【ネタバレ注意】デザリアムの計画と親デザリアム派の真意

皆さま、今晩は!
先日4月11日、ついに「ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド」が公開!
有休をとることも出来ましたので、福岡では初回となる10時50分の回で早速見てまいりました。

結論から言えば滅茶苦茶面白かったです。
前章である第2章は全編がただひたすら暗くて重く、正直、見るのが辛い内容でしたが、この第3章ではまさに前章の重苦しさを一気に吹き飛ばす内容となっていました。
また物語としてもようやく舞台設定やキャラの人間関係がハッキリし、物語が本格的にスタートした(起承転結でいえば起の部分がすべて終わり、承の部分に突入した)印象を受けました。

そこで今回は今章でようやく見えてきたデザリアムの計画と、何故、地球の親デザリアム派が彼らに協力しているのかを考察してみたいと思います。
まだ公開が始まった直後ですので、重要なネタバレは伏せますが、内容上、どうしてもネタバレはせざるを得ませんので、ネタバレが嫌な方はここで引き返して頂きますようよろしくお願いします。

銀河系戦争勃発を目指すデザリアム

今章の終盤、藤堂信乃をはじめとする親デザリアム派の軍人達は、デザリアムが単に地球との融和だけではなく、別に目的があることをちゃんと理解した上で協力していることが判明しました。
恐らくデザリアムには信乃たちにも隠している真の目的があると思いますが、それでもデザリアムが現時点で進めている計画は信乃たち親デザリアム派が全面的に協力できる内容であることは間違いありません。
では、その計画とは一体何なのでしょうか?

これは完全に私の推測になりますが、デザリアムが進めているのはおそらく「地球・デザリアム連合」によるガミラス&ボラーを相手とする星間戦争です。

そもそもこの第3章で、デザリアムのキャラクターたちは「すでに起きた事・これから起きる事」という趣旨の発言を繰り返していました。
恐らく彼らは、自分たちの歴史で起きた(とされる)出来事を、この2207世界でも繰り返そうとしているのだと思われます。
そうなると、公開されているデザリアム史で直近で起きる大きな出来事と言えるのは2215年に勃発するとされる「第一次銀河系大戦」しかありません。

デザリアム史によればこの戦いは2213年のガルマン・ガミラス帝国からボラー連邦への宣戦布告に始まり、2年後の2215年に地球を巻き込み全天の川銀河系を舞台とする大戦に拡大しました。
第3章の公開と共に解禁された第4章の予告によれば、第4章でボラー連邦の勢力圏であるバース星を舞台に大きな戦いが始まるようであり(恐らく相手はガルマン・ガミラス)、随分前倒しになりますがガルマン・ガミラスとボラーの全面戦争が始まることが示唆されています。
恐らくデザリアムは、自分たちの世界では「地球・ガミラス連合vsボラー」であったこの大戦を「地球・デザリアム連合vsガミラスvsボラー」という構図で再現しているのではないでしょうか。

ちなみにこの「第一次銀河系大戦」で重要なのは、
①参加主要国は「地球」「ガルマン・ガミラス帝国」「ボラー連邦」の三国である事
②「天の川銀河を舞台とした全面戦争」が行われること

という事であり、年代の前倒しや同盟関係が異なる点については、歴史における多少のバグとして許容できることなのでしょう。

そう考えると信乃たちデザリアム派の軍人たちが協力している点、そしてあの場に南部会長をはじめとする軍人以外のメンバーがいなかった理由も納得できます。
何故なら、何経済界や政府の親デザリアム派はあくまでもデザリアムとの友好によって得られる新技術や経済成長、そしてそれらに伴う利権を目的にしているのであり、ガルマン・ガミラス帝国とボラー連邦との戦いに地球が巻き込まれる状況など絶対に回避したい状況です。
しかし一方で、信乃たち親デザリアム派の軍人たちにとっては、まさにその銀河大戦こそが目的であり、それゆえ、デザリアムに全面的に協力しているのだと思われます。

親デザリアムは軍人たちの真意

結論から言ってしまえば、信乃たち親デザリアム派の軍人たちを動かしているのはガミラスに対する激しい憎悪であり、銀河大戦を利用してガルマン・ガミラスを亡ぼすつもりなのではないでしょうか。
実際、ガミラス戦争は地球に対して大きな傷跡を残しました
信乃がガミラスを憎む理由としては、作中で明言されていませんが、例えばガミラス戦争で想いをよせていた人物を失っているという過去があったとしても不思議ではありません(つまり彼女は結婚しなかったのではなく、想い人を失って蹴婚できなかった)。
また信乃とともにデザリアムに協力しているあの人物も、ガミラス戦争ではっきりと多くのものを失っています。
そんな彼女・彼らにとって戦後の地球とガミラスの同盟は到底認められるものではなかったでしょうが、ただ、国力の違いや戦後に判明した地球を取り巻く星間状況などを考えると、我慢をせざるを得なかったのでしょう。
加えて、民主化したガミラスであるならば、ガミラス人達も独裁者であるアベルト・デスラー総統の支配に苦しんでいた被害者であると考えることができ、ギリギリ許すことが出来たのかもしれません。

ところが、ガトランティス戦役を経てアベルト・デスラーが再び総統としてガミラスに復権しました。
これを見て、おそらく信乃ら反ガミラス心情を持つ軍人たちは、「結局、ガミラス人そのものが地球に対する加害者」という結論に達し、彼らに対する復讐の念が止まらなくなったのでしょう。

2205においてガミラスへの協力が最小限であったり、また、ガミラス本星が消滅した直後に即座にガミラスとの同盟の打ち切り論が出てきたのは、おそらく藤堂長官ら親ガミラス派の発言力の低下だけではなく、そもそも政・財界、軍部において「デスラーに協力するなんて嫌だ」という感情が強かったからかもしれません。

そしてイスカンダル消滅を経て残されたのは、大いに国力を落としたガルマン・ガミラスと、「未来の地球人」であるとして友好的に接してきたデザリアムという新しい力‥‥
まさに信乃たちにとっては地球がガミラスに対して復讐を果たせる絶好のチャンスと考えてもいおかしくはありません。

むろん、信乃たち親デザリアム派の軍人達も馬鹿正直にデザリアムの言っていることを信じているわけではないと思います。
ただ彼らと手を組めばガミラスに対する復讐を果たせるという蜜があまりに魅力的過ぎて、デザリアムに対する疑念には目を瞑り、手を組んだのではないでしょうか。

「未来のため」という事を繰り返している親デザリアム派ですが、実際、彼らが見ているのは「過去」だけであり、それ故、真実が見えなくなってしまっているのだと思われます。

同床異夢なデザリアムと親デザリアム派

以上のように、「第一次銀河系大戦の勃発」という共通の目的で協力しているデザリアムと地球の親デザリアム派ですが、ほぼ間違いなくそれは同床異夢です。
地球のデザリアム派からすればこの「銀河系大戦」の結果は、ガルマン・ガミラスの滅亡であり、戦勝国として地球が星間国家として躍進するという栄光ある未来を夢見ていると思われますが、デザリアムがひそかに考えているのは地球とガルマン・ガミラスの共倒れではないかと思われます。
というのも、デザリアムにとって天敵というべき波動エネルギーを武器として活用しているのは他でもない「地球」と「ガルマン・ガミラス」だけであり、彼らが共倒れになってくれれば、デザリアムの脅威となる勢力はもはやありません。
恐らくデザリアムは、信乃たちの復讐心をあおってガルマン・ガミラスに波動砲艦隊による総攻撃を行わせると同時に、ガミラスからの恒星間弾道弾による報復を黙殺して地球そのものも滅ぼすというのが、彼らが立てている真のシナリオではないでしょうか。

実際、第4章のティザービジュアルには「恒星間弾道弾」らしいものが描かれていますし、第4章のPVでは苦々しい表情を浮かべている信乃にカザンの「繰り返す必要があったのです」と言っているシーンが流れています。
恐らくこれは「銀河系大戦」において「地球の南半球が恒星間弾道弾で壊滅する」という歴史的出来事は許容しなければならないと言われているシーンではないかと思われます。
ただ、本当に被害が南半球に収まるのか、そして過去の出来事を再現しなければならないと言うならば、果たしてどこまで再現することになるのか(極論を言えば、件の空間裂傷も歴史的出来事して許容することになってしまう)、そのあたりの矛盾が今後、親デザリアム派に突き付けられることになりそうですね。

ちなみに、第3章においてヤマトとガルマン・ガミラスの接触に対して、マザーが非常に問題視していましたが、これもデザリアムが地球とガルマン・ガミラスの共倒れを考えているのならばそれも当然です。
下手をすればヤマトが仲介となって地球とガルマン・ガミラスの和解というう結果をもたらしかねません。
それを阻止するためにも、次章ではヤマトは地球の裏切り者というレッテルを張りまくり、地球に残っているヤマト関係者を全員処刑するという決断が下されるのではないか。
特報でフルーレが翼に言っていた「なんで泣かないの?」という疑問や、アルフォンが雪に言っている「最後に一番美しい君を見たかった」というセリフも、翼の母親である真琴や、他でもない雪自身も処刑の対象になったからではないかと思われます。
ただそれは文字通り「窮鼠猫を噛む」という結果で、彼らの地球脱出という結果をもたらしそうですね
ただそれこそがデザリアムの真の狙いであり、とりあえずはどのような形であれ地球から「反デザリアム」及び「ヤマト関係者」を一掃したいだけなのかもしれませんが・・・

コメント

  1. ゆーり より:

    初めてコメントさせて頂きます。3章の某シーンで藤堂妹とあの人が一緒にグランドリバース内にいたのでやはり黒なのか…と思いました。地球にいるヤマトクルーたちが心配ですね。親デザリアム派はもうガミラスやガトランティスのような国から武力侵攻をこれ以上受けたくないから先に潜在的に危険な国家を潰して自分たちが銀河の秩序を維持していきたいということですかね?年表にも出てきていましたし。
    あとデザリアムの女性描写が気になってきました。重要な立ち位置とかあるのかなと思います。
    とりあえず4章はヤマトⅢ多めで永遠にの流れもある感じですね。大阪で記録展もありますし10月まで楽しみに待っておきます。

    • yamasiro2202 より:

      ゆーり様、初めまして。
      コメントをありがとうございます。
      信乃にしてもあの人物についても、おそらく「地球のためである」と信じて行動していることは間違いなく、そこに悪意はないと思います。
      その意味では間違いなく彼女達にも「正義」はあります・
      ただ問題なのはその「正義」がデザリアという名の砂上につくられた楼閣である事なんですよね。
      後の章で間違いなくデザリアムは梯子を外してくると思われますが、その時、彼女たちはどのような選択をするのかが気になります。
      デザリアムの女性‥‥多分サーダのことだと思いますが、今章から急激に存在感を増してきましたね。
      PS2の暗黒星団三部作では暗黒星団帝国の謀略面を担当している人物でしたが、リメイクシリーズでもそれに近い立ち位置になりそうです。
      4章公開までの半年は長いですが(個人的にはお金をためることが出来るので助かりますが)、その間、定期的に情報の公開はあると思っていますので、それを見ながら気長に待ちたいですね

  2. 土門くんしなないで より:

    深い考察です。確かに地球とガミラスの同盟はヒス首相のガミラスとであり、デスラー総統を許してないですね。と考えると、デザリアムは最初からガミラスと地球の分断を狙ったのか。
    あと気になるのは、デザリアムが本当に未来人なのかという事と、サーシャの成長の謎。
    サーシャがルダ王女の代わりとすると、土門と揚羽のブロマンスになっちゃう(京塚含めて三角関係?)か。腐女子の方が喜びそう。

    • yamasiro2202 より:

      土門くんしなないで様、コメントをありがとうございます。
      第2章の時点でデザリアム自身、ガミラスと仲良くする気は皆無であったので間違いなく最初から地球とガミラスの分断は計画していたと思います。
      あと、恐らくデザリアムが未来の時間軸からきていること自体は本当だと思います。
      ただ彼らが未来の地球人であるという点は大いに疑問に思っています(実際、そうであるならばボラー連邦が彼らを「ウラリア」と呼んでいることが謎です)
      以前アップした「デザリアムの正体とその目的とは?(第2章公開版)」という記事の中でも触れましたが、彼らの正体は「地球を乗っ取ったウラリア人(仮称)の末裔」であると考えています
      簡単に言えば、このあたりはオリジナルのディンギルの設定を地球でやった感じです。
      これならば彼らが歴史改変を恐れないのも当然ですね
      そもそも彼らは地球人の子孫ではなく、地球を奪い取った者の子孫なのですから、地球をどのようにいじったところで自分たちに影響がでるはずがないのですから。
      なおサーシャに関しては本当に謎です。
      このあたりは次章で詳しく説明されると思いますのでそれに期待ですね。

  3. ラーぁ より:

    はじめまして。
    それにしても腑に落ちません。それは、いつどのようにして藤堂長官の妹や南部の父親はデザリアムと接触していたのだろうか?デザリアムを受け入れる理由は、ブログ主さんの考察通りだとしても。
    地球が一つの国家として機能していたのなら、もう少し取り締まりを強化出来たであろとも思えるし、いくら妹でも拘束出来たはず。甘っちょろいんだよね。まぁ、設定が日本主導だから仕方ない・・・か。

    • yamasiro2202 より:

      ラーぁ様、初めまして。
      コメントをありがとうございます。
      まず大前提としてデザリアムが政財界、軍の人間に接触していたこと自体は一定以上の地位にいる者なら知っている公然の秘密であったことは3199の本編内で語られています。
      そしてここで最大のポイントとなったのは、信乃が諜報部の総責任者であったという点です。
      恐らく藤堂長官は妹を信用してデザリアムの調査を命じており、その調査の過程で信乃自身もデザリアムに接触して逆に彼らに協力することを決めたのではないでしょうか。
      ハッキリ言えば、この時点でデザリアムに対する敗北は確定しました。
      デザリアムの情報収集を担当していた諜報部そのものが敵に寝返ったのですから、以後デザリアムの工作は藤堂長官らに知られることなくフリーハンドで行われ、南部会長をはじめとする政財界の要人たちが取り込まれる結果になったのだと思います。
      そして、流石に変だと思って藤堂長官が子飼いの星名を使って独自に調査に乗り出したときにはじめて、妹の裏切りに気が付いたものの、すでに強固な親デザリアム派が政財界・軍部に形成されており、もはや誰が信用できるかすら分からない手遅れ状況だったのではないか。
      ・・・以上が私が考える第1章直前の状況です。
      これについては今後、公式で言及される可能性はありますが、まったく的外れではないと思っております。

  4. アゲハ より:

    ガミラス→大マゼラン銀河→天の川銀河へ

    ガトランティス→リメイク版は不明 アンドロメダ銀河なのか?

    暗黒星団帝国(デザリアム)→二重銀河 リメイク版も?

    ボラー連邦→天の川銀河

    ディンギル帝国→天の川銀河

    (赤色銀河→ワープアウト→天の川銀河と交差)

    リメイク版デザリアムは銀河大戦がやりたい?
    仮に大戦を目論んでいたとして、ガミラス、ボラー、地球を三つ巴によって壊滅させたとしてディンギルに勝てるのか?
    赤色銀河、実はデザリアムがワープさせた!?
    デザリアムは地球人となり、地球軍の象徴としてYAMATOを総合旗艦としたが・・・
    ブローネ率いる反地球連邦と大戦へ。後の銀河100年戦争である。

    • yamasiro2202 より:

      アゲハ様、コメントをありがとうございます。
      そもそもリメイク世界にディンギルが存在しているのか?。
      個人的にはディンギル自体は存在しておらず、彼らの設定はデザリアムに統合されているのではないかと睨んでいます。

  5. 群青済み より:

    政財界は今後の好況を見込んでデザリアムに協力していました。そうなると2205での不況の一因にもなった次元断層の放棄と絡めて、パルチザンになっているヤマトクルーへの圧力を強め始めるのも筋は通ってくる気がします。

    あと、予告の「最後に一番美しい君を見たかった」のシーンですが、最後となるのはアルフォンなのか雪なのかがまだわかりません。
    雪の表情に着目するとかなり曇っているのがわかります(さらにドレスの選択も深紅の口紅も雪らしくないような気もします…)。もし何か別のことを考えていたら悟られないように気高く振舞いそうですが、そうでないようなので古代への後ろめたさも考えながら地球のために自分が犠牲になろうとしているのではないかと個人的に考えています。