何故雪は古代の手をつねったのか?

皆様こんばんは!
今回は完全にネタ記事です。
軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。

宇宙戦艦ヤマト2199劇場版‐星めぐる方舟-」において、古代と雪の有名な写真が写されるエピソードが明らかになりました。
20220102_img001.jpgこの時、雪は肩に手を回そうとした古代の手をつねるという彼女にしては珍しく茶目っ気を出しています。
雪はこの行為について「いいじゃないの。思い出作りよ」と言っています。
勿論、その言葉に嘘はないと思いますが、オリジナルシリーズの雪と比べてリメイクシリーズの雪はより真面目な性格であり、折角の恋人との記念撮影でこのような茶目っ気を出すのはあまり彼女らしくありません。
メタ的に言えば、この写真は旧シリーズでのオマージュよいうだけの話なのですが、「方舟」を見返しているうちに、実はこの時は雪は古代に対して怒っており、その意趣返しとしてこのような行為にとったのではないかと思うようになってきました。
では彼女はそもそもどうして怒っていたのか。

これはあくまで私の勝手な推測ですが、この時、古代と雪は後方観測所で待ち合わせの約束をしていたが、古代がその待ち合わせに大幅に遅刻してしまったのではないでしょうか?
このように考える理由は2つ。
1つは、直前に古代が第1艦橋勤務を終えた際に、わざわざ主任レーダー手の岬に声をかけて、次の交代要員が誰であるかを確認していたこと。
もう1つは、休息時間中であるはずの雪が特に何をするでもなく後方観測所にいたことです。

恐らく帰路の航海において古代と雪は、互いの休息時間が重なった時、後方観測室で落ち合い、食事を一緒にするなどして関係を深めていたのではないでしょうか。
ただ船務長である雪は古代のスケジュールをちゃんと把握しているのに対し(勤務表管理は船務科の業務であるので)、古代の方は雪の勤務スケジュールをしっかりと把握はしておらず(この理由の一つは主任レーダー手の交代パターンが頻繁に変わっていたからではないかと思われます。)、そのため、古代は岬に次のレーダー手が誰かをそれとなく尋ねていたのだと思われます。
ところが、この時の古代は、「艦長のお見舞い」や主幹エレベーターで偶然出会った山本と世間話をしているうちに、待ち合わせの時間に大幅に遅刻してしまい、結果として先に後方観測室にきた雪をかなり待たせることになったのでしょう。
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その後、島や山本と共に後方観測室に来た古代が雪を見て、態度がぎこちなくなっていたのは、島と山本に雪との待ち合わせがバレることを心配していたというよりも、雪を待たせてしまったことに気が付いて、彼女が怒っていないか緊張していたからではないかと思われます。
一方、雪は待たされたことや、島や山本を連れてきたことにそこまで怒ってはいないものの、ちょっとした古代に対するバツとして、手をつねり、古代にとっては非常に恥ずかしい写真を「記念」として残したのではないでしょうか。
このように考えると、今回、雪が彼女らしくないいたずら心を出したのにも納得です。

「方舟」の面白さの一つは登場するキャラクターの心情が丁寧に描かれていることです。
今回の古代と雪のように、何故、この時このキャラクターはそのような発言や表情をしているのか、ということをあれこれ考えながら見返すと、またこれまでとは違った発見があるのではないないでしょうか。
公開当時はあまり評価が高くなかった「方舟」ですが、個人的にはヤマト映画の中でも屈指の名作であると思っています。