皆様今晩は!
本当に暑い日が続きますね。
私もやや夏バテ気味で、なかなか本調子が出せない日々が続いております。
皆様も夏バテや熱中症などにならぬようどうかご自愛ください。
さて今回は、以前から書こう書こうと思っていた土方さんの11番惑星赴任について、自分なりの見解をまとめてみたいと思います。
2202において、波動砲反対派の旗頭となった土方さんは、政争に負けて辺境の第十一番惑星を拠点とする外洋防衛師団の司令官の立場へ左遷されています。
2199時代は空間防衛総隊司令長官として月軌道以内の地球本土防衛を統括していたことを考えると、11番惑星基地司令は一見すると完全な降格人事です。
しかしこれは本当に単純な左遷だったのでしょうか?
2202における11番惑星は後で詳しく述べるように政治的・軍事的に重要な拠点である可能性が高く、とても左遷先に選ばれるような場所ではありません。
そもそも、土方さんが本当に邪魔な存在であるならば、退役に追い込んでしまう方がずっと簡単であり、その動向も監視しやすく反撃を受ける不安もありません。
あくまで勝手な予想ではありますが、恐らく土方さんの11番惑星赴任自体は既に内定しており、「退役」を求める波動砲推進派との妥協点としてその人事の発動が早まっただけだったのではないでしょうか。
では、土方さんが赴任した11番惑星はどれほどの価値があったのでしょうか?
11番惑星の政治的価値
まず11番惑星の最も重要な点は、地球人とガミラス人が共存しているという点です。
小説版によればこの11番惑星にいるガミラス人たちはデスラー体制の崩壊によってガミラス本国にいられなくなった人々が新天地として移住してきたとあります。
ガミラス人たちがガミラス本星以外では長く生きられないという設定を踏まえるならば、これは永住ではなく、デスラー政権における高官の家族やその縁者が、デスラー政権に恨みを持つ者たちから報復を受けないよう本土の混乱が落ち着くまで一時的に11番惑星に避難させたという事であると思いますが、いずれにせよ、彼らを保護しなければならない地球の責任は非常に重要です。
何故なら、もし理由なく彼らを害するようなことが起きるならばこれは地球とガミラスの外交問題に発展しかねず、場合によっては、ガミラス戦争後の地球の生命線である「地球・ガミラス安全保障条約」の破棄にも繋がりかねません。
このように考えると、11番惑星に派遣される地球の責任者には、理知的にガミラス人たちに接することができ、しかも、ガミラスに恨みを持つ地球人達を抑え込むことができるだけの力量が求められます。
ガミラス戦闘において多くの優秀な人材を失った地球においてこのような条件を満たす人材は非常に限られており、特に、ガミラス人に対する恨みを忘れる事ができる人材は極めて希少でしょう。
人事上の失敗は絶対に許されない地球政府にとって、沖田艦長の盟友であり、他のヤマトの幹部クルーと親しいことからガミラス人達について知る機会の多かった土方さん以外に11番惑星のガミラス人を託すことができる人材はいなかったというのが実情だったのではないでしょうか?
11番惑星の軍事的価値
また11番惑星に設置予定の外洋防衛師団は、近い将来、地球本土防衛艦隊よりも重要なポジションになる可能性が非常に高かった可能性があります。
そもそも白色彗星による太陽系侵攻はかなり想定外の出来事であり、少なくとも2202序盤における対ガトランティスの主戦場は、ガミラスの勢力圏内であると考えられていたはずです。
地球艦隊は基本的にガミラスの援軍として対ガトランティス戦に参加すると想定しており、そのため、地球軍は11番惑星を地球・ガミラス連合艦隊の司令部兼後方基地として整備していたのではないでしょうか?
事実、開拓がはじまったばかりにもかかわらず11番惑星の軍事基地は非常に充実しています。
既にガミラスが整備していたという側面もあるでしょうが、司令部の基地などは完全に地球の建築物であり、ガミラスから11番惑星を譲渡された後に建造されたものと考えるほうが妥当です。
2202第1話における8番浮遊大陸奪還作戦は地球の司令部から地球艦隊に直接指揮を出していましたが、恐らく11番惑星基地の整備が完了した場合は、この11番惑星におかれた外洋防衛師団司令部がその役割を担うことになったのではないでしょうか。
このように考えた場合、外洋防衛師団司令官は地球派遣艦隊総司令官というべきポジションであり、空間防衛総隊司令長官であった土方さんの赴任先としてそこまでおかしなものではないということになります。
なお、現在駐留している兵士の規模から「外洋防衛師団」と名付けられていますが、基地が完成し駐留する艦隊もしっかり用意された暁には「外洋防衛総隊」あたりに名前が変わる予定だったのかもしれません。
11番惑星の赴任は左遷ではなかった
以上の政治的・軍事的な理由により仮に波動砲艦隊に反対しなくても土方さんの11番惑星赴任は既定路線だったものと考えられます。
更に考えるならば、藤堂長官あたりは、土方さんにガミラス艦隊との共同作戦の実績を積ませ、その功績で自身の後継者に土方さんを推薦するという流れを考えていたのかもしれません。
ガミラス戦争後の地球において、ガミラスとのコネが人事的に非常に重視されているのは古代君を見ても明らかです。
ぶっちゃけるなら、波動砲艦隊反対派の真の首謀者は土方さんではなく、元ヤマト戦術長であった古代君であることは明らかであり、報復人事が行われたとするならば古代君が真っ先に閑職に追いやられていても不思議はありません。
しかし、実際は戦艦「ゆうなぎ」の艦長と、他のヤマトクルーと比べてもかなり優遇されたポジションに就いています。
これは古代君がガミラスやイスカンダルの人々と知り合いが多く、人事的に冷遇するのはマズいという判断が動いた可能性が高いです。
このように考えるならば、今後、ガミラスとのコネクションを作りやすい「外洋防衛師団」の責任者は人事的にかなり有利に働くポジションであると言えます。
2202年にガトランティスの太陽系侵攻が無ければ、あるいは藤堂長官の後任として土方さんの地球連邦防衛軍・統括司令長官就任というのが実現したのかもしれませんね。
コメント
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山城様のブログはヤマトの出来事を様々な角度で考察していて素人の自分も「その解釈があったか」といつも嘆しております。11番惑星はガミラスにとって重要なのは確かだと思います。ガミラスは惑星の環境改造技術に関して他の文明よりも秀でていますし(人工太陽を引っ張って来てるので尚更)、地球へのテラフォーミングが失敗した時の保険の意味を考えてみるとそれなりに重要拠点だったはず。ちなみに、小説版の説明で人工太陽の炉心が不安定と説明されていましたが、もしかすると惑星間弾道弾は炉心の不安定の要素を生かした兵器なのかもしれませんね。
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こんにちは
政治的価値は読んで「なるほど~」と思いました。入植ガミラス人と地球人の共存トライアルのお目付けですね。
ただ軍事的価値についてはあまり大きな意味はなさそうと解釈しています。ヤマトの世界では比較的惑星伝いで外的勢力が来ますが、太陽系の最外郭の星であれば最前線になるかもしれませんが最後方になるかもしれません。まったく無駄になるかもしれない場所に軍事的な意味で重要視はしないかなぁ。
実際、艦隊配備もなく一方的に攻め込まれる描写をみると、この星の軍事力は(斉藤は否定するでしょうが)内乱鎮圧用の空間騎兵の配備と感じました。
政治的価値は認めるが大統領側の人事ではなく地球防衛軍人事ということから、理由はともあれ(単に虎鉄っちゃんが嫌ってとか)やっぱり左遷かな。と思っています。
ところで、旧作当時は見つかっていなかった準惑星セドナがこの11番惑星として2202にて出てくると思っていましたが、やっぱり「11番惑星」なんですね。
土星が(ほぼ)無くなってしまったのですが、10番惑星に繰り上げとかあるんでしょうか?(笑)
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玉城様、コメントをありがとうございます。
また返信が遅くなってしまい大変失礼いたしました。
11番惑星については本編中で最低限の情報しか明かされていないので想像の幅が広がります。
個人的には地球を入手後、対ボラー戦を想定した基地であった可能性もあるのではいかなと考えています。
2205では11番惑星は登場しそうにありませんが、二次創作では色々と活躍してくれそうですね。
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TORA様、ご意見ありがとうございます。
折角のご指摘ですので、11番惑星の軍事的価値は改めて検証してみたいと思います。
近いうちにアップしようと思っていますので、よろしくお願い致します。
小説版によれば「9番惑星」~「11番惑星」はガミラスが発見した惑星を地球に譲渡した形だそうです。
基本的に2199世界では準惑星は惑星としては扱われないみたいですね。
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こんにちは
ぜひ11番惑星の軍事的価値について検証お願いします。
艦隊配備はたまたま居なかったにしても
①敵(未確認)勢力の接近を察知できていない
②一方的に攻め込まれ反撃する描写がない
③防衛軍司令本部が異常に気付いていない(メーデーはおろか定期交信もない)
という所に現状では軍事的重要性に気づくことができていません。
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第11番惑星が重要拠点として整備されているという考察には成程と思いました。1カットだけですが、横倒しになった2-3隻の磯風型の残骸もありましたし。
ただそうなると、宇宙海軍の部隊呼称として外洋防衛師団という陸式の呼称はどうも素人っぽいと思います。陸戦兵力でもない限り使用しないものですから。海式なら鎮守府か警備府、仮に空間防衛総隊と同格のポストなら鎮守府でしょう。方面艦隊司令長官も兼任している考えられます。これならば司令長官は中将か大将の職位になりますので。
こうなると差し詰め空間騎兵隊は鎮守府陸戦隊に相当、斎藤さんは鎮守府に配備される師団規模の空間騎兵隊の先遣隊の小隊長、三尉の連隊長はさすがに無いと思いますので。磯風型は防備戦隊の所属艦と考えられます。
こればかりはきっちりとした編制の設定が無いのが惜しまれます。
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TORA様、返信が遅れてしまい大変失礼いたしました
また鋭いご指摘をありがとうございます
11番惑星の軍事的価値については今書いているPV検証シリーズが終わったとに改めアップしたいと考えております。
今しばらくお待ちください。
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ヤマシタサトシ様、コメントをありがとうございます
また返信が遅れてしまい大変失礼いたしました
個人的な考えですが、2202の地球軍は国連軍から地球連邦軍への再編の最中であり、とりあえず中央の体裁を整えるのが精一杯だったのではいでしょうか。
そのため、正式な部隊として外洋方面艦隊のような組織はまだ正式には存在しておらずしておらず、外洋部隊の本拠地となる11番惑星には現地の治安維持のために陸軍主体の空間騎兵体が駐留していたため、とりあえずの呼称として外洋防衛師団という呼称が付けられていたのではないかと考えています。
もし2202年にガトランティスの侵攻が無ければ、いずれ再編が行われ、11番惑星を鎮守府とする外洋艦隊総司令部が誕生していたかもしれませんね。