ号作戦」を立案・実行する必要性が生まれてしまったものと推測します。

以上は「FGT2199」様と「我が家の地球防衛艦隊」様の考察を前提とした私の勝手な推測ですが、このような流れであるならば「第二次火星沖海戦2198年説」は納得ですね。
1月に公開される2202総集編でもここまでしっかり練りこまれていれば安心なのですが、さてさてどうでしょうか?
私自身は期待7割、不安3割というところです。

コメント

  1. レイ より:

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    2193年頃カ号作戦(第一次火星沖海戦)発動。カ2号作戦(第二次火星沖海戦)が開始され、ガミラス艦隊による地球への直接攻撃を食い止める。以降、ガミラス側は地球への攻撃を遊星爆弾によるロングレンジ爆撃に一本化する。古代の両親と叔父夫婦が遊星爆弾で死亡する。2194年4月1日 – 島が航宙士官候補生学校へ入学
    2198年イスカンダルからの1人目の使者が地球へ訪れる。

    コレは2199版の年表の一部です。
    仕事の合間なのでまた、後程(^-^;

  2. レイ より:

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    続きです。

    宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集[EARTH]』(マッグガーデン、2013年)p. 192によると、古代進が14歳の時に死亡したとされてます。
    従って、2198年に第二次火星沖海戦はあり得ないんです。

  3. 新庄直樹 より:

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    2198年説での大きな改変は
    ・実は第二次火星沖海戦の前から遊星爆弾が降っていた
    ということでしょうね。そうしないと古代の家族が亡くなった時期と合いませんから。
    しかし2199を観た人からすれば、これは「第二次火星沖海戦とは一体何だったのか、何を得たのか」となりかねない大きな変更です。

    山本玲の写真
    ・女子の身長は13歳と19歳で3cm程度の違いしかない
    ・軍服ではなく制服の可能性(士官学校・訓練学校の詳しい設定は分かりませんが、岬百合亜は17歳でヤマトに乗艦しているので、13歳前後の入学も考えられる?)
    ・山本玲はマーズノイドであるため年齢と見た目には解釈の余地がある

    古代守の年齢
    ・2193年当時22歳であり、古代進が20歳で戦術長を拝命していることを考えれば普通

    徳川さんの「もう1年ですか」
    ・いくらでも解釈可能

    以上の理由から2193年説で特に問題ないかなと思ってます。

    個人的に一番重大な問題は、2193年説にある不自然さが、これまでに明記されてきた歴史を変更するほど重大なものかということです。2198年説によってむしろ新たな不自然さが発生しており、これが本当に必要な変更とは思えません。
    これまでに2199が作ってきた土台を軽く考えているのではないか、2199に対するリスペクトが無いのではないかと感じます。

  4. 新庄直樹 より:

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    追記:遊星爆弾は2193年時点で降ってましたね。勘違いしてました。

  5. オールドファン より:

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     やっぱりこのお二方は見事な見識をされておられますね、説得力は十分だと思います、まあそれにスタッフに皆川さんも加わっておられるので大丈夫だとは思うのですが、公式ホームページのイントロダクションにしっかり誤植が有るので不安になるのは事実なのですよ、早く直してくれることを期待。

     ちょっとだけ、古代進が戦術長に就任したのは飽くまでも特例、本来乗るべき人々がガミラスの攻撃で戦死され、抜錨が至近に迫り他に適任者が見つからなかった事による緊急措置だったはず。
     古代守が砲雷長に就任した時はまだ多少余裕があったと思われるので、やはり経験や年齢から見て第二次火星沖会戦は2198年あたりが妥当な気がします。

  6. かし より:

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    皆さん。素晴らしいですね。

    2191年。
    国連宇宙軍先遣艦ムラサメが中央司令部の命令を受け、ガミラス艦隊に攻撃。しかしその結果、地球は艦隊の8割を喪失するという大敗北となり、地球・ガミラス間に戦争が勃発。
    この事を踏まえると、古代守も特例?で昇級したのでは?

  7. 山城2199 より:

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    レイ様、コメントをありがとうございます!
    2199の漫画に年表があったんですね
    今回このコメントを読むまですっかり忘れていました(苦笑)
    ただコミカライズ版は本編とは「似て非なるもの」と作者であるむらかわみちお先生が最初から明言しておられるので、コミカライズの設定がアニメ本編と共通するものであるかは難しいところですね。
    ただむらかわ先生の漫画での解釈は現時点で一番無理がないものと思っています。
    総集編もこのように納得できるものであってほしいと心から願います。

  8. 山城2199 より:

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    新庄直樹様、コメントをありがとうございます
    山本玲の写真と古代守の年齢以外を考えるならば2193年説の方が納得できるのですが、他の方も指摘されているように玲が10代前半というのは流石にあり得ないと思うのですよね
    「マーズノイドであるため年齢と見た目には解釈の余地がある」という点ですが、赤い瞳と黒っぽい肌以外はマーズロイドの特徴として語られていませんので、「発育が早い」というのはちょっとないのではないかと思います(ただ、玲個人が発育が早く大人びていたといううのはあるかもしれませんが)
    あと2202の問題点としては2199で作られた設定と食い違う部分が多すぎるというのは確かにあります。
    小説版を担当している皆川ゆか先生がその辺の矛盾点をだいぶ潰していますが、今回の総集編で2199との矛盾をどの程度潰せるかが一番の注目点だと思います。

  9. 山城2199 より:

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    オールドファン様、コメントをありがとうございます!
    「アリゾナの最期」など数々の二次創作の名作を作り出しているお二方だけありますよね。
    製作スタッフとしてこのお二方を招いたほうが良い作品になるのではないかと正直思っています。
    なお個人的にはガミラス艦隊が火星宙域に進出するまで何度か防衛戦が行われており、地球艦隊はかなり損失を受けていたと考えています。
    火星での反抗作戦はWWⅡのドイツ軍の最後の攻勢「バルジ戦」のように残存兵力をかき集めて行われた攻勢だったのではないか。
    となるとかなり人材が不足しており、経験の浅い古代が砲雷長に抜擢というのもあるのではないでしょうか。
    まあこれは2193年説を採用した場合の話になりますが。

  10. 山城2199 より:

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    かし様、コメントをありがとうございます!
    艦隊戦力の8割がどの程度だったがこの場合問題になりますね
    地球艦隊全兵力の8割なのか、あくまで冥王星防衛に派遣された艦隊の8割なのか
    個人的には後者であり、その後火星宙域に至るまでの防衛戦で地球艦隊は戦力をすり減らしていったのではないかと思っています

  11. レイ より:

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    コミカライズの年表の引用ではありません!
    Wikipediaからの引用ですが、続きにも書きましたが、古代の両親が遊星爆弾で亡くなったのは古代が14才の時です。
    従って遊星爆弾によるロングレンジ攻撃一本化されたのは2198年以前です。第二次火星沖海戦が行われた後に一本化されているので。
    因み公式設定資料アースに古代の両親の事も書いてあります。

  12. 新庄直樹 より:

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    2199の17話を観ると、2193年に第二次火星沖海戦があり、その結果により遊星爆弾が降り始めたと考えるのが自然です(というか私はそう考えていました)。

    2198年説の「実は第二次火星沖海戦の前から遊星爆弾が降っていた」というのは真田の「異星人は戦術を切り替えたみたいだね」というセリフと、矛盾とまで行かないまでも上手く合わない気がします。戦術を2193年に切り替えて、さらに2198年に切り替える(遊星爆弾に一本化する)訳ですから。2193年の戦いは何だったのかと。

    繰り返しになってしまうんですけど、不自然さの度合いが「明記されていたことを変更する」ほど重大なのか疑問です。それを納得できるほどの理由付けがなされるのでしょうか・・・。

    >山城2199様
    「マーズノイドであるため年齢と見た目には解釈の余地がある」と私は書きましたが、これは旧作のイスカンダル人のような急激なものを想定しておらず、例えばコーカソイド系の成長を想定しています。ヤマトの世界では人種について明らかにされていませんが、山本の見た目は人種や個体差の範囲内だと思います。
    写真の山本玲の見た目が大人びているということに異論はありませんが、もしそれが理由で年表を変えるなんてことがあれば正気とは思えません(笑)

  13. 山城2199 より:

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    レイ様、返信ありがとうございます
    >コミカライズの年表の引用ではありません!
    それは失礼いたしました(平謝り)
    公式設定資料は私も持っているのですが汚さないようにしまってあるのでいろいろ内容を忘れていますね(汗)
    久しぶりに引っ張り出して中身を再確認したほうがよさそうですね。

  14. 山城2199 より:

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    新庄直樹様、返信をありがとうございます。
    そうなんですよね、山本関連を除けば2193年のほうが劇中の描写と一致することが多いのは事実なんです。
    また、そもそも根本的な疑問として圧倒的な戦力であるガミラス艦隊の攻勢を2198年まで地球艦隊が持ちこたえることができるのかというのがありますし。
    やはり2193年にはガミラス軍の直接的な攻勢が終わったと考えるのが普通なんですよね。
    この点について納得できる説明ができるのなら2198年説でも問題はないとは思うのですが・・・
    コーカソイド系は確かに年齢のわりに発育が早いことが多いので、マーズノイドモそうである可能性はありますね。
    ただ個人的にはレイの外観については、山本兄の死亡理由がむらかわ先生のコミカライズのように「第二次火星沖海戦ではない」とすれば済む話なんですよね。
    遊星爆弾の時期とは違いアニメ本編内で山本兄の死因は語られていないので、この点に関する変更はギリ可能ではないかと思っています。