何故、方舟は失敗したのか①

皆様今晩は!
今回はちょっと眼が冴て眠れないので、気分転換に、「星巡る方舟」の失敗の理由について検証してみたいと思います。
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現在では高く評価されている「劇場版宇宙戦艦ヤマト2199‐星めぐる方舟‐」ですが、実は公開当時はかなり評価の低い作品でした。
実際、興行収入は2.69億円、観客動員数は17.9万人と、劇場公開作品としては失敗の分類に入り、またこの作品を見たヤマトファンの中からも酷評される方が当時は多かったのも事実です(一部で私も熱烈に絶賛していたヤマトファンもいましたが)。
なぜ、この「星巡る方舟」はヤマトファン、特に2199に好意的な方からも酷評されてしまったのか、その理由について当時の記憶を元に考察してみたいと思います。
ちなみに、この記事は完全に私の記憶に基づいて書いておりますので、もしかしたら私の記憶間違いがあったり、あるいは私の知らない事情も存在したのかもしれませんが、その点はご容赦ください。

方舟が不評だった理由

当時、方舟が不評だった理由として、大きく分けて「作品そのものに対する不満」と「2199そのものに対する不満」が存在しました。

まず作品に対する不満としては
①期待されていた続編ではなく、外伝的作品であったこと
②ガトランティスの描写に対する不満
③大和ホテルのくだりが退屈であった
④波動砲が使用されなかった

という事がよく挙げられていました。

■期待されていた続編ではなく、外伝的作品であったことについて

まずこの点については期待の反動と呼べるかもしれません。
2199の終了後、2199ファンから強く期待されていたのは続編である「白色彗星篇」のリメイクでした。
そして特報第一弾(ちなみに、この段階では「星巡る方舟」のサブタイトルはまだ無かった)では、新しい情報として「新たなる敵、ガトランティス」とのみ告知されたので、当然、白色彗星篇を題材にした2199の続編作品になるであろうと期待されていました。
しかし、蓋を開けてみれば続編ではなく、2199の外伝的作品という事で不満がでました。
ただ、「『2199の劇場版』なのだから、サイドストーリーになるのも当然じゃないか」というフォローもあり、この不満についてはそこまで大きなものではありませんでした。

■ガトランティスの描写に対する不満

「方舟」の作品そのものについての不満として当時一番大きかったのは、ガトランティスの「蛮族」設定でした。
私自身は骨で太鼓をたたくあの蛮族ぶりは結構気に入っているのですが、ヤマトファンの中には旧シリーズの白色彗星帝国を2199のガトランティスに期待していた方も多く、この蛮族設定に対しては激しい批判がありました。
また、スタートレックに登場する「クリンゴン人」のパクリではないかという指摘もこの批判に拍車をかけていました。

■大和ホテルのくだりが退屈であった

またシナリオ上の批判としては、「大和ホテルのくだり」が退屈であった声も多かったです。
実はここの部分の評価は2199第14話「魔女はささやく」に対する評価が大きく関係していたようです。
この14話は心理的・抽象的なシーンが多く、2199ファンの中でも評価の最も分かれるエピソードの1つでしたが、この14話が好きな人は大和ホテルのエピソードも特に気になってはおらず、逆に14話があまり好きではなかった方には不満な部分だったようです。
ここに関しては完全に好みの問題ですので仕方がないと言えば仕方がないですね(苦笑)

■波動砲が使用されなかった

「星巡る方舟」の艦隊決戦の描写は当時からかなり高評価でしたが、波動砲が使用されなかった(設定上使用できないのですが)点については不満が生じていました。
ただこれに関しては波動砲が使用されなかったことそのものよりも、波動砲に蓋がされていたことに対する不満の方が大きかったと記憶しています。
この点に関しては、「2199そのものに対する不満」に大きく関わってくることですので、そこで改めて語りたいと思います。

改めて振り返ってみると、「方舟」という作品そのものに対する批判は、ガトランティスの設定変更を除けばそこまで深刻なものではなく、あくまで「好みの問題」であったと思います。
それならなぜこの「方舟」は公開当時、必要以上に叩かれてしまったのか。
その理由としては当時、「第7章」の評価を巡って2199批判の声が大きくなっており、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とばかりに、この「方舟」に対する評価も厳しいものになったのではないかと思われます。
ではなぜ、第7章によってそこまで2199への批判は大きくなってしまったのか。
次回の記事でその点について詳しく説明したいと思います。

コメント

  1. 勘助 より:

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    ①期待されていた続編ではなく、外伝的作品であったこと
     本編から一年半あるかないか、ですからね、新作は無理ですよね。
     完全新作っていってるじゃん!いやいや2199ってはいってるじゃん!
     っていうw もう一つの真の結末 ってあるんだからスピンオフだろ、ってえ。。。

    ②ガトランティスの描写に対する不満
     蛮族万歳ですw古代中国の王朝に例えてとか短期間でよく考えられていました。
     22φ2のガトランなぞゴミみたいな設定で呆れかえった次第です。

    ③大和ホテルのくだりが退屈であった
     ここ、好きな人でもそういうんですよね。あの数十分、、、あれがいいのにw
     だからこその終盤30分の大決戦が生きるという動→静→動の展開が好きです。

    ④波動砲が使用されなかった
    (エピドラへのデスラー砲を空間磁力メッキで跳ね返すとかも含めてその機能があり)
     蓋が完結編のようなボトルだったら?(百歩譲って撃てないのが許されたとかW)
     あるいはショックカノンの収束型大口径砲が、
     帰路における安全保障の一貫として、せめて代用できるとか=見た目は艦首から
     発射可能で、不安と不満解消wとかがあればなーと当時思いました

    2199も方舟も私にとっては99%絶賛です。

  2. 山城2199 より:

    SECRET: 0
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    勘助様、「方舟」に対するご意見、ありがとうございます!

    >本編から一年半あるかないか、ですからね、新作は無理ですよね。
    それでも外伝とはいえ、完全オリジナルエピソードを作り上げたのですから大したものだと思います。
    しかも2199本編で「不足だ」と言われていたヤマトクルーサイドのエピソードや、古代君の活躍などもうまく盛り込んでいるので、あれ以上望むのは流石に高望みだと感じました。

    >蛮族万歳ですw
    うちの家族でも大うけでした。
    特に骨で太鼓をたたいている描写が。
    2202のガトランティスを見た時、「太鼓はどうした」との母の一言が今でも忘れられません(笑)

    >ここ、好きな人でもそういうんですよね。あの数十分、、、あれがいいのにw
    私も何故あそこが不評なのか納得できません。
    あの交流があるからこそ最後の共同作戦がより素晴らしい描写になっていると思います。
    というより、「方舟」に不要なシーンって一つもないんですよね。
    3つの陣営を描いているにも関わらず、破綻することなくラストの最終決戦に集約しているのはやはりその過程が丁寧に描かれているからだと思います。

    最後の波動砲については、切り札の波動砲がないからこそ戦術と戦略を駆使して戦う様子が描けてむしろ良かったと思っています。
    ちなみに2202での波動砲しか使わない艦隊決戦は「ふざけんな」の一言!
    私は2202についてはかなり鷹揚に受け入れていますが、艦隊決戦の描写だけは完全に否定派です。