皆様、今晩は。
昨日から始めました「過去の検証記事再アップ」企画、2回目の今回は「ヤマトの建造がなぜ察知されたのか?」というテーマの検証です。
確かこの記事は本文中にも触れている「追憶の航海」のDVDを購入した記念に書いたものです。
以前、別の検証ブログを運営した時もアップしたのですが(この検証ブログはパソコンの故障と使用していたGメールアドレスを忘れてしまったために管理できなくなり放置という結果になりました。汗)、今読み返すとかなり強引な結論かな~と正直思います(苦笑)
坊の岬沖にある建造ドックで建造されていた「宇宙戦艦ヤマト」は、各国の首脳とヤマト計画の関係者以外にはその建造が極秘にされていた虎の子の宇宙戦艦でした。
総集編「追憶の航海」の映像特典によれば、元々は海底ドックで建造されていたそうですが、遊星爆弾の攻撃によって海が干上がり、地形も変わってしまったことにより船体が地上に露出してしまったため、第二次世界大戦末期に沈んだ戦艦大和の残骸に偽装してその存在を隠し建造を進めていたそうです。
ヤマトが戦艦大和の改造ではなく、偽装という設定に変更されていた点については賛否が分かれていますが、この点については当ブログではあえて述べません。
重要なのは、なぜこれほど念を入れて隠していたヤマトがガミラスに気づかれてしまったのかという点です。
大和へ偽装は無意味だったのか?
第一話Bパート後半、ガミラスはまず偵察機「スマルヒ」で九州坊の岬にある戦艦大和の残骸(実はヤマトの偽装)を偵察、その後、第2話冒頭で母艦であるポルメリア級強襲航空母艦による攻撃が行われています。
恐らく「スマルヒ」の偵察によりその大和の残骸がただの鉄くずではなく、大型宇宙戦艦が偽装したものであることに気づいて、このような攻撃の流れになったのでしょう。
しかしここで注目したいのは、ガミラスの偵察がピンポイントで九州坊の岬で行われている点です。
これは明らかにこの地で地球サイドが何か大掛かりなこと(=ヤマト建造)をしていることをガミラス冥王星基地司令部が察知していた証拠です。
では、なぜヤマトの建造がガミラスに気づかれてしまったのでしょうか?
考えられる理由のひとつとしては、戦艦大和への偽装自体が無意味だったという事です。
沈没戦艦への偽装は地球人ならば意味のある偽装ですが、宇宙人であるガミラスにとっては無意味であり、むしろ地表にそのようなものがあればかえって興味を引いてしまい、ガミラスの調査を招いてしまったのでしょうか?
しかしガミラスによる偵察自体はこれまで何度も行われているようですし、偽装した大和自体がガミラスの眼を引くものであったとするならばもっと以前にガミラスに察知されているはずです。
実際は、ヤマトが完成する直前までガミラスサイドがその存在に気づくことはありませんでした。
この点において戦艦大和の偽装は完璧にその役割を果していたといえます。
となると、ガミラスがヤマトの存在に気づいた理由はもっと別の理由があったと考えるべきでしょう。
察知された原因はメ号作戦?
むしろメ号作戦のあとにガミラスが大和の偵察を行ったという点にその答えがあるように思われます。
実は、メ号作戦のあとならばガミラスがヤマトの存在に気づくことはそれほど不思議なことではありません。
まず理由の1つは、最後の戦力であった第一艦隊の消滅です。
これまでもガミラスは度々地球を偵察していたようですが、第一艦隊が健在な間はガミラスの偵察部隊をそれとなく邪魔をしていた可能性があります。
ガミラスから見れば坊の岬にある物体(大和の残骸)が以前から気になっていいたものの、地球の戦力が残されている間はきちんと調べることができず、ヤマトの存在に気づけなかったのではないでしょうか?
しかし目障りであった地球艦隊が完全に消滅し、ようやく誰に邪魔されること無く大和を調べることができるようになり、そこで初めてヤマトの存在に気づいたということは十分に考えられます。
またもう1つの理由としては、メ号作戦によりガミラスに新型宇宙戦艦の建造の情報が直接入手されてしまった可能性があるということです。
その情報源とは駆逐艦「ゆきかぜ」艦長「古代守」です。
後に沖田艦長が守の弟である古代進に語ったように、古代守はヤマトの戦術長に内定しており、またヤマト計画の中枢にいる真田の親友でもありました。
これらのことから守は弟の進とは異なりヤマトの建造を知っていた可能性は非常に高いといえます。
その古代守が指揮を取る「ユキカゼ」はメ号作戦で大破し、木星の惑星「エンケラドゥス」で他のクルー達とともにガミラスの捕虜となりました。
2199世界では、ユリーシャの記憶からイスカンダルの航路をトレースしていたように、機械を通じて人間の記憶を読み解く技術は普通であるようです。
そうであるならば、捕らえられた守の記憶を読み解くことで「新型宇宙戦艦が坊の岬で建造中」という情報がガミラスサイドに知られてしまったのではいでしょうか?
ガミラスによる偵察がメ号作戦終了の3週間後に行われたことは、古代守が捕虜になり、記憶を読み取る機械によってヤマトの存在を察知されるまでにかかった時間と考えれば納得できます。
古代守がガミラス本星に送られた理由
またこのように考えると、守達ユキカゼのクルーががガミラス本国に移送された理由も説明できると思います。
劇中では送られた理由は「地球人の生体サンプル」と推測されていましたが、もし本当に「地球人の生体サンプル」が必要であったのならば、メ号作戦ではなくそれ以前の戦い、例えば第二次火星沖海戦などで確保する事が可能です。
にもかかわらずあえて守達ユキカゼのクルーたちをガミラス本国に移送する必要があるとすれば、それはヤマトの情報をもっと引き出すためだったのではいでしょうか?
つまり惑星弾道ミサイルの阻止や浮遊大陸の基地での戦いなどでヤマトがこれまでの地球製の宇宙戦艦とは桁外れの能力を持った戦艦であることを知ったシュルツは守達から更なるヤマトの情報を引き出そうとしたのではないでしょうか。
しかし冥王星基地にある分析装置では「新型戦艦が坊の岬で建造中」程度の情報しか読み取ることができず(実際に守はその程度しか知らなかったと思いますが)、シュルツはそれを装置が前線に配備されている簡易的なものだからと考え、本国の専門機関に分析してもらおうと考えたのではないでしょうか。
結局、ヤマトの情報を得たいという目的から言えば無意味な行為だったわけですが、それが守とスターシャを引き合わせ、間接的に地球を救う結果となりました。
地球を滅亡の手前まで追い込んだシュルツの判断が地球を救う一因にもなったわけですからなんとも皮肉な話ですね。
コメント
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ヤマト建造時の熱量が大和残骸周辺に集中していたのをガミラスに察知された…とかどうでしょう?地下都市に比べてヤマト建造ドッグはかなり地表近くですし、かなりの設備や工作機械が集中的に投入されていたはず…と予想。
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ガミラスが空からぷらぷら偵察していたなら、パールハーバーのミズーリの方がよほど目立ってピックアップされていたのではないでしょうか。地球に進出してくる技術を考えると通信傍受と解析によるのが自然ではないかと考えます。
大和改造ではなく擬装に1票です。前にも触れたかもしれませんが、全長は大和263mに対して宇宙戦艦ヤマト2199は333mと改造では無理。
また敢えて触れられていないので余計な一言ですが、擬装にしろ、煙突型の後方及び左右の細長い翼のようなものは隠しようがないはずなので、描写にもう少し丁寧さがあると良いんですが。
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大和は真っ二つだったのですよね。なので改造論は無理かと
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前回及び今回のお話を、読む前と読んだ後では、ヤマト2199の一章・二章観賞後の感想が幾許か違ってきました
古代守のお話から連想される、エンケラドゥスでの"ゆきかぜ" とガミロイドのお話は、二人とも捕虜になっていたかと思うと、思うと、ゾッとします
宇宙戦艦ヤマト2199研究記事を読んでいると、旧作の特集をしていた月刊OUT6月号を偶然購入して、夢中になり読み更けっていた中学二年頃を思い出します
月刊OUTは廃刊になり、実家の蔵書も数十年の時間の流れの中に消えて行きました(親が捨てた)が、OUTの遺伝子は、数十年後でも、ヤマトファンやアニメファンに引き継がれており、それが、2199や2202に繋がっていく大いなる和の縁かなぁ、と思います
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戦艦大和が既に爆発四散していることが判明したあとの2199では、改造はありえず、リアル志向の中で偽装という設定だったのでしょうかね。しかも実際の艦船建造時の仕上げ工程である、艤装とかけて、アナライザーが「この艦はギソーしていたのだ」というのはもう、総監督のセンス炸裂かと。古代守捕虜による判明説、気づきませんでした!!
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コメントをありがとうございます
> ヤマト建造時の熱量が大和残骸周辺に集中していたのをガミラスに察知された…とかどうでしょう?地下都市に比べてヤマト建造ドッグはかなり地表近くですし、かなりの設備や工作機械が集中的に投入されていたはず…と予想。
そうですね。
建設時の熱量というよりも、恐らく時期的に抜びょう準備でヤマトにエネルギー(電力)を注入していた事でばれたという可能性のほうが高いかなと今は思っております。
とはいえあれこれいろんな可能性を考えるのも楽しみ方の一つであると思います(笑)。
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kazu様、毎度コメントをありがとうございます。
> ガミラスが空からぷらぷら偵察していたなら、パールハーバーのミズーリの方がよほど目立ってピックアップされていたのではないでしょうか。地球に進出してくる技術を考えると通信傍受と解析によるのが自然ではないかと考えます。
あの世界でミズーリって残っているんでしょうかね?、そういえば・・・
なんか遊星爆弾で跡形もなく吹き飛んでいそうな気がします(爆)
>通信傍受と解析によるのが自然
ええ、確かにこればありそうですね
抜びょうに備えて確かに通信が増えていたでしょうし・・・
> 大和改造ではなく擬装に1票です。前にも触れたかもしれませんが、全長は大和263mに対して宇宙戦艦ヤマト2199は333mと改造では無理。
本来263mで建造していたものを、イスカンダルの技術協力により急遽波動砲を搭載させることになったため船首部分を延ばした・・・という裏設定があるそうですね。
あと現実的には200年前の水上戦艦を用途の違う宇宙船艦に改造するより、新造戦艦を作ったほうが確かに早いですからね。
オリジナルの大和は鉄くずとしてヤマト建造の材料になったと考える方がよいかもしれません。
> また敢えて触れられていないので余計な一言ですが、擬装にしろ、煙突型の後方及び左右の細長い翼のようなものは隠しようがないはずなので、描写にもう少し丁寧さがあると良いんですが。
い、いってはいけないことを!
それはオリジナル版からの禁句です!!(笑)
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> 大和は真っ二つだったのですよね。なので改造論は無理かと
ヤマトの発見はうれしいニュースでしたが、あれは本当に悲しい現実を見せてくれましたよね。
まあ沈没直後に大爆発が起きていましたから恐らく原形をとどめていないとは発見前から言われてはいましたが。
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ぺんぺん草様、コメントをありがとうございます。
> 前回及び今回のお話を、読む前と読んだ後では、ヤマト2199の一章・二章観賞後の感想が幾許か違ってきました
太陽圏から離脱成功、オメデトウございます。
少しでも参考になったのでしたらとても嬉しいです。
> 古代守のお話から連想される、エンケラドゥスでの"ゆきかぜ" とガミロイドのお話は、二人とも捕虜になっていたかと思うと、思うと、ゾッとします
ただ雪は2199の設定で考えるとあのまま捕虜になったらむしろシュルツの方がビックリした可能性が高いですね(爆)
何もされず護衛付でイスカンダルに送迎という流れになった気がします。
> 宇宙戦艦ヤマト2199研究記事を読んでいると、旧作の特集をしていた月刊OUT6月号を偶然購入して、夢中になり読み更けっていた中学二年頃を思い出します
> 月刊OUTは廃刊になり、実家の蔵書も数十年の時間の流れの中に消えて行きました(親が捨てた)が、OUTの遺伝子は、数十年後でも、ヤマトファンやアニメファンに引き継がれており、それが、2199や2202に繋がっていく大いなる和の縁かなぁ、と思います
2月刊行予定のヤマトOUTは私もとても楽しみにしております。
私はオリジナルの月刊OUTは知りませんが(ぎりぎりで刊行されていたようなのですが私が住んでいた田舎には入荷しているところなどありませんでした)、非常に面白いファン交流雑誌であったと聞いております。
是非熱い記事や投稿を期待したいですね。
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勘助様、コメントありがとうございます。
昨日、勘助様のブログの方でもご挨拶させていただきましたが、リンク設定をさせていただきました。
事後承諾になってしまいましたが(汗)よろしくお願いいたします。
> 戦艦大和が既に爆発四散していることが判明したあとの2199では、改造はありえず、リアル志向の中で偽装という設定だったのでしょうかね。しかも実際の艦船建造時の仕上げ工程である、艤装とかけて、アナライザーが「この艦はギソーしていたのだ」というのはもう、総監督のセンス炸裂かと。
2199は確かに不満に思う部分もありましたが、それでも設定を精密につめたヤマト愛にあふれた作品であったと思います。今でも何度でも見返していますが、オリジナルと同じくらい好きな作品です。
2202もこのような作品であって欲しかったです・・・(涙)
>偽装という設定だったのでしょうかね。しかも実際の艦船建造時の仕上げ工程である、艤装とかけて、アナライザーが「この艦はギソーしていたのだ」というのはもう、総監督のセンス炸裂かと。
これは気がつきませんでしたww
>古代守捕虜による判明説、気づきませんでした!!
あくまで私が勝手に考えたものですが、守達がガミラス本国に移送された理由と絡めてみました。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。