【第3章考察】北野艦長の裏切りの理由

皆さま今晩は!
前回、北野艦長の内通発覚について記事にしたところ、非常に多くのコメントをいただき、誠にありがとうございました。
3199の新キャラの中では特に人気が高いこともあってか、純粋な内通ではなく「2重スパイ」説を推されている方が多いのが印象的でした。
北野艦長については次章でさらに深堀されると思いますので、「二重スパイ説」が正解である可能性もまだまだ残されてはいそうですね。

ただ、コメントの返信にも書きましたが、私自身は「地球に与えた被害が任務だからと許容されるレベルを超えている」という理由から北野艦長が「二重スパイ」の可能性は薄いと思っています。
また、後期型グラディエーターの登場がすでに明らかになっていることから、6章か7章あたりで、この後期型グラディエーターなどで構成された親デザリアム派が率いる地球艦隊と戦う展開もあると思ってしまうので、北野艦長はむしろそれらの親デザリアム派地球艦隊の司令官としてヤマトの前に立ちふさがる役割が振られるんじゃないかと考えています(実際、ぽっと出のモブキャラが率いても面白くありませんし)

では、北野艦長が本気でデザリアムと内通していたと仮定した場合、その動機は一体何でしょうか?
その動機として、私は以下の3つの可能性があるのではないかと考えています。

【動機1】地球のためになると本気で信じている

まず1つ目は多くの地球人の協力者が信じているように、北野艦長もまた「デザリアムとの同盟が地球のためになる」と本気で信じているケースです。
実際、少なくとも現時点ではデザリアムとの同盟は地球にメリットしかなく、デメリットが全くありません。
デザリアムが信用できないというというのは2205を俯瞰した立場から見ている視聴者だからこそ抱く思いであって、作中の限られた情報しか持たない地球人の立場に立てば、多大な恩恵を地球にもたらしてくれるデザリアムを信用してしまうのは仕方がない事です。
しかも、地球人口の7割を虐殺したという過去があるガミラスとは異なり、デザリアムは過去に地球に対して直接何かしたわけでもありません(ガミラス星とイスカンダル星の件は地球人にとってはしょせん他人事)。
(遺恨のある)ガミラスとの同盟は良いのに、地球に対して何もしていないデザリアムとの同盟は何故いけないのか、というのは多くの地球人が抱いている思いだと思います
恐らく、自分たちが消えるのを覚悟のうえで過去の地球を救いに来ているデザリアムは、彼らにとっては「イスカンダルの再来」だったのでしょう。
地球は一度、イスカンダルの「善意」を信じて救われたという前例がある以上、北野艦長をはじめとする地球人がデザリアムを全面的に信じ、「これが地球のためである」という大義を抱いて協力していたとしてもそこまでおかしな話ではありません。

【動機2】ガミラス憎しの感情の暴走

2つ目は北野艦長が抱えている「ガミラス憎し」の感情が暴走した結果である可能性です。
北野艦長が反ガミラス感情を抱いているという事は劇中で特に描写されていませんが、北野艦長の設定として「ガミラス戦争時の事故で身体の半分近くを機械に置き換えている」というものがあり、自身の機械の体に対する不満からその原因を作り出したガミラスに対して深い恨みを抱いていても別に不思議ではありません。
ただ「ガミラス戦争後」の地球はガミラスとの同盟無しではやっていけなかったこと、またガミラス戦争の原因であるデスラー政権が崩壊したという2点から、これまではその恨みを何とか我慢することが出来たのでしょう。
ところが、「ガトランティス戦役」後、そのデスラーが復権を果たしたことでその恨みが一気に爆発したのではないか。
そしてそんなところに、ガミラスに代わる地球の新しい「力」となりえる「デザリアム」が現れたとしたら、一気に親デザリアム派になったとしても不思議はありません。
過去、アップしたデザリアムの計画と親デザリアム派の真意」という記事の中で、私は地球の親デザリアム派はガミラスに対する報復戦争を計画しているのではないか、と考察していますが、案外、その計画を押し進めている強硬派メンバーの中に北野艦長もいるのではないでしょうか。

【動機3】協力の対価目的

3つ目はデザリアムとの協力の対価として「健康的な肉体に戻れる」という報酬が示された結果、その報酬目的でデザリアムに協力しているという可能性です。
もしこれが正解だとすると、北野艦長は地球よりも自身の利益を優先したとんでもない売国奴という事になりますが、彼の立場に立てば、その気持ちは分からないわけではありません。
実際、そのような報酬を示されて拒絶できる人間が果たしてどれくらいいるでしょうか。
少しケースは違いますが、聡明な藤堂艦長も脳死状態に陥っていた親友である副長の神崎を助けることが出来るという話を聞いて、彼らに言われるままに銀河に搭載されていたCRSと神崎副長の身柄を引き渡しています。
元々、北野艦長はデザリアムに対してそこまで悪い印象は抱いていなかったでしょうし、そんな彼らから元の健康な肉体に戻れると聞けば、彼らに協力する決断をしたとしてもそこまで責める気にはなれません。

もしかしたら北野艦長の動機は1つではなく複合的なものかもしれませんが、いずれにせよ、彼がデザリアムに内通する動機は十分にあります。
もし彼が最終的にヤマトサイドに立つとするならば、「二重スパイ」というよりも、自分の間違いに気づいたり、あるいはデザリアムに騙されていたことに気づたことによる反逆という形になるのではないかと思われます。

コメント

  1. しょう@s2y0o0o7 より:

    北野誠也の裏切りに関してですが、彼はあまり感情を表に出す方ではないようなので、まだ何か理由か個人的な構想が隠れているかもしれません。
    考えられる線としては、
    1.デザリアムを受け入れることが本当に地球の未来のためになるのかを内部から見極める。地球のためにならないのであれば”表返る”つもり
    2.報復でなく、地球が覇権国家となるためにデザリアムを利用するつもり
    3.諸々のどさくさに紛れての実権掌握

    3.がかなり雑ですいません。
    そういえば北野艦長が義体化(サイボーグ化)した理由はガミラス戦争時の事故とされていますけど、第二次火星沖海戦で深手を負ったと第二章で名言されてるんですよね。事故はその前か後か。
    あるいは第二次火星沖海戦に関係する事故なのか。北野誠也が副長を務めていたという巡洋艦の話も気になる。
    あと「もし元の身体に戻れるなら、それは最高の誘惑だ」とも言っているんですよね。

    • yamasiro2202 より:

      しょう@s2y0o0o7様、コメントをありがとうございます!
      北野艦長についてはまだいろいろ隠された設定はありそうではあるんですが、ただ一方で、これからガルマン・ガミラスとボラーのエピソードが入ってくることが確定しており、またデザリアム本国のエピソードもあるので、彼に尺が割かれるかという不安も。案外、信乃と一緒に「デザリアムを妄信してしまった」という程度で軽く流されてしまうかも‥‥(汗)
      北野艦長のサイボーグについてはいろいろ謎が多いんですよね。
      現在公開されているキャラ設定では「事故でサイボーグ化した」とあるので、おっしゃる通り「第二次火星沖海戦での深手」と関係性が不明になっていますし
      設定が変わったのか、それともそのあたりに真実が隠されているのか・・?

  2. 稲荷狐 より:

    何故、原作には登場しないキャラクターその中でも、そこそこのポジションのキャラクターを作ったのか(北野の兄)。
    2202のキーマン又は桂木透子的な存在。

    • yamasiro2202 より:

      稲荷狐様、コメントをありがとうございます。
      北野の兄という設定がある割に北野自身にはほとんど絡んでいないので、その点が本当に謎です。
      今後重要な要素になってくる設定なのでしょうかね?

  3. GEN-6 より:

    親デザリアム派トップの信乃自身がデザリアム人の「宇宙修復」を半信半疑ながら協力してるようにみえる。
    その彼女の命を受けて行動してる北野兄の本心はまた別にありそう。
    しかし彼の行動が明るみに出たとき、元教え子達は「教官の裏切り」に精神的衝撃だけではすまないでしょうね。
    まぁそもそもスカルダート含めてほとんどのデザリアム人達もマザーの言葉を信じ込まされてるだけだったりして。
    第四章はヤマト航海にボラー絡みがメインとなり、謎はその次以降に持ち越しでしょうし。(何年後になるのかなぁ)

    • yamasiro2202 より:

      GEN-6様、コメントをありがとうございます
      確かに信乃もデザリアムを妄信しているというよりも、利害が一致しているから協力しているように思えますね。
      もしかしたら彼女自身は「(地球のために)利用するだけ利用し、邪魔になれば捨てればよい」と思っているかもしれませんね。
      北野兄も同様に彼なりの正義で動いている可能性がありそうです。
      土門達教え子をアスカクルーとして集めていたのも、ある意味でデザリアムの侵攻の際巻き込まれないようにするためである可能性もありますし、決して悪意だけではなさそうなんですよえ。
      もっとも2人とも客観的に見ればどうしようもないレベルのことをやってしまっていますが・・・(汗)

  4. 土門くんしなないで より:

    この線であって欲しいけど、これだとオールドファンの二次創作だな。

    オリジナルの永遠ににおいて、古代守は長官を助けるために自爆しています。
    リメイク版では古代守はすでに亡くなっているので、新キャラ北野兄に置き換え、同じ流れにした場合、ドラマが弱くなるため、敢えてミステリアスな性格付けをし、あとオリジナルの真田さんに似たような切り札により、後々ドラマを盛り上げようとしているのでは?

    • yamasiro2202 より:

      土門くんしなないで様、コメントをありがとうございます。
      またリアルの都合で返信が遅くなってしまい大変失礼いたしました。
      私も北野兄の設定が出たときは、古代守の代役だと思っていましたが、第3章を見る限りもっと複雑な役割が与えられていそうです。
      まあ、彼に限らず親デザリアムのメンバーはいろいろ一癖抱えていそうではあるので、次章あたりでその真意の一端あたりが明らかにされるかもしれませんね。