皆様こんばんは!
早いもので「ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド」公開までついに2週間を切りました。
3月19日に開催された先行上映で見た方の感想は好評だったものが多く、第2章からの印象がガラリと変わるとのことなので非常に楽しみです。
第2章は視聴後、どうしても心にモヤモヤしたものが残ったので、第3章こそスッキリとした終わり方を期待したいものですね(もっとも3199全体としてはまだ半分にも達していないのですけど)
さて今回は先日X(旧Twitter)で話題になっていた「外惑星防衛戦」について自分なりに考察してみたいと思います。
この「外惑星防衛戦」は「2199全記録集」において、コンゴウ型宇宙戦艦の「ヨシノ」「ミョウコウ」「ヒエイ」「チョウカイ」「フソウ」の5隻が戦没した戦いの名前として登場していますが、その具体的な内容については全く触れられていません。
果たしてこの「外惑星防衛戦」とはどのような戦いだったのでしょうか。
これはあくまで私の個人的な解釈になりますが、おそらく下記の年表にある2191年から2200年までの9年間の「ガミラス戦争」のうち、2191年の開戦から2198年の第二次火星沖海戦までの、地球が火星を拠点としてガミラスと戦っていた一連の戦いの総称ではないかと考えています。
2198年:第二次火星沖海戦
2199年:宇宙戦艦ヤマト進宙・人類初の超光速航行に成功
2200年:ガミラス大戦終結
【出典】「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択公式サイトより抜粋
何故このように考えるかというと、地球と火星の間で発生した「内惑星戦争」の呼称その根拠となっています。
恐らく当時の地球は太陽系を「地球~火星」までを地球の完全な勢力圏という意味の「内惑星宙域」、「火星~冥王星」までを勢力圏の外という意味で「外惑星宙域」と呼んで区分していたと思われます。
それ故、火星自治政府との戦いは「内惑星戦争」という呼称が付き、一方、冥王星宙域から始まり火星宙域での最後の戦いとなる「第二次火星沖海戦」までを「外惑星防衛戦」と呼んでいるのではないでしょうか。
こうしてみると、地球はガミラスに対して7年間も「外惑星防衛戦」を続けていたことになり、かなり善戦していたと思えるかもしれません。
ただこれは地球とガミラスのそれぞれの戦略と戦術が共に「積極的な攻勢を行わない」という点で一致したことにより、地球が火星の絶対防衛線を維持できていただけであり、(恐らくは初めて)実際にガミラスが攻勢に出た「第二次火星沖海戦」で、その防衛線はあっさりと崩壊し、以後は地球に押し込められることになったのではないかと考えられます。
では、この外惑星防衛戦における地球とガミラスの戦略と戦術は具体的にどのようなものだったのでしょうか。
外惑星防衛戦におけるガミラスの戦略と戦術
まずガミラスの戦略としては、基本的に冥王星前線基地から「遊星爆弾」による地球へのロングレンジ攻撃を基本方針としていたので、そもそも艦隊による積極的な攻勢そのものに消極的だったと考えられます。
恐らく遊星爆弾攻撃の拠点となる冥王星を占領した後は一貫して受け身であり、地球サイドからの反抗作戦が行われたらそれを迎撃するというだけだったのでしょう。
なぜ彼らの方針がこのような消極的なものだったのかというと、
第1に、ガミラスの目的はあくまでも遊星爆弾を使った地球そのものの改造であり、地球の降伏などではなかった事
第2に、そもそも太陽系に派遣された戦力がガミラスから見れば2級戦力と言うべきザルツ旅団のみであり、戦力的に冥王星前線基地の防衛に集中せねばならなかった事
第3に、天の川銀河系方面軍本隊が駐屯するバラン星から非常に離れているため、その補給線の長さから大規模攻勢を頻繁に行うわけにはいかなかった事
といったことが理由として挙げられると思います。
まあ駐屯しているザルツ旅団としては、地道に遊星爆弾を地球に送り続けていれば被害0で目的を達成できるうえ、劣等民族相手に無理をして、万が一大損害を出したらそれこそ大問題になるので、どうしても安全策をとって消極的にならざるを得なかったと思われます。
ちなみに2198年の「第二次火星沖海戦」については、のちに記述しますが、ガミラスにも積極的に攻勢に出ざるを得ない理由が発生し、例外的に攻勢に出た唯一の戦いだったのではないかと考えられます。
外惑星防衛戦における地球の戦略と戦術
次に地球サイドの戦略と戦術ですが、恐らく
2191年~2192年:冥王星宙域からガミラス勢力排除を目的とした積極的反抗作戦の実行
2193年~2198年:火星絶対防衛線を死守するとともに遊星爆弾の被害の軽減
と2192年を機に方針が大きく変わり、積極攻勢から消極的な防衛策に切り替わったと考えられます。
これは理由が極めて簡単であり、91年の遭遇戦及び翌年の反抗作戦で国連宇宙軍は壊滅的なダメージを受けてしまい、攻勢による冥王星基地攻略が単純に不可能になったからです。
そのため、地球としては火星を絶対防衛線として内惑星宙域へのガミラスの侵攻を防ぐとともに、それによって稼がれた時間を使う事で失われた戦力の回復に努める方針に切り替えたと考えられます。
また、この期間、地球は残された宇宙艦隊の戦力を、遊星爆弾の被害の軽減のために使っていたと思われます。
2010年に公開された「SPACE BATTLESHIP ヤマト」のノベライズ版で、地球は遊星爆弾の軌道を攻撃することで変更させ、地球への落下を阻止する作戦が行われていたことが記されていました。
この描写自体は別作品のものではありますが、同種の作戦がリメイクヤマト世界で行われていたとしても少しも不思議はありません。
むしろ、2199のシナリオにおいては、ヤマトに向かって発射された大型ミサイルに対して、土方さんがキリシマの攻撃でその軌道を変えようとしていた描写があった(のちにむらかわ版のコミカライズに明確に描写)ことを踏まえると、やはり艦隊戦力で遊星爆弾の軌道を変えるという事は普通に行われていたと考えられます。
「ヤマトという時代」において遊星爆弾の攻撃が始まったのは、ガミラスの冥王星占領の翌年である2192年からであったことを踏まえると、ヤマトが抜錨する2199年までの7年もの間、地球がギリギリで遊星爆弾の汚染に耐える事が出来たのは、この遊星爆弾の軌道逸らしによってある程度の期間は汚染の上昇を最低限にとどめる事が出来たからではないかと考えられます。
なぜ第二次火星沖海戦は発生したのか
ガミラスサイドは「積極的に動く必要が無く」、地球サイドは「積極的に動くことができない」ことから、おそらく互いの偵察部隊による小規模な交戦以外はほとんど戦いらしい戦いが発生していなかったこの「外惑星防衛戦」ですが、その均衡が崩れたのが2198年の「第二次火星沖海戦」であると思われます。
この戦いは2021年公開の「ヤマトという時代」で初めて映像化されましたが、残念ながらこの戦いが発生した経緯については本編内でも語られていません。
ただ、もし「外惑星防衛戦」において、地球が上に記したように「遊星爆弾の被害を軽減させる作戦」を実行していた場合、ガミラスが積極的な攻勢に出たのも納得です。
というのも、ガミラスも冥王星から地球までの距離を考えた場合、遊星爆弾の軌道がある程度は地球落下から外れる事も織り込み済みで遊星爆弾攻撃を行っていたと思われますが、地球の残存艦隊の予想外の頑張りと投入できる艦隊戦力の回復により、想定以上に落下が阻止されてしまい、惑星改造のスケジュールに遅延が発生することになってしまったと思われます。
そのため、その遅延の原因と言うべき地球艦隊の壊滅を狙って火星への攻勢に出たのが「第二次火星沖海戦」ではないかと思われます。
この戦いは地球サイドにはガミラス艦隊の侵攻を阻止した唯一の勝利として記録されています。
ただ現実的には、この戦いで地球軍はようやく再建した艦隊戦力のほぼすべてを失っており、残されたわずかな戦力は地球への撤退を余儀なくされています。
結論から言ってしまえば、この戦いは地球に「地球の科学力でも作戦次第でガミラス艦を撃破することが出来る」という自信を与えたという意味で戦術的には勝利したと言えますが、一方で、地球艦隊戦力をすり潰し、以後の遊星爆弾落下を阻止することを不可能にしたという意味で、ガミラス側の戦略的勝利だったと言えます。
第二次火星沖海戦以後の戦い
ちなみに第二次火星沖海の結果が意味するものについては、戦地球の首脳も十分に理解していたと思います。
それ故、今後、遊星爆弾の阻止が不可能になったという現実から国民の目をそらす為に「第二次火星沖海戦」の結果を過剰に宣伝すると共に、地球脱出計画である「イズモ計画」を全力で推し進める事にしたのではないかと思われます。
一方、ガミラスとしては火星宙域から地球艦隊が全面撤退したことを受け、内惑星宙域への侵攻も容易になった事から、艦隊戦力の回復を邪魔する意味で、ポルメリア級による月および地球への空爆作戦を開始し、またそれらの補給のために木星に浮遊大陸基地を置いたと思われます。
ただここで冥王星前線基地が犯した唯一の過ちは、第二次火星沖海戦で地球軍の基地を徹底的に破壊して使用不可能にとどめたことにとどまり、火星そのものは放置したことです。
まあ、冥王星から火星までの距離と地球から火星までの距離を考えた場合、わざわざ火星を占領して部隊を配置するのは、メリットはあまりないのにリスクは大きいと考えたのは当然です。
実際、第二次火星沖海戦では少なくない数のガミラス艦が破壊されており、それを考えた場合、派遣した部隊が奇襲を受けて全滅する可能性すらあります。
恐らくこの時、ガミラスサイドは、火星は二度と地球艦隊に基地として活用されなければよい程度に考えていたのでしょう。
まさかそれによって地球とイスカンダルの出会いを許してしまうことになるとは夢にも思わなかったでしょう。
その意味では、彼らは運が悪かったと言え、逆に言えば、最後まであきらめず戦い続けた地球の粘りがもたらした奇跡と言えるかもしれませんね。
コメント
メ号作戦は外惑星防衛線に含まれるんですかね?
メ号作戦時、キリシマの撤退もガミラス側がわざと見逃したから成功したという構想があったそうです。そうなると波動コアだけでなく沖田艦長までも地球に帰してしまったことになります。知らなかったとはいえシュルツらの判断ミスであり、ドメルのように攻撃するときは跡形も残さないよう徹底的にすべきだったのではないでしょうか。最後の一文を見てそう感じました。
群青出撃待ち様、コメントをありがとうございます。
あくまで私の私見でありますが、「外惑星防衛戦」は第二次火星沖海戦の終了後、火星からの撤退をもって終了し、以後は「内惑星防衛戦」(仮)に移行したと考えております。
よって、「メ号作戦」自体は「内惑星防衛戦」の一環で行われた作戦(あくまでもこの作戦自体は冥王星解放などを目的とはしていないため)と考えております。
シュルツについてはシナリオのカットなされた部分の1つとしてで地球の抗戦意思を失わせるためにわざと見逃したという記述があります。
甘いと言えば甘いですが、シュルツもガミラスの被支配民族であるザルツの出身ですから、地球にも助かる道は残してやりたいと思ったのではないかと思っています。
恐らく、非武装の輸送艦が地球から脱出していったのならシュルツはあえて見逃したのではないかと思っています
昨日、テレビ東京で『空母いぶき』地上波発ノーカット版を視聴。原作を読んでないので申し訳ないないですが、我が国、日本の日本人らしいラストシーンで少しガッツリ。
『フィクション』なのに残念。
話を『外惑星』に戻して、ところで土方さんは艦隊戦に参戦していなかったのだろうか?参戦したとすれば将官なので金剛型に座上したと思うけど、キリシマを除き撃破されてるんですよね!?被弾したけど沈没寸前に脱出、他の味方艦に救助、地球へ帰還。その後、地上勤務だったのか?
『方舟』でキリシマに座乗出来ていた事を考えると、軽症又は無傷で帰還した事になると思うのだが・・・
それにしても『2199』のデスラーの頭の中には地球の事など、どうでもいい存在だったのだろうねw
本気で地球を移住先に考えていたなら長くても半年も有れば、地球軍を壊滅し、移住も出来たと思う。