【1章本予告分析その②補足】内惑星戦争とシャルバート

皆様今晩は!

今回は先日アップした【1章本予告分析その②】デザリアムの正体は旧火星勢力か?の補足として、そもそも内惑星戦争自体にシャルバート教(仮)が絡んでいるのではないかという説を提唱してみたいと思います。

ちなみに私は「デザリアム」は「ガミラス」や「ボラー連邦」のような国家や人種を示す名前ではなく、組織の名前ではないかと考えています。
もっと具体的に言えば、銀河系中心部にシャルバート教(仮)を信奉する「ウラリア」という星間国家があり、「デザリアム」は「ウラリア」の下で「シャルバート教」(仮)を信奉する様々な星々の信者が集まって組織された軍事組織ではないかということです。
例えるならば、昔のキリスト教の「十字軍」、現代で言えばイスラム教の「ハマス」に近い組織ではないかということです。
また、このような背景で誕生した組織であることから、同じ「デザリアム」を名乗っていても、内部には出身母体の異なる様々な派閥がある可能性があります。
2205で登場したデザリアムと3199で登場するデザリアムが軍服や考え方がなどが異なっているのもそれが原因なのかもしれませんね。

閑話休題

さて、現在公開中のPVの内容から判断する限り、3199において地球サイドにデザリアムの協力者、それも地球の政治や軍部のかなりの上層部レベルでの協力者がいることはほぼ間違いないと思われます。
前回の考察では、デザリアムに内通したのは政府や軍部にいる火星出身者達であり、彼らがデザリアムに協力したは地球に侵攻してくるデザリアムが「火星政府の残党の末裔」を自称していることから同胞意識を持ち、内惑星戦争以来の恨みを爆発させる形で協力するのではないかと結論付けました。

しかし、その後、この説を前提にしてさらに思考を押し進めた結果、そもそも内惑星戦争自体にデザリアム、正確にはウラリアが絡んでいるのではないかと考えるようになりました。

なぜ、内惑星戦争が起きたのか?

「ヤマトという時代」では、内惑星戦争の原因は、火星の自治を巡る地球と火星の対立が原因であると説明されています。
宇宙に出た人類が自治権を求めて独立戦争を求めたという構図は、「機動戦士ガンダム」における一年戦争の発生とよく似ていますので、これまではそこまでおかしいとは思いませんでしたが、よくよく考えると、このリメイクヤマト世界において「自治権の要求問題」がここまで全面戦争にまで発展するのは少々おかしいです。

というのも、ガンダム世界の地球は既に「地球連邦」という統一政体が確立しており、そこからの独立要求はいわば地球連邦による統一政体を否定する行為であるので当時の連邦政府からすれば到底認められるものではありません(実際、サイド3の独立を認めてしまうと、その独立の動きが他のコロニーや地球の構成国に広がる可能性がある)。
そのため、地球から独立したいジオン公国(サイド3)と独立を阻止したい地球の間には、そもそも妥協点が存在しないので、全面戦争が勃発してしまったのは当然の流れです。

一方で、「リメイクヤマト世界」においてはまだ国連が存続していることから、地球連邦が統一しているガンダム世界とは異なりまだ「主権国家」が存続しており、当然、それらの国家間においては「火星の独立問題」に対してかなりの温度差があったはずです。
例えば、火星政府と親しい国家もあったでしょうし、あるいは、そこまでいかなくとも地球と火星の全面戦争は避けたい国家もあったはずであり、火星政府もそれらの国々を仲介にして交渉で自治権を目指すという路線も取れたと思います。

実際、地球では2145年に「第二次世界大戦終結二百年祭」が開催され、第二次世界大戦以降、人類間の全面戦争は起きていないことを誇りにしていたことを考えると、火星との全面戦争は避けたいという風潮は当時の地球に強かったでしょうし、また、火星政府も自国の艦隊戦力の優位性は確信していても地球との国力の差は埋めようがなかったことから、なるべくなら戦争は回避したいというのが本音だったはずです(勝てたとして火星サイドの受けるダメージも大きかったでしょう)。
つまり、火星サイドの要求が純粋に「自治権の要求」だけならば、地球との話し合いの過程でどこか落としどころを見つけて内惑星戦争の勃発は回避できた可能性は高かったと思われます。

しかし実際は、 2164年に内惑星戦争がはじまり、地球は一致団結して火星と戦うことになりました。
これは何故でしょうか。

結論から言えば、この内惑星戦争の原因は表面的には「自治権を巡る対立」とされていますが、実際はもっと別の、地球の全ての国が火星との開戦を決断しなければならない事情が存在したからではないかと思われます。
その理由とは、ズバリ、火星政府がシャルバート教(仮)に洗脳されたからではないでしょうか?

火星にシャルバート教(仮)が流行した経緯

ポイントとなるのは、火星で発見されたとされるボラー艦です。

この画像で見る限り、この艦は遺跡と見間違うほど古いものに見えますが、この艦の正体が最近更新された3199のメカニック情報で、ボイラー連邦が現在も主力艦として使用している「クロトガ型標準戦艦」であることが判明しました。

現在も主力として使用されている艦が遺跡になるレベルで古い訳がなく、上の画像は単にこの艦を記録した記録の画質が荒い事と、戦闘でボロボロになった艦が漂着したという経緯から、実際以上に古く見えているだけであると思われます。
つまり、火星に漂着時、この艦のクルーは生存していた可能性は十分にあります。
そしてそのクルーがシャルバート教の伝道師、あるいは信者だったとしたらどうでしょうか?

事実、このボラー艦がここまでボロボロになっているのは、明らかに戦闘をした結果であると思われますが、この時期、ガミラスやガトランティスはまだ天の川銀河進出を果たしていないことを考えると、このボラー艦は一体誰と戦ったのでしょうか?

考えられることは1つ、この艦が交戦したのは同じボラー所属の艦であり、その理由が、シャルバート教徒達がこの艦を乗っ取ってボラー連邦の勢力圏から脱出を図った結果、追撃を受けてしまったと考えるのがしっくりきます。
おそらく、追撃艦隊からの攻撃を受けながらも、天の川銀河の辺境へとワープした結果、偶然、天の川銀河辺境の太陽系にたどり着き、そのまま火星に漂着したのではいでしょうか。

火星政府はこの漂着したボラー艦の生存者たちを発見、異星文明のテクノロジーや知識を独占する目的もあって秘かに保護、彼らの協力を得たことで、火星艦の技術向上に繋がったのではないかと思われます(ただし当時の太陽系の技術レベルはまだ低く、彼らの言葉や知識を十分に理解できなかったこともあってそこまで爆発的な向上には至らなかった)。

その一方、機密保持の観点から火星政府の上層部や火星軍上層部のみが彼らと接触していたことが思わぬ悲劇につながったとも割れます。
つまり、彼らと接触しているうちに火星政府や火星軍上層部がシャルバート教に洗脳されていってしまい、逆に彼らの傀儡になっていったのではないか。
そしてその感染は上から下へと流れるように広がっていき、いつの間にか火星そのものがシャルバート教の狂信者だらけの星になっていったのではないでしょうか。

もし火星が気が付かないうちにこのような状況になっていたとしたら地球も大慌てでしょう。
地球からしてみれば、突然、火星全体が訳の分からないカルト宗教に支配されていたようなもんですし、現実でも常人とカルト信者は会話ができないのと同様、この時の火星は全く会話ができない状況になっていたと思われます。
しかも火星が要求してきた「自治権要求」も「地球の一国家としての独立」ではなく、「シャルバート教国家としての独立」だとしたら、当然、地球サイドとしては許容する事はできず、逆にカルト宗教から地球を守るために一致団結して戦うことになると思います。
その結果発生したのが2度にわたる内惑星戦争だったのではないでしょうか。

ただし、地球もまさか「火星がカルト宗教に洗脳された」などとは口が裂けても口外する事ができず、シャルバート教のくだりは徹底的に情報統制し、内惑星戦争の原因はあくまで「自治権を巡る対立」として公式記録に残したのだと思われます。

地球が火星を放棄した理由

このように考えると、内惑星戦争の随所で確認できる異常性も納得できます。
まず火星軍は、マスドライバーを使用した地球への無差別爆撃を行っていたとされていますが、そのような暴挙の背景には、シャルバート教を否定する地球はもはや完全に滅ぼさなければならないという思考があったと思われます。
当時の火星軍にとって、同胞とはシャルバート信者のことであり、母星であるはずの地球に対する想いは完全に失われていたのでしょう。

あるいは、ボラー艦に乗っていたシャルバート教の信者たちがこの攻撃を命令したのかもしれません。
彼らの目からすれば美しい地球を自分たちの星にしたいと考えてもおかしくはありません。
マスドライバーによる攻撃で、地球人達をせん滅した上で、移住する気だったのではないか。

そもそも内惑星戦争自体、彼らが地球を手に入れる為に火星政府に命じた結果だった可能性もあります。
彼らがしてみれば、成功すれば御の字、仮に失敗したとしても現地で調達した劣等民族の信者を失うだけです。
むしろ彼らからしてみれば火星人達も適当に減ってくれた方が支配するうえで助かります。
内惑星戦争時、火星艦が地球艦より「若干優秀」レベルにとどまったのはあるいは地球との共倒れを狙ったからかもしれませんね。

結局、内惑星戦争は地球の勝利で終わり、その後、地球は火星を植民星としては放棄し、火星の全住民を地球へと強制移住させました。
この理由は詳しくは語られていませんが、シャルバート絡みだとすれば納得できます。

まず一つの理由としては、火星でのシャルバート信者がどのレベルまで及んでいるか分からず、下手に信者を残すとまた反乱を起こしかねないので全国民を地球に移住させ、目の届くところで監視するしかなかったという点。
もう一つは、洗脳を解くために環境を変えるしかなかったという点です。
特に後者は、カルト信者の洗脳を解くために、居住地も変えさせて宗教絡みのものから遠ざけるという方法はよくとられます。
火星に残すとどうしてもシャルバート教の影響下からは外れることができないので、地球に強制移住させたのではないでしょうか。

マーズノイドが反乱を起こす理由

「内惑星戦争」の背後に異星文明の宗教が絡んでいたからこそ、地球はいずれ異性文明の襲来があることを強く確信し、国連宇宙軍を増強して来るべき日に備えていたのでしょう。
ただしこの段階では襲来するのは火星政府の背後にいた連中であると予想しており、それゆえ、マーズノイドへの監視の目も厳しかったのでしょう。
しかし、実際、太陽系に襲来したのはシャルバートと関係のない「ガミラス」であり、この戦いで地球が滅亡しかかったこともあって、いつのまにか、シャルバート教やマーズノイドに対する警戒は薄れてゆき、マーズノイドたちもシャルバート教に対する信心が無くなっているようにみえることから、シャルバート教の件は「過去のもの」として地球では完全に忘れ去られた記録になったのでしょう。

しかし、一部のマーズノイドたちはシャルバート教に対する信仰を捨ててはおらず、ひそかに信者を増やしながら政府や軍の中枢に入り込み、シャルバートのために立ち上がるその日を待っていたのではないでしょうか。

Youtubeで素晴らしい考察動画を邪維新していらっしゃるれみるちょり様は以下の動画で、「内惑星戦争後、火星政府軍の残党が銀河中心部に脱出し、デザリアムになった」という考察をなされておりますが、私も「内惑星戦争後、火星政府軍の残党が銀河中心部に脱出した」という点は同感です。

【参考動画】
【火星が”ヤマト”の全ての始まり!?】火星艦について徹底解説&考察!デザリアムの正体も、もしかして・・・?【宇宙戦艦ヤマト】【REBEL3199】

おそらく、火星政府の首脳や軍上層部は、内惑星戦争の敗北が確定した時点で、ボラー艦のシャルバート信者たちと共に銀河系中心部にあるとされるシャルバート教の聖地「ウラリア」に向かい、かの地で再起を図るといって脱出したのではないか。

彼らが無事「ウラリア」にたどり着けたかは分かりません。

しかし残留組はその言葉を信じて、決起の準備を進めながら彼らの帰還を待ち続けたのではないでしょうか。
そして内惑星戦争の敗北から24年後の2207年、シャルバート教の先兵であるデザリアムの地球侵攻という事態に直面し、「その時が来た」として遂に行動を起こしたのではないか。
地球人なのに異星人になぜ協力するのかという答えも、同じシャルバートを信じる同胞だからと考えれば、そこまでおかしなことではないと思います。

コメント

  1. 俺だよオレ より:

    確かに、既に倒してしまった敵「ガミラス」に対抗するために時間断層を駆使した波動砲艦隊建設を推し進めると言うのは無理がありますね、確実に存在する他の勢力に対する備えとしての建艦計画としてならば、なぜあれほど躍起になって艦を作り続けたかに説明がつきますもんね。
    当然、新たに安全保障上のパートナーとなったガミラスからの情報で、アンドロメダ星雲方面から緑色の肌をした非友好的な勢力が食指を伸ばしてきていることは掴んではいたんでしょうけど、それでもガトランティス側が「どう少なめに見積もっても、当初の予測の10倍の戦力は保持している模様」なんて、戦略情報を修正しなければならない状況は異常過ぎます。
    あるいは2202年の段階で2正面ないし他正面の戦いを強いられる可能性についての危惧が存在していたのかもしれませんね。

  2. ABARTH より:

    揚羽コンツェルンの息のかかった火星出身者の艦長が指揮を執るラボラトリーアクエリアスが銀河中央方面に旅立って、見事ゴルバ型に拿捕されて、そこから情報を得て乗組員を工作員に仕立ててスパイを送り込んだことにしたら話の辻褄が合うのでは。そうすれば2代目ヤマトを名乗ることはもうなくなる。

  3. ABARTH より:

    バンダイから、ヤマト第三次改装型記念式典塗装の発売が11月にきまりましたね。そこから読み解くと、第2章の上映時期のタイミングがこの模型の発売前後でかなり意味合いが変わってくるのではと思うのです。つまりはこの模型の説明書にどの程度のネタバレ内容が記載されるかです。公開前ならばかなりのネタバレとなり、公開後の発売ならば、イカルスから発信したヤマトの無双ぶりを模型で更に認識することになるでしょう。その上で第三章以降の行く末にも言及してくるだろうという予想もあり、試写会1ヶ月後の発売と考えたら公開日初日に発売という線もありえますかね。