皆様こんばんは!
本日3月10日は戦艦の歴史において大革新をもたらした戦艦、「ドレットノート」(英)が進水した日です。
列強各国から驚愕の目で見られることになるこの艦の完成は既存の戦艦は全て存在価値を失わせ、世界中に建艦競争を引き起こすことになりました。
この建艦競争がのちに大和型戦艦の誕生につながったと考えると、非常に感慨深いですね。
さて折角、戦艦の歴史において重要な日ということですので、今回は、先日、Twitterで議論されていたリメイクヤマトに「ナガト」という名の艦が存在しないかというテーマについて私なりに考えてみたいと思います。
私自身はこの議論に参加しませんでしたが、この議論の中で「金剛型とヤマトの間に実は存在したのではないか」という意見が出ていました。
私もこの意見には全く同感です。
実際、私はキリシマを代表するコンゴウ型宇宙戦艦とヤマトの間にはミッシングリンクがあり、両者をつなぐ宇宙戦艦が開発・建造されたと考えています。
宇宙戦艦史にあるミッシングリンク
そもそもコンゴウ型宇宙戦艦の就役は第一次火星沖海戦の最中である2171年であり、ヤマトが就役する2199年まで30年近い開きがあります。
コンゴウ型宇宙戦艦が現役であること自体はおかしくはありませんが、いくら基本設計が優れていたとしても、30年もあれば新しい技術が出てくることもあって新型艦が開発・建造されても不思議ではありません。
特に、83年に終結した「第二次内惑星戦争」の結果、火星の技術も吸収できたということ、そして、当時の国連宇宙軍は外宇宙からの侵略に備えていたという点を考えると、将来の戦いに備えて火星の技術を取り入れた新型戦艦の設計・開発が行われていないのはむしろ変です。
確かに「第二次内惑星戦争」の終結と戦後復興のために軍事予算が削られ、大規模な軍拡は難しかったかもしれませんが、それでも第一次世界大戦後の不況の最中にも新型艦の研究・開発が進められていたように、限られた予算の中で設計・建造が行われ、実際に完成した艦があっても不思議はありません。
またヤマトとコンゴウ型宇宙戦艦の両者を比べるとあまりに基本設計が異なりすぎて、コンゴウ型の次にヤマトが誕生したとはどうしても思えません。
個人的には内惑星戦争で火星の技術を取り入れた結果、既存の戦艦の設計を一変させたドレットノートのように、コンゴウ型のような葉巻型の宇宙戦艦から、現在の水上艦に近いフォルムを持つ宇宙戦艦へと発展したのではないでしょうか。
便宜上、前者を「前弩級宇宙戦艦」、後者を「弩級宇宙戦艦」と呼びますが、「第二次内惑星戦争」以降は、国連の主導の下、各管区でこの「弩級宇宙戦艦」の開発・建造が勧められおり、そのノウハウの集大成として完成したのがヤマトだったのではないかと思います。
実際、それを裏付ける根拠は2つあります。
1つは、ヤマトで波動エネルギー関連のトラブルが生じていない事
もう1つは、2199本編内にヤマトのような艦が存在することを暗示するシーンがある事です。
弩級宇宙戦艦の集大成であったヤマト
もしヤマトがコンゴウ型宇宙戦艦の後継艦であるとするならば、全然トラブルが生じていないのがむしろ変です。
例えば、日本初の超ド級戦艦である扶桑型戦艦は、当時の最新の技術や新しいアイディアを盛り込みましたが、結果として「失敗艦」と公式に認定されるレベルの欠陥の多い艦になりました。
これは、設計した日本海軍が無能だったわけではなく、それだけノウハウのない艦を建造するのは難しいのです。
実際、日本海軍この扶桑型戦艦失敗をもとに設計が見直され、伊勢型戦艦、長門型戦艦と超ド級戦艦のノウハウを積み重ねることによって、最終的には大和型戦艦を生み出すことに成功しました。
ヤマトがコンゴウ型の後継艦として全くノウハウのない状況で設計された宇宙戦艦であるならば、史実の扶桑型戦艦のようにトラブルが続出してもおかしくないはずです。
しかし本編中を見る限り、トラブルは就役直前にイスカンダルから提供された波動砲関連技術のみであり、他の装備にトラブルは生じてはいません。
つまり、ヤマトの建造が行われた時点で、極東管区は、ヤマトのような艦の設計・建造に関して十分な知識とノウハウを持っており、それゆえヤマトは非常に完成度の高い宇宙戦艦となったのではないか。
いわば大和は未知の最新鋭艦ではなく、内惑星戦争以降に建造された「弩級宇宙戦艦」の集大成として設計・建造されたと考えるほうが納得できます。
また実際、これを裏付けるかの良いウニ2199本編内に、ヤマトのような艦の存在を示す描写があります。
それは第1話で雪が子供たちに語り聞かせをしているシーンですが、雪の話を聞いている子供たちの後ろに、ヤマトを思わせる子どもの絵が確認できます。
しかしこの時点ではまだヤマトは完成しておらず、子供たちがその絵を描くことは不可能です。
つまりこの絵に描かれている艦はヤマトではなく、他の「ド級宇宙戦艦」を描いたものと考えることが出来ます。
史実において、大和型戦艦の存在は秘匿され、国民の多くは長門型戦艦を最強の戦艦と信じ・日本の誇りとしていましたが、もしかしたら、ここに描かれている艦こそ「ナガト型宇宙戦艦」なのかもしれませんね。
ガミラス戦争におけるド級宇宙戦艦の活躍
さて、では内惑星戦争以降に建造されたド級宇宙戦艦はガミラス戦争においてどのような運命をたどったのか。
これはあくまで私の勝手な予想ですが、ほぼすべての艦がガミラス戦争序盤において戦没し、2198年の第二次火星沖海戦の時点では運用できる艦は存在していなかったと思われます。
元々、ガミラスとの接触した時点で国連宇宙軍が保有していたド級宇宙戦艦自体数が少なかったこともあったでしょうが(戦後復興中でそこまで本格的に国連宇宙軍の再建ができていなかったため)最強の戦力ということもあり、81年の遭遇戦の際に、ほぼすべての艦が動員され、ガミラス艦隊への攻撃に用いられたと考えられます。
これは相手の力が未知数である場合は、持てる力を全てたたきつけるというのが戦術の基本だからです。
結果として、それが裏目となりド級宇宙戦艦の大半を失う羽目になったのではないでしょうか。
ただ、子供たちが絵に描いていることを考えると、「ナガト」をはじめとするド級宇宙戦艦の一部はこのファーストコンタクトの戦いに生き残り、以後の8年間のガミラス戦争の中でそれなりに奮戦していたのかもしれませんね。
ちなみに私が考えるナガト型宇宙戦艦は、40センチ2連装装衝撃砲4基を装備した、ヤマト就役まで極東管区の最大・最強の戦力であり、ガミラス戦争では大破しながらも生き残り地下ドッグに係留中(物資不足で修理ができなくなっていた)という設定であってほしいですね。
やはり元ネタを考えるとナガトがが沈むというのはしっくりきませんし(苦笑)
コメント
ナガト型ありそうですね、確かに!
ただ、その場合ショックカノンが火星技術なのかでだいぶ様相変わりそうです。
これまでも高圧増幅光線砲は全くガミラスに通用しない描写ですが、であれば戦力としては大差なかったかもしれません。
結果的にコンゴウ型やムラサメ型はあの紡錘型船体だったからショックカノンが取り付けられたとすると、同時期にヤマトが水上艦型なのはやや不自然な気もします。
ショックカノンが砲塔型におさまるようコンパクト化できたとしても、設計時期から考えるとコンゴウ型などにショックカノンを装着する前に基本設計は始まっているはずですし。
というか、ショックカノン登場以前て、地球艦隊はどのようにガミラスと戦っていたのでしょうね。
実弾兵器もゆきかぜ装備の新型弾頭の描写をみるに、それ以前は通用してなかったぽいですし。
謎が深まりました笑
ぽーすけ様、コメントをありがとうございます。
個人的には火星から得られた技術はショックカノンの小型化に関連する技術だったのではないかなと思っています。
内惑星戦争で火星からこの技術を得たことにより、艦首砲のような大型砲塔とするしかなかったショックカノンを砲塔型にすることが出来たのではなかったのではないでしょうか。
そして、せっかく開発に成功した砲塔型ショックカノンをなるべく多く搭載したいという考えから、昔の水上艦の設計が見直され、内惑星戦争以降の宇宙戦艦に反映されることになったのではいかと思っています。
いわば、砲塔型ショックカノンの開発が葉巻型から水上艦スタイルへの変換をもたらしたと私は考えます。
水上型でなかったのは大和を改造したという設定だからだと思います。2199では改めて水没させた大和改(サイズが異なるので)を偽装に使うためにやむなくこの形にしたと考えてます。ショックカノンは波動エンジンから得られるエネルギーなので、イスカンダルからの技術提供がなければ三式弾を主体にした大口径陽電子砲に過ぎなかったのかもしれません。とはいえ、何故ナガト型がないのかというのはナガト型ではなくイズモ型がコンゴウ型の次にあったのでは思うからです。つまり、イズモ計画にのっとった地球脱出用艦を計画していて、おそらくヤマトとコンゴウの間に位置いていたのではと。しかし、イズモ計画に必要とされた能力に達せず、ヤマト型との競合に破れたか、或いは遊星爆弾の攻撃により工場が破壊されて建造を断念したのかもしれませんね。ヤマトを空母が狙ったようにピンポイントで破壊可能性もありそうですね。とはいえ、ナガトの名を冠するとしたら、今の自衛隊の護衛艦の艦名にないようにマイナーなイメージがあるんですね。繋ぎ役の艦はあった可能性は考えられるのですが、伊勢や日向、加賀に出雲に長門が続かないので、長門の名は後の艦名にも復活してなかった可能性はあります。
ABARTH様、コメントをありがとうございます!
実際、イズモという艦は実際設計・開発されていた可能性はありますよね。
実は私も以前アップした「イズモは存在するか?」という記事の中で、この艦の存在を提唱したことがあります(ちなみに私の説ではイズモの正体は超大型輸送船です)
「ヤマトという時代」である程度の流れが判明したヤマト抜錨前の地球の状況ですが、こうして改めて見直すとまだ多くの隠された設定が出てきそうです。
山城さんこんにちは! 航宙特務隊です。過去記事に長文コメント失礼します。
私も名前が「ナガト」であるかどうかはさておいて水上艦設計の船はあったと思います。理由としては山城様が上げられていたものもありますがもう一つとしては「安定翼」です。これまでコンゴウやイソカゼなどの安定翼は外に出っぱなしでした。 それが急に格納可能になったのはいくら30年たって技術の進歩があったとしても急すぎではないでしょうか? もし新技術だったとしてもよほどのことがない限り、地球の命運がかかった大事な船に実用可能かどうかわからない技術を載せるのは恐怖を感じます。やはりテスト艦のようなものがあったのではないでしょうか。
個人的には
「ナガト」(仮称)→イズモ計画用に転用→ヤマトへ
という流れも想像できます。
航宙特務隊様、コメントをありがとうございます
また返信が遅くなってしまい大変失礼いたしました。
おっしゃる通り、やはり考えれば考えるほどヤマトは水上艦型宇宙戦艦としては完成度が高すぎるんですよね。
絶対にコンゴウ型とヤマトの間に試作艦が何隻かあり、2199年時点では水上艦型宇宙戦艦の建造ノウハウが十分に溜まっていていたと考えるほうが自然です。
できたらサイドストーリーとしてその辺のエピソードが作られていくと良いですね。