【第4章ネタバレ注意!】ウラリアの魔女とボラー連邦

皆さま今晩は!
今回は「ウラリアの魔女」に対するボラーの対応について検証してみたいと思います。

第4章において、ウラリアの魔女の活動範囲が増えていることについて、「過去の記録からそのような例はない」として否定するボラー連邦の権威主語や硬直性がラムの口から語られました。
しかし、そうだとすると、第2章で太陽系でウラリアの光を目撃したボローズにすぐさま増援を送って、詳しい調査を行なわせた対応と矛盾します。

思うに、ベムラーゼ首相を中心とするボラー中枢では、「ウラリアの魔女」の勢力圏拡大の事実をちゃんと認識しており、そのことに危機感も抱いている。
しかしそのうえで対外的には「そのような事実はない」と否定しているだけではないでしょうか?

否定はボラー連邦の現実的な対応

実際、ボラー連邦の立場に立てば、このような態度も理解できます。
ボローズが「ウラリアの光」には驚いても、明らかに人工物と思われるグランドリバースや謎の艦隊(デザリアム)に対しては驚いていなかったことから、おそらくボラー上層部は、「ウラリアの魔女」が未知の勢力によって人為的に引き起こされていることは把握しています。
しかし、その正体や打開策をつかめない状態で、その事実を認めてしまう事は、ボラー連邦の土台を揺るがす大問題となります。
そのため、裏でひそかに情報収集や対策に乗り出している一方で、連邦内の混乱を避けるために公的発表としては「ウラリアの魔女」はあくまでも天体現象とし、他の宙域に発生することはないとしているのでしょう。

言ってしまえば、ガミラス帝国が「星の寿命」問題を一部の上層部のみの極秘事項として内々に処理しようとしていたことと同じ対応を、ボラー連邦は「ウラリアの魔女」でしているのではないでしょうか?
そしてラムはあくまでも衛星国の君主でしかないことから、ボラー上層部での最重要機密である「ウラリアの魔女」に関する情報を共有されておらず、そのためボラー連邦の公的発表を額面通り受け取り、第4章での発言になったと思われます。
もしかしたらラムの言葉に対してデスラー総統が言った「ガミラスにもそういう時代があった」とは、「体面を気にした権威主義」に対することではなく、(星間帝国のトップだった経験から)ボラー連邦が何かを隠していることに気づき、情報を秘匿して内々に処理しようとしていることに対して、そんな対応では上手くいくまい、と言いたかったのかもしれませんね。

ガルマン星争奪戦の真実

なお、これは完全に私の推測になりますが、ボラーが価値が低いはずの(デスラー談)ガルマン星の奪回を執拗に試みているのも、もしかしたらこの「ウラリアの魔女」問題が絡んでいる可能性があります
というのも、デザリアム(ウラリアの魔女)の正体にはガルマン星を導いたという聖女シャルバート・イスカンダルが絡んでくると私は思っていますが、おそらくボラー上層部は確信はないにせよ、シャルバートと「ウラリアの魔女」の関係性に気づいており、ガルマン星は資源惑星としては価値が低くとも、「ウラリアの魔女」の調査という点ではかなり重視していたのではないでしょうか?
そのため、本国とは遠い星でありながらも、間接統治ではなく、総督を派遣しての直接統治とし、辺境としては異例なほどの艦隊を駐留させていた可能性があります。

のちにガルマン星を奪取したデスラーたちは、ボラーはこの星の遺跡に興味を抱いていなかったみたいなことを言っていましたが、それは表面的なことで、実は内々にはちゃんと調査しており、シャルバート艦隊の存在も把握していたと思われますし、もしかしたら数隻は本国に送って解析している可能性もあります。
もしかしたら第5章特報に登場した巨大建造物、私はあればボラーの巨大要塞ゼスパーゼだと思っていますが、あれはその解析によって得たシャルバートの科学力を流用して建造した対ウラリア用の切り札なのかもしれませんね。
そして、そんなガルマン星が奪取されたのですから、ボラーが全力で奪回を試みているのも当然と言えます。

ちなみに第4章でのボラーの惑星破壊ミサイルの使用はかなり乱暴なように思えますが、彼らの立場に立てば分からないわけではありません。
そもそもガルマン星はシャルバートの影響が強く残っていた星であり、そんな星を「デザリアムの光」が向かった地球と同盟を結んでいるガミラスが奪取したわけです(おそらく仲たがいした情報はタイムラグで届いていない)
彼らからすればこのガミラスの行動の陰にウラリアの存在を強く感じていても不思議ではありません。
そしてそんな中でガルマン・ガミラスは遺跡で眠っていたシャルバート艦隊の復活も実現させたわけですから、いよいよ「ヤバい!」と疑心暗鬼の果てに、惑星破壊ミサイルのような強硬策に出るのも納得です。

ボラーの地球攻撃の可能性

以上のように、第4章でのラムの説明とは異なり、ボラー連邦(少なくとも上層部)は、「ウラリアの魔女」についてちゃんと状況を理解し、その脅威に対して危機感を覚えていることは間違いないと思います。
そしてそうであるならば、以前アップした記事にも書きましたが、ガルマンとボラーは「対デザリアム(ウラリア)」という点で歩調を合わせることが可能です。
正式な和解や軍事同盟までには至らなくても、「デザリアム」について詳細情報を得たボラーが「ウラリア(デザリアム)問題」が解決するまでガルマン・ガミラスと休戦するのは十分あり得るシナリオです。
思うに次章でラムの口から真相を知ったベムラーゼは、「デザリアム」排除を地球に対する全面攻勢を決断するのではないか。

リメイクではボラーも波動砲を持っているので、波動砲搭載艦同士の戦いという中々熱い展開がみられるかも?
また、地球が波動砲を持つ艦に攻められることは初めてなので、そのような事態を目の当たりにした地球の世論がどうなるかがちょっと楽しみです。

ちなみに、地球にいるデザリアムの一般市民をどうするのか、と思っていましたが、オリジナルシリーズの「ヤマトⅢ」で、ボラーがシャルバート本星で一般人を虐殺していたことを考えると、3199でも地球に対する無差別攻撃でデザリアムの一般市民が虐殺される、というある種の鬱展開が用意されているかも・・・(-_-;)
もしかしたら雪はこの攻撃から翼やフルールたちを守って、「アスカ」で地球から脱出し、ヤマトとの合流を目指すという展開になるかもしれませんね。