皆様今晩は!
今回は前回の記事に続きとして、「星巡る方舟」が公開当時、非常に不評だった理由について検証したいと思います。
前回の記事では「作品そのものに対する批判」について述べましたが、個人的に「方舟」が不評だった最大の理由は、「2199」という作品そのものに対するヘイトが爆発したい結果ではないかと考えています。
元々、「宇宙戦艦ヤマト2199」リメイク作品としてヤマトファンの中でも非常に評価の分かれる作品です。
非常に絶賛するヤマトファンがいる一方で、旧シリーズを熱烈に愛するファンの中には「出来損ないのリメイク」として激しく嫌う方が今でもいます。
このあたりは完全に好みの問題ですので、本来はどちらが悪いという訳ではありません。
しかし2199公開当時、ネット上では「2199容認派」と「2199否定派」の激しい対立が発生しており、「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」や「ふたば掲示板」で立てられた「ヤマトスレ」では両派による激しい論争がしばしば繰り広げられていました。
それでも第6章までは「2199容認派」の勢力が強く、わりと好意的に2199は受け入れられていたのですが、その流れが変わったのは最終章である「第7章:そして船はゆく」の公開でした。
酷評された第7章
公開直後の第7章の評価は正直、最悪でした。
勿論高く評価される方もいたのですが、第6章までは2199を絶賛していたヤマトファンがアンチに転じて激しく罵倒することも相次ぎ、この時点で2199に対する評価はかなり落ちてしまったのも事実です。
ちなみになぜ、この第7章がここまで酷評されてしまったのかについては以下の理由などが挙げられます。
・ガミラス本土決戦の内容が薄い
・ガミラスでの古代と雪の再会はF91のパクリやん
・和解ルートによって旧作にあった戦争の虚しさを描いた名シーンが失われてしまった
・主役である古代が最後まで何もしていない
・デスラー総統の行動や思考が意味不明すぎて格好が悪い
・地球が滅びかけているのに水着回ってふざけているの
・古代守の死亡が腹上死っでなに
・スターシャが単なる嫌な女に改悪されてしまった
・蓋つきヤマトが恰好が悪い
etc・・・
他にもあったと思いますが、ざっと思い出せるだけでもこれだけの内容が批判されていました。
そしてこの批判の最大の問題点は、2199容認派も同意するところがあった点です(かくいう私も、第7章は繰り返し見返す程度には好きなのですが、それでも「ガミラス本土決戦」の尺不足や、古代の影の薄さは非常に残念は残念に思っていました。)
いずれにせよ、この第7章で2199に失望し離脱してしまったヤマトファンはかなりの数にいたと思われ、それが「2199の劇場版」として制作された「方舟」への期待や評価を下げてしまったと思われます。
ちなみに「蓋つきのヤマト」は、この第7章の負の象徴として認識されていたのか、当時はかなり叩かれていました。
「方舟」批判の1つに「波動砲の使用がなかった」というものがあったことは前回の記事で述べましたが、これは波動砲が使われなかった事よりも「蓋つきのヤマト」が気に入らなかったという側面が大きかったと思われます。
以上のような原因が重なり、公開当時の評価が芳しくなかった「方舟」ですが、2202の公開以降、2199の再評価が行われたこともあってか、最近では「方舟」を高く評価する声が増えているのは非常に嬉しいことです。
2014年に公開された「方舟」が約6年の歳月を経てようやく正しい評価を得られたのではいかと思います。
個人的にも、この「方舟」はヤマト映画の中でトップクラスに入る名作であると思っていますので、これからも1人でも多くの方に見ていただきたいと心から願っています。
コメント
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方舟エピソード自体は、2199のストーリーとして深みがました良エピソードだったと概ね評価しています。
しかし何が2199を決定的にダメにしたかというと、やはりガミラス本土決戦のお粗末さだと思いました。
もう一つの山場である七色星団戦は、ほほ〜っと感心してたものだから本土決戦は俄然期待していました。
「我々はイスカンダルではなくガミラスに来てしまったのではないか?」と言うくだりからデスラーのなりふり構わずな攻撃、沖田艦長の卓越した戦法、そして徹底的に反撃するヤマト無双な展開。
え〜っ!?と言う衝撃展開からのドキドキハラハラ感。この展開さえあれば波動砲に蓋をしようが古代守が腹上死しようが全然オッケーだったと思っています。非常に残念でした。
方舟についての話題なのに
おっちゃん熱くなってしまって脱線したコメント長々とすみません。
ある方が私の妄想を叶えてくれてました。
https://youtu.be/Ug6T3ICsBu4
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第一世代ファンのおっちゃん様、コメントをありがとうございます!
また返信が遅れてしまい大変失礼いたしました
やはり2199の第7章は尺不足なんでしよね。
ガミラス本土決戦でもう少し本格的な艦隊戦が描かれていたら違った評価になったと思います。
個人的にはヤマトのガミラス突入と同時にディッツの反デスラー派が決起、首都が占領されたので、脱出したデスラーは決起軍+ヤマトをまとめて葬る為に首都への無差別攻撃を開始する・・・という流れを期待していました。
ちなみにご紹介いただいた動画は私も見ました!
良いですよね、これ。
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今年初めてコメントさせていただきます。
方舟って興行的にそんなに売れて無かったの…?当時少なくとも4~5回以上映画館に通うくらいにはいい作品だと思っているのですが意外でした。私はむしろ続編の2202について言いたい事の方が多いくらい。(もちろん某副監督にシナリオ含めての全責任があるとは思いませんが少なくともメカデザインに関してはこの人のせい)
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2199人気のバロメーターってそんな流れがあったのですね。
私はほとんど絶賛派でしたので第七章でそんな評価だったとは。
確かに(総監督がガミラス愛が強すぎるので)滅亡はないな、と。
最初にデスラーやセレステラなど幕僚が出る話が前半にありましが、
そのあまりに煌びやかなガミラス都市と宮殿?の建造物をみていたら、
あ、これは本土決戦でガミラス星が廃墟になることはないなと直感しました。
最終話なんて何度観ても鳥肌な構成ですし、
四半世紀たってるのに硫酸の海が水着大会でもいいでしょwって感じです。
絶賛と酷評は2199、22φ2両方あるんですね。
誰がやってもどうやってもそうなるのでしょうね、、、
それをまとめようとする ~時代 ですが、
できれば福〇ではなくて、別脚本+両作品に関与していない新たな監督、
みないな構成で挑んでほしかったですね。
(いったん延期のようですね)
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2199七章と言うよりも私が2199全体に感じていることが有るのです、それは非常にRPGゲーム的だという事です、それが顕著に出たのが第七章と認識しています。
基本的にヤマト単艦では切り抜けられない事態は無かった、何かしら危機を乗り越える手段なり条件が存在していた、まあ物語の「都合」を理詰めで考えた場合そうなるのは仕方のない事では有るのですが。
例外はドメル艦隊に十重二十重に包囲され、総統暗殺未遂事件が無かったら撃沈されていたあの時だけ(デウスエクスマキナは早々何回も使えるものでは無いですからねぇ)だからカタルシスが少々足らない。
抑制的になる場面を、脚本と映像で上手くカバーしていたのは称賛に値するのですが。
加えて「俺たちは異星人とだって理解しあえる」というテーマが有る以上、本土決戦はガミラス星に多大な被害を与えるわけにはいかない。
なので舞台が第二バレラスになったのは良いのですが森雪とノルンが動力源を暴走させるのではなく別の形で、例えばヤマトが囮になって激烈な対艦対要塞戦を繰り広げる中、古代達が陸戦隊として侵入ののち白兵戦そして救出、その過程で暴走でも良かったのでは。
まあ、これをやってしまうと「さらば」に成って仕舞うし、作画が間に合ってなかったみたいですから難しかったかな、だけどこうすれば古代がもっと活躍できたのでは。
そして「方舟」は私は初見から良くできた、これまでの「ヤマト」にない切り口の面白い映画だと思っていたのですが…、若しかしたら上記の理由に加えて第七章から見え始めていた総監督が抱いていたと思われる感情。
「俺たちはこれから何が有っても絶対に波動砲に頼ることはできない」というセリフに象徴される『続編は絶対に作らせないぞ』という意思がよりはっきり出てい為にそれが気に入らなかった人達が離れていき酷評に繋がったのかなあ、勿体無い。
さて長文失礼いたしました、そして残念ながら延期みたいですね。
まあ家には基礎疾患持ちの高齢者が一人居るもので、感染者の多い名古屋へ観に行くには怖かったから有難い面も有るのですが…、ほんとに祟られますね。
せめて一月後には少しでも感染が収まり、無事公開されることを願い祈っております、では。
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最初の敗残兵様、コメントをありがとうございます。
私も繰り返し見ましたが、上映している部屋が早々に小さくなるなどあまりヒットはしていなかったなというのは感じました。
ただ、作品そのものは間違いなく素晴らしかったと思います。
そのことは現在、再評価されていることからも明らかであり、当時はむしろ評価が低すぎたというべきかもしれませんね(その点は発売当時は「lこんなのヤマトじゃないと」酷評されていますが、最近では再評価さ人気が出てきた2520と似ているかもしれませんね)
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勘助様、コメントの連投、ありがとうございます!
あくまで私が当時出入りしていた「ふたばチャンネル」や「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」での話ですが、第7章公開当時かなり荒れたのは事実です。
ただ個人的には2199は「宇宙戦艦ヤマト」のリブート作品としては考えられる限り最高の作品であったと思っております。
2199の制作当時から、総監督を務められた出渕監督も「火中の栗を拾うことになる」と言っておりましたので、ある程度の酷評が出てしまうのは当然の流れだったのかもしれません。
むしろ2199の最大の功績は、完全に死にかけていた「宇宙戦艦ヤマト」というコンテンツを1つの商業コンテンツとして完全に蘇られた点になると思っております。
2202でこのコンテンツは再び死にかけてしまいましたが(その意味で2202の罪は重いです)、それでもまだ次のチャンスが残っていることに、いかに2199が作り上げたものが大きいかを如実に物語っていると思います。
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オールドタイマー様、コメントをありがとうございます!
>それは非常にRPGゲーム的だという事です
これは当時から同様の指摘がありました。
全てが予定調和でストーリーが進んでいるとか言われていました。
まあこれについては、オリジナル展開にしつつもオリジナル版のイベントも取り込まなければならなかった故のマイナス面であったかなと考えています。
最後のガミラス本土決戦はせめてあと1話は欲しかった!
ガンダムSEED Destinyという作品の最終回が後に色々な追加を加えられて真の最終回が作られたように、ガミラス本土決戦も真の本土決戦が制作されて欲しいと思っています(一番可能性がありそうなのはむらかわ先生のコミカライズかな?)
>『続編は絶対に作らせないぞ』という意思がよりはっきり出てい為にそれが気に入らなかった人達が離れていき酷評に繋がったのかな
これは確かにありそうです。
波動砲の封印なども「続編潰し」の側面から嫌われていたという事は確かにありましたし。
「ヤマトという時代」の延期は本当に残念ですが、状況を考えればやむを得ないよ思っています。
まあ待つのも楽しみの一つとして、この機会に以前から考えていた二次創作などにも手を出してみようかなとか考えています(笑)
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私は2199の第7章も星巡る方舟も大好きです。なので、公開直後にどちらも大批判が出ていたのは今の今まで気づいていませんでした。
第7章が公開された時は、まだ北陸ではヤマトの上映がなく、はるばる京都まで観に行きました。それで一回観て帰るつもりが、あまりにも感動したのでその直後の上映回も急遽観ることにし、2回続けて観て帰りました。
星巡るもヤマトホテルは面白いと思うんだけどなぁ・・・。
もちろん私も年齢的にファーストヤマトを見て育った世代なので、2199からのリメイクで?と思わなかったところがなかったわけではないのですが、時代が変わりいろいろと変化してきた中での新たなヤマトなので、2199の世界は十分ありだと考えています。
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トリプルオー様、コメントをありがとうございます。
現在でも昭和のオリジナル版を絶対視する方は多いですが(それはそれでよいのですが)、当時は「2199はヤマトを汚した」としてかなり過激に批判する方が多かったのも一因であったと思います。
これについては出渕総監督も「(ヤマトのリメイクは)火中の栗を拾う覚悟でやる」との趣旨の発言を残していますので、かなりの批判がある事を覚悟していたと思います。
(2202の評判があまりに悪すぎるせいでその反動というのもありますが)当時は批判されていた2199と、その劇場版である「星巡る方舟」が現在再評価されてきているのは非常に喜ばしい事であると思います。