皆さま今晩は!
今回は先週金曜日(7月18日)に公開された第4章特報第2弾でメインを張っておりましたボラー連邦のラム氏について焦点を当ててみたいと思います。
■『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章 水色の乙女』特報2<
オリジナルシリーズの「ヤマトⅢ」においては辺境惑星バースの守備艦隊司令官(旗艦ラジェンドラ号艦長兼任)と、ストーリー的には重要だったが、作中の立ち位置はそこまで大物ではなかったラムですが、今回公開された特報におけるデスラー総統のセリフにより、
①ボラーの属国であるバース星の大公
②デスラー総統にもその名を知られた猛将
と、これでもかというレベルで設定が盛られていることが発覚しました。
ヤマトⅢでは上官にあったボローズのリメイクでの扱いに比べてなんという違い。
やはりヤマトⅢでのインパクトの違いがこのリメイクにも露骨に反映された形でしょうか?(とはいえボローズも、可哀そうな人として結構印象に残りましたが)
それはともかく、このデスラー総統の発言には、ラム大公(※注)のバックグランドを考察するうえで非常に重要なキーがいくつも含まれています
(※注)今後、特に断りが無い場合は、
ラム艦長→ヤマトⅢでのラム
ラム大公→3199でのラム
を指すこととします。
大公であることの意味
まず気になるのは「バース星」の大公という意味ですね。
改めて言う必要はないかもしれませんが、「大公」は貴族の爵位の1つであり、通常の爵位での一番上である「公爵」よりもさらにワンランク上の特別な地位で、中世ヨーロッパ史では「王以外の王族」や、「臣籍降下した(王家の)分家の当主」に与えられていました。
また、ルパン三世の映画の中でも特に人気の高い「カリオストロの城」の舞台となった「カリオストロ公国」では、ヒロインであるクラリスの実家である「カリオスロト大公家」が君主となっていたように、時には独立した一国の君主の称号にも使われいました(大抵の場合は本家の王家から大公家が独立したケースのようですが)
この知識を踏まえて考えると、ラム大公は
①王家の一族である
②バース星の君主(恐らく3199でのバース星は「バース公国」か「バース大公国」と名乗っている)
という2つのバックボーンが判明します。
これは完全な私の推測になりますが、ラム大公はおそらく「ボラー連邦」の前身である「帝政ボラー」の皇族であり、バース星は「バース公領」としてラムに与えられていた領地だったと思われます。
しかし、帝星ボラーで起きた革命により、本家であるボラー帝室が消滅、国家体制も「帝政」から「連邦国家」に切り替わった際、自身の領土である「バース星」を中心に自身を君主とする「バース公国(仮)」として独立したのではないでしょうか。
本来ならば、このような国家は旧体制の存続として真っ先に潰されてもおかしくはないのですが、恐らくはラム大公の名声の高さに加え、猛将として勇名をはせるだけの軍事的才能の高さ、さらには彼直属のバース星艦隊の精強さから、流石のベムラーゼも正面から敵対するのは不味いと判断し、ボラー連邦に加盟して衛星国家になることを条件に「バース公国(仮)」の存続を認めたのではないでしょうか?
このように考えると「バース公国(仮)」の平和は非常に不安定であり(チャンスさえあればベムラーゼは速攻で潰しにかかるでしょうし)、政治的にも軍事的にも慎重なカジ取りが絶えず要求されていたと思われます。
第4章特報1での「バースの大地は必ず守る」というラムの言葉は、このような「バース公国(仮)」を取り巻く状況の厳しさを象徴した言葉ではないかと思われます。
ただ一方のベムラーゼからすれば、この「バース公国(仮)」は非常に扱いの困る国家であると思われえます。
猛将であるラム大公と彼の指揮する艦隊は間違いなく「ボラー連邦」の切り札の一つというべき戦力ですが、一方で、いつ「帝政ボラー復活」の旗印を掲げて反逆してくるか分かりません。
諸所の事情からラムと「バース公国(仮)」を潰せない以上、ベムラーゼとしてはラムと「バース公国(仮)」がボラーの領域内でこれ以上影響力を持たないようなるべく飼い殺しにしておきたい存在であったのではないでしょうか。
逆に言えば、そのような戦力を投入しなければならないほど現在のベムラーゼとボラー連邦は現状を危険なものと判断していることになります。
なぜデスラーはラム大公を知っていたのか?
なお、個人的に少し気になった事としては、何故、デスラー総統はラム大公のことを詳しく知っていたのでしょうか?
そもそも、元々、マゼラン銀河を勢力圏にしていたデスラーが天の川銀河に進出してきたのはほんの数年前であり、ボラー連邦と接触を果たしたのは2年前の2205年になってからのことでした。
もちろん、ボラー連邦と開戦するにあたって徹底的な情報収集を行い、それによりラム大公のことを知ったのはごく自然なことですが、デスラーの口ぶりからすると、ラム大公と彼の艦隊が出撃してきたことに相当警戒しており、単に情報収集で知っただけとは思えません。
これも私の勝手な推測になりますが、恐らく以前、デスラー総統(というよりも、ガルマン・ガミラス艦隊)はラム大公率いるバース星艦隊と戦い、相当痛い目にあったのではないでしょうか?
実際、オリジナルシリーズの「ヤマトⅢ」ではガルマン・ガミラス艦隊がバース星に進出し、ラムのバース星守備艦隊と交戦しています。
作中では描かれませんでしたが、3199でもこれに相当する戦いがあったとする設定があっても少しもおかしくはありません。
そして、「ヤマトⅢ」ではこのバース星での戦いはガルマン・ガミラス艦隊の勝利だったのに対し、3199の世界線ではガルマン・ガミラス艦隊の敗北という結果だったのではないでしょうか?(もしこれが正しいとすると、ラムはオリジナルでの借りを見事、リメイク版でリベンジしたことになります)
ボラー連邦との開戦から2年、戦況が膠着しているのは、2年前のガミラス星崩壊のダメージが回復していないのに加え、バース星攻撃の失敗により、ガルマン・ガミラスサイドから攻勢に出ることが出来なくなったからかもしれませんね。
そのように考えると、ラム艦隊の襲来に対して、バーガーやディッツなど、現在のガルマン・ガミラスの切り札というべき戦力を総動員したのも頷ける話です。
ではなぜ、ボラー連邦は自身にとってもジョーカーになりうるラム大公を出撃させてまで、ガルマン・ガミラス本星攻撃を決断することになったのか。
そしてこの命令に対して、ラム大公はどのような作戦で臨み、そして古代たちと出会うことになるのか。
これについては次回の記事で予想してみたいと思います。
コメント
しょうです。
共和革命によって帝政が打倒されたボラーに対して、バースは革命の混乱に乗じ独立を果たしたわけですね。
結果的にはボラー連邦の衛星国になってしまったようですが。
古代の「なぜボラーの言いなりに」という質問に対してラム大公は「ウラリアの魔女」と答えているので、「ウラリアの魔女」は天の川銀河において広く認知されている脅威と考えられますね。
そしてボラー連邦本国には何らかの対抗策がある…のか?
ラム大公とバース星艦隊が戦果を挙げた場合、帝政復古派や各地の独立派も糾合して相当な勢力となる可能性もありますから、ベムラーゼにとってはリスキーですね。
はじめまして。
自立型A.I格闘機搭載・拠点防衛戦闘艦大和と申します。どうぞ宜しく。
何故、デスラーはバース星とラム大公を知っていたのかにきょうみあり、投稿しました。
わたくしが思うに2199年の前に知っていたのではと思います。
天の川銀河へ進出、地球の勢力圏への進行、地球壊滅まであと一年に追い込むまでに九年!?近く掛かっています。確かに火星沖海戦で一時的に進撃が遅くなったとは言え、科学力からして九年もの時間はかかり過ぎます。天の川銀河進出と同時にボラーやボラーの属国前のバースと軽い接触があったのではと。わたくしは(妄想)しています。
この時点では計算高いアベルトの事ですから、この二つの星間国家へ使者を送っているかも知れませし。また小マゼラン銀河にはガトランティスがちょろっと出没、ドメルをこの時点では動かせず。(多方面へ一気に進出して、交代部隊がなく。)
こんな感じでしょうか。