皆様こんにちは。
今回は2199本編ではあまり深く突っ込まれなかったドメル夫婦の人間関係について考察してみたいと思います。
ハッキリ言えばこのドメル夫婦の関係はかなり複雑です。
公式設定ではドメル夫妻の夫婦関係は冷え込んでいるされていますが、ドメルは反逆容疑のかかった妻を普段の冷静さをかなぐり捨てて擁護し、一方、妻のエリーサはドメルの死を直感で感じるなど、間違いなく互いに深い愛情を抱いていたことは間違いありません。
では、なぜこれほど互いの愛情を抱いている二人の関係はあそこまで冷え切っていたものになっていたのか。
なぜ夫婦仲は険悪になったのか?
現在明らかにされている理由としては、ドメル自身が戦線の指揮で長く留守にしており、さらに二人の間で出来た息子が死亡し辛い時期に側にいてくれなかった事で夫婦としての関係が薄れた、とされています。
ただ私はこの説明はやや腑に落ちません。
まず軍人であるならば長期不在になりがちなことは結婚当初から分かっていた事であり、それをもって夫婦仲が険悪になるとは思えません(ドメルの真面目な性格を考えると、帰宅時はちゃんとフォローはしていたと思いますし)。
実際、息子が死亡するまで夫婦仲はそこまで険悪にはなっていなかったようです。
一方、息子の死については間違いなく夫婦の関係に大きな影響を与えた原因だと思います。
実際、子供の死の衝撃でそれまで仲が良かった夫婦の間にヒビが入り、離婚や別居に繋がるケースは現実でも少なくありません。
ただこれらのケースの場合、夫ないし妻の不注意で子供が死亡した、あるいは子供の死が受け入れられず精神を病んでしまった、といった他の要因もあることがほとんどです。
ドメル夫妻の場合、このような要素は見つけられないので、息子の死は直接的な原因ではない可能性が高いです。
ではドメル夫妻のこの複雑な感情は一体何に起因しているのか。
私の考えでは、デスラー体制で頭角を現したドメルと名家出身のエリーサという、所属母体が異なっていることに直接的な原因があるのではないかと思います。
ドメル夫妻の内情
ドメルは特に後ろ盾のなかった叩き上げの軍人であり、生まれではなく能力主義を尊ぶデスラー体制において最も成功した人物の1人です。
一方、エリーサは父親がイスカンダルとの外交を任されていたとのことであり、恐らくはデスラー家に匹敵する格式を持った大貴族の出身だったと思われます。
この意味で、彼女は恐らく旧体制に所属する人物だったのでしょう。
これはあくまで私の勝手な想像ですが、ドメルとエリーサの結婚は、デスラー体制という新体制と昔ながらの貴族制の融和を図る目的で行われた一種の政略結婚であり、結婚当初から夫婦の間では政治的なわだかまりが存在したのではないでしょうか。
恐らくエリーサの家はアベルト・デスラーの台頭によって没落しており、このデスラー体制に対して内心で激しい憎悪を抱いていたものと思われます。
家の存続を考えて政略結婚に同意せざるを得なかったものの、デスラー体制の象徴ともいえる夫に対しても憎しみを抱いていたのではないでしょうか。
しかしここで問題となったのは、ドメルが夫としても男性としても立派な人物だったという点。
エリーサは一人の人間としてのドメルは心から愛してしまい、デスラー体制に対する不満や憎しみは子供が生まれたことを機に心の奥底にしまい込み、自分と夫の間にあったわだかまりを忘れることにしたのではないでしょうか。
ところがドメルとエリーサを結びつけていた接着剤というべき息子が死亡したことにより、心の奥底で眠っていたデスラー体制への不満や憎しみが再び表面化し(反政府運動に協力しだしたのもこれが原因)、ドメルに対しても半ば八つ当たり気味に冷たく当たるようになってしまったのではないか。
そしてここで不運だったのはドメルが人間のマイナスの感情に対して疎かったという点。
恐らくドメルは妻の奥底にある本当の感情を把握できず、妻との関係の悪化も息子の死の悲しみと、そんな妻を長く放置してしまったことが原因と思っており、全く間違った罪悪感を抱いて接し続けたことが、夫婦の歯車をさらに悪化させてしまったのでしょう。
妻の前でも本音を出さず絶えずデスラー体制を代表する軍人であり続けたドメルと、そんな夫に愛憎愛憎相半ばする感情を持ってしまったエリーサ。
結果としてドメルとエリーサは互いに愛情を抱きながらも、決して相容れることが出来ない関係になってしまったのではないか。
もしどちらかが相手に本音をぶつけることが出来たのならば恐らく夫婦の関係は修復できたのではないかと思います。
結局、七色星団戦でドメルが戦死したことによりその機会は永遠に失われてしまいましたが、果たして生き残ったエリーサはどのような感情を抱いてガミラス民主政府に参加していたのか、非常に気になるところですね。
コメント
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せつねぇ…。
しかしながらただ単純な旧貴族派と言えばゼーリック派とも言えますしイスカンダル崇敬派(メルダの態度からディッツ派?)は親衛隊と同等以上にゼーリック派を嫌ってます。
寧ろ息子の死の遠因がデスラードクトリンに有ったんじゃないかと勘ぐってます。
インフラがガタガタになる無茶な建艦計画と意味不明な遷都計画、明らかに善良な人々が反デスラー主義に走るのがおかしくないぐらい2199でのデスラーの行動原理が不明です。
一方でタラン兄とドメルは明らかに何か重大な秘密を知ってる様子でした。何らかの起きてはならない事故で息子を亡くすも夫エルクは悲しんではいるが何か重大な秘密を抱えたまま何も答えてくれない。単に夫が冷酷な人物ならただ諦めて惰性で夫婦を演じればいいのにその優しさが却って重荷になったと思います。
後出しジャンケンだけどデスラードクトリンがガミラス星の寿命対策という設定が追加されたことでドメルの苦悩は更に苦しいものだったと思います。そしてデスラーのドメルに対しての絶大な信頼も納得できます。
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mars様、コメントをありがとうございます。
>息子の死の遠因がデスラードクトリンに有ったんじゃないかと勘ぐってます。
十分あり得ますね。
ただ息子の年齢で戦死ということはありえないので、恐らくは軍が起こした事故に巻き込まれる形で死亡したとと考えられます。
だからこそ軍人であるドメルに対しても愛憎入り混じる感情を持つようになったのかもしれませんね。
ちなみにガミラス星の寿命についてはドメル自身も知らなかったと思います。
むしろドメルがデスラーから信頼されていたのは、政治的な野心を持つことなく軍人としての筋を貫いていたからではないかと思います。