【第4章特報考察】特報で雪がドレスを着ている理由(第3章ネタバレ注意)

皆さま、おはようございます!

10日に公開された「『ヤマトよ永遠に REBEL3199』第三章 群青のアステロイド」は、視聴を終えたファンの間からおおむね好評であり、次章第4章に対する期待の声が上がっているのは非常に嬉しいです。
正直、第2章の公開後は界隈は完全にお通夜モードであり(実際、3199ではなく庵野版ヤマトへの期待に切り替える方も少なくなかった)、それを反映するように今章は(少なくともTジョイ博多では)宣伝や上映回数などが縮小傾向になっていました。
今回の大好評を受けて、ぜひ10月公開予定の第4章では積極的なコラボ展開などの盛り返しを期待したいですね。

さて今回から何回かに分けて先週11日にアップされた『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章 水色の乙女』特報の気になるシーンを取り上げて、第4章の内容について予想してみたいと思います。
その第1回はである今回取り上げるのは、このドレスコードしたアルフォンと雪が並んで歩いているシーンです。

この第4章特報がアップされた直後からこのシーンについては「ついに雪がアルフォンに屈した」「NTRシーン」などと散々言われていましたが(苦笑)、第3章の段階で、

①用意した私服を着る
②アルフォンとの世間話に付き合う
③アルフォン殺害のチャンスを見逃す(もっとも、あの時点でアルフォンを害しても状況の好転になんら寄与しませんが)

と、第2章の時点と比べて雪の態度が軟化しているのは事実ですが、それでもここまで着飾っている一方で、その表情が暗く沈んでいるのは異様です。
一体、第4章で彼女の身に何が起こるのか?

なお、この考察をするにあたって第3章をネタバレすることが大前提になります。
ネタバレが嫌な方はここで回避をお願いします

ヤマトと地球の分断を図るデザリアム

まず大前提として、第4章においてデザリアムは地球とヤマトの完全な分断を図るのではないでしょうか?
というのも、第3章の終盤において、マザー・デザリアムはヤマトがガルマン・ガミラスと接触したことに非常に危機感を感じているようでした。
恐らく、ガルマン・ガミラスと接触したヤマトが仲介役になることで、地球とガルマン・ガミラスの関係が正常化する(完全に元通りにはならないにせよ、武力衝突など最悪の事態は回避できる)可能性があり、それはデザリアムの計画において非常に不都合があるのでしょう。
とはいえ、ヤマトはすでにガルマン・ガミラスの保護下に入ってしまった以上、デザリアムとしてもこれ以上、ヤマトやガルマン・ガミラスに対して直接工作することは難しいでしょう。
そこで次善の策として、デザリアムは第4章で地球とヤマトを完全に分断する工作を行うのではないか。
実際、そのために必要なカードはデザリアムはすでに有しています。

まず1つは、反デザリアム派の主力が旧ヤマト関係者である点。
しかも第3章で直接的なテロ行動まで起こしているので、それを理由に旧ヤマト関係者を地球とデザリアムの融和を阻害する「地球の敵」として徹底的に糾弾できます。
特報で翼君が辛そうな表情を浮かべているシーンがありますが、(今回の件とは無関係であるにせよ)両親がヤマト関係者であることから周囲から疎外される(いじめの対象になる)流れになるのではないか。

そしてもう一つは「時間断層の放棄」の件を改めて持ち出すことです。
国民投票によって決めた「時間断層の放棄」ですが、元々その結果は僅差であり、加えて放棄後、地球に大不況をもたらしていることから、後になってからこの「時間断層の放棄」が正しかったのか、疑問視する声が増えていることは2205で触れられていました。
「時間断層」が残っていれば、2202以降の地球の景気後退も、不愉快なガミラスと同盟する必要すらなかったと考える地球人は少なくないでしょうし、第3章で元々地球人の中にくすぶっていた反ガミラス感情をあおって爆発させたように、「時間断層を放棄したのは間違いだった」という世論を形成することは容易です。
第4章では、そうした世論を形成させ、ヤマトクルーの中心人物である古代を地球人達から徹底的に糾弾させることで地球とヤマトを分断する方向に誘導していくのではないか。

無視できぬ古代進の影響力

実際、古代がヤマトに乗ってデザリアムと戦い続けているという事実は、デザリアム(と地球の親デザリアム派)にとって決して軽視できない問題です。
というのも、2度も地球を救ったことで、古代(と雪)の存在は地球人にとってはまさに「英雄」であり、彼らの言動は(古代たちに自覚はなくとも)地球人に与える影響は決して小さくはありません。
「英雄である古代(と雪)が否定しているからデザリアムは信用できない」と単純に考える地球人も一定数はいるでしょうし、地球に残った旧ヤマトクルーを中心とする反バルチザン勢力にとっての大きな心の支えになっていてもおかしくはありません。
その意味で、古代が乗るヤマトの抵抗は、間違いなく地球とデザリアムの融合を進めるうえでの大きな障害になっています
そのため、デザリアム(と地球の親デザリアム派)としては、古代の影響力を急いで剥奪する必要があります。
そこでそのための方法として、デザリアム(と地球の親デザリアム派)は次の2つの方法をとるのではないか。

まず一つは、上記書いたように「時間断層の放棄」を改めて取り上げて、「地球は時間断層という大きな代償を支払ってまで古代を助けたのに・・・」という理論を使って、古代進という人間を徹底的に否定することです。

元々地球人の中にも、古代に対して「時間断層を失わせたことへの恨み」や「ガミラスに対して友好的な事への反発」、「超美人な婚約者がいる事へのやっかみ」など負の感情を持っている者は少なくないはずです。
ただ「2度も地球を救った」という英雄性がそれらを抑えていただけで、古代を貶める大義名分を与えれば一気に爆発してもおかしくはありません。
その意味で、「地球は時間断層という大きな代償を支払ってまで古代を助けたのに・・・」という理論は古代を貶める大義名分として最適であり(実際、この件に関しては2205で古代自身も非常に重く捉え、彼を縛る鎖になっていた)、「地球とデザリアムの融和を邪魔をする古代は、最悪の恩知らず」というレッテルを張り付けてることで、古代の影響力を一気にマイナスにするのではないでしょうか。

そしてもう一つが、古代のにとって最愛のパートナーであり、彼と並ぶ英雄となっている森雪をデザリアムが保護しているという事実を公開し、彼女とデザリアム(アルフォン)が親密であることをアピールすることではないでしょうか。

実際、この事実が公開された場合、事情を知らない者からすれば、古代が最愛の女性を見捨てて一人で逃げたと判断するでしょう
またそんな彼女をデザリアムが保護しているにもかかわらず、デザリアムに抵抗を続けているという事は、「古代は雪の命なんかどうでも良い」と考えている、と解釈され、地球人の古代に対する心証は最悪になります。
くわえて、そんな雪を紳士的に保護しているデザリアム(アルフォン)の株は一気に上がり、美男美女という組み合わせであることもあって、地球人の中から「地球人とデザリアムの融和の象徴」とみなす人々が出てくるのではないでしょうか。

外堀を埋められている雪

もし私の予想が正しければ、第4章での雪は、自分の知らないうちに外堀が埋められており、アルフォンと一緒になることが当然みたいな状況がいつの間にか完成していることになります。
ところが、この状況を拒否することも雪にとっては非常に難しいです。
というのも、現在の地球においては「デザリアムとの融和」こそが「地球人たち自身が望む未来」であり、それに協力しないということは「時間断層という大きな代償を支払ってまで自分達を助けてくれた地球人の善意」を踏みにじることになります。
さらに、雪自身もアルフォンらとの交流から「デザリアムとの融和が絶対に間違っている」と断言できなくなっています(心ではどこかおかしいと否定していても、相手を納得させることが出来る合理的な理由がない、と言い換えても良い)。
そのような状況においては、デザリアムとの融和を望む地球人達が雪に寄せる「期待」を裏切ることは困難です。

恐らく、特報での件のシーンは、善良な地球人が彼女に寄せる期待にこたえる形で、アルフォンのパートナーとしてパーティ―に参加することになったシーンではないかと思われます。
決して自分自身が望む状況ではない。
しかし、その一方で「時間断層」という代償を考えたら、多くの地球人達が寄せる期待を裏切ることはできない。
そのような重い葛藤が渦巻いている心を反映しているのが、この雪の表情なのだと思われます。

「時間断層を犠牲にしてくれた地球人の善意に応えなければならない」
これは2205で古代を苦しめていた問題です。
ある意味、雪はこの古代を苦しめていた問題に今回初めて正面から向きあうことになるのではないでしょうか。

「最後に・・・」の意味するものとは

特報で、ドレスを着た雪と一緒に歩くアルフォンのシーンと共に「最後に君の一番美しい姿が見たかった」といアルフォンのセリフが流れています。
特報やPVにおいて、流れているシーンとセリフが一致していない(別のシーンのセリフが使われている)ことはよくあるので、このアルフォンのセリフがこのシーンのものかは断定できません(雪に対してアルフォンが何か話しかけているのは間違いありませんが)。
これはあくまで私の予想になりますが、おそらくこのセリフはこのイベントでのセリフではあるが、違うシーンに流れているものではないかと思われます。
その根拠は「最後に」とアルフォンが言っている点です。
言葉通りに受け取るならば、第4章でアルフォンの元から雪が離れる事になりますが、アルフォンの方から雪を手放す理由はないので、雪の決断によってこの状況がもたらされることになります。
恐らくですが、パーティ―会場に到着するギリギリまで雪は悩んでいたものの、最終的には自身にの心に忠実になって、アルフォンの元から逃げ出す選択をとるのではないか。

以下は私の勝手な妄想ですが、おおよそ、このような流れになるのではないか

アルフォン「私と君の関係は地球人の多くが望む事だ・・・時間断層を地球から失わせた君にとってこれは最高の贖罪になるだろう・・・」
雪「・・・(無言)」(足を止める)
アルフォン「いいのかい?その選択肢は地球を裏切ることだよ」
雪「・・・構わないわ。古代君を裏切るくらいなら、私は地獄に落ちても良い・・・」
アルフォン「・・・そうか、ならば行きたまえ。君が求める古代の元へ‥‥今ならば簡単に逃げることが出来るだろう。」
覚悟を決めた表情で雪が無言で走り去る
それを無言で見送で見送った後
アルフォン「・・・最後に君の一番美しい姿が見たかった・・・どうやらその願いはかなったようだな」

第3章でもアルフォンは雪の内面を高く評価していました。
おそらく、このセリフは雪の着飾った姿ではなく、最愛の人間に殉ずることを決めた決意を指してのものではないかと思います。

コメント

  1. 堕天使ペネム より:

    こんにちは。

    デザリアム。
    デザリアムのイスカンダルへの復讐は千年前にはじまった。そして2205年、全ての準備が整ったのだが、それを実行している時、誤算(ノイズ)が生じた。それがガミラスである。
    地球の参戦は予測済みだったが、ほぼ消滅しかけているガミラスの参戦は予想外だった。デザリアムは千年前の屈辱を還すべく、イスカンダル侵攻を進めていた。イスカンダルに救われた地球はイスカンダルの危機となれば必ず、その危機を排除しに来る。そう予想し、作戦を実行した。
    その時点(2205年)の時点で偽りの歴史は考えいた。それはゴルバ内に鹵獲してある地球戦艦である。
    イスカンダルと接触した地球がガミラスを打ち破り、さらにガトランティスまでもを打ち破った。
    イスカンダルへの復讐に地球はかなり邪魔な存在。いくら波動エネルギーを無効化するコーティングを施したとはいえ、次から次へと押し押せるガトランティス艦隊を壊滅させた実力は、侮れない。
    そこで、先ずは地球人を信頼させ、イスカンダルの過去を曝け出そうとし、先発させた斥候隊が鹵獲した地球戦艦(アンドロメダ級)を偽装、千年未来を見せ付け信頼させるため。ゴルバ内にわざと保管した。
    いざ、イスカンダル攻略と思っていたらガミラスの登場。誤算が生じた。
    先発隊は地球・ガミラス連合に敗北、仕切り直しを余儀なくされ、2207年、地球侵攻を開始した。
    これがわたしの仮説です。

    『ダイソン球を参照。』

    記事と違う内容、ごめんなさい。

  2. 匿名 より:

    星名が嫁から面から言われる程、頭に血が上ってますし、南部は言わずもがなでデザリアムからしたら「我々は穏当に付き合うつもりなのに、あちらが先に殴りに来たらしょうがないですよね?」の大義名分を立てやすい現状ではありますしね

    管理人様は地球とガミラスの共倒れを考察されていましたが、今回のパーティでサラッとデザリアムが南米の土地を買い上げたという客の雑談がありましたね
    デザリアム年表の南半球壊滅の布石なのかどうか

  3. ゆーり より:

    こんばんは。説得力があって脳内でシーンが出来上がってました。世界で一番高く付いたカップルですし、現実は辛いですね。3章内で言及された「次の一手」というのがやはり地球を完全に支配下に入れる重要なものなんでしょうね。
    地球人も全員デザリアムを受け入れたとはいえないと思います。パルチザンもですが、第11護衛隊のクルーの家族やガミラス人と一緒に働く同僚や友人の地球人もいると思います。ヤマトが戦っていることを希望に持ってそれぞれの抵抗の意思を示せていけたらなぁと思ったりしました。
    今までの記事や他の方のコメントを読んでいろいろ考えさせられます。

  4. ABARTH より:

    原作「永遠に」と3199の一番の違いは雪が古代の生存を確認できているいるか否かで、古代はあくまでも憶測で死んではいないだろうと思い込むようにしている点。だから、雪の覚悟はアルフォンから古代の命を守るにはどうアルフォンに立ち向かおうかという1点のような気がする。だが、第3章では始末できるチャンスを逃していました。確かにイジドールの反撃を恐れたわけですが、躊躇ったのはそれだけではないはずです。きっとアルフォンの寝返りを期待してるからではないでしょうか。地球全面降伏かというときに状況を一変させる出来事がガルマンの惑星プロトンミサイルの誤射。対ゴルパやグランドリバース用に放った一発が太陽を直撃してしまい、デザリアムは地球からの撤退を余儀なくされる。 こんな流れでしょうか?

  5. ABARTH より:

    このコメントは管理者だけが見ることができます

  6. 雪風 より:

    惑星破壊ミサイルらしき物体はデスラーが地球へ向けて放ったものだと思う。それは良い意味で古代に覚醒してほしいから。ヤマトは何のために造られたのか?を思い出させるために。
    地球へ向けられて放たれた惑星破壊ミサイル。これを阻止できる唯一の兵器は波動砲クラスの兵器。
    地球を救うが同時に、駐留するデザリアム軍も救う事になる。
    デスラーは古代に波動砲の引き金を引かせるために。
    眼前にヤマトを捉えたデザリアムは駐留する艦隊を地球からヤマト追撃に向け、発進。
    ヤマトとデザリアム艦隊の間にデスラーの精鋭部隊の一部が割って入り、ヤマトはデザリアム本星へ。
    アルフォンは雪との最後の晩餐。その後、雪を開放。
    一部ではあるが精鋭部隊がガルマン本星から離れた事により、ボラーの進撃が開始された。
    そんな感じで第四章は終わり、第五、第六章辺りでガルマン対ボラーand地球パルチザン対アルフォン駐留軍。かなと。

  7. mars より:

    「さすがにそこまで陳腐なシナリオに騙されはしないんじゃ…」
    という事に対して「マザーデザリアム」の巧妙な所は「性根の善良なデザリアム人」を使い地球人の「善意」を徹底的に利用する形で世論誘導をしている事ですね。ヤマトに濡れ衣を着せる作戦をランベルが凄く嫌そうにしていたのがまさに闇バイトの叩き役のような心境だったのでしょう。
    難儀な事に「無敵の人対策」としてデザリアム人に家族や友人を持たせて孤立させないようにする事で利他的な性質に付け込んで逃げられなくしています、更に雁字搦めにするのがコムメダルによるネットワークです考えが丸見え。一見完璧です。
    対策の一つは「全てを敵に回しても己の信念を貫く意志」ですが某宇宙海賊じゃないので難しい。
    二つ目は「自己犠牲の否定」です、「身勝手な自己犠牲で救われた方にしてみたらたまったもんじゃない」というやつです。星名の雑な策が破綻したのも「視える」百合亜を連れていってたら何とかなったかもしれない。2202で「皆で背負う」といいながら結局また「自分だけ」になってた。
    三つ目は二つ目と同じですが「信じること」です。マザーのやり口は手を変えた「囚人のジレンマ」の応用です、デザリアム派はネットワークを共有しヤマト派(パルチザン)は孤立させて統率を乱します。それに対峙するには「俺の相棒はきっとそうするし相棒がそう動くだろうから俺はこうする、外野は知らん!」と開き直る事です。いわゆる「こころにしたがえ」というやつでマザーが応答型学習機械ならかなり動揺します。たぶん雪はそうするんじゃないかな、というか女子組が一斉にやりそうな気がする。