第8警務艦隊の謎

皆様こんにちは!
昨日28日、BS12で「劇場版宇宙戦艦ヤマト2199-星めぐる方舟-」が放送されました。

私の家ではBS12は入らないのでDVDを使っての同時視聴となりましたが、やはりこの作品は良いですね。
数あるヤマト作品の中でも特に完成度の高い作品だと思います(それだけに公開当時、興行収入が振るわなかったのが残念です)
また、昨日のTwitterで、この「方舟」の功績はヤマトシリーズに「外伝」というものを初めて行ったという点であるとある方が指摘されておられましたが、これは本当であると思います。
確かにこれまで新しくヤマト作品が作られる場合必ず「続編」であり、同時代の1エピソードを描く「外伝」は皆無でした。
この意味で「方舟」は「ヤマトの新作は続編である必要はない」という前例を作り出した意義は大きかったと思います。

今のところ「方舟」以外の外伝は作られてはいませんが、是非、ヤマトワールドを広げる意味でも外伝の展開には力を入れてほしいですね。
特に2202で描かれたガトランティス戦役は良くも悪くも大雑把な設定であるため、多くの外伝を作り出す余地があると思います。
映像化作品としては難しいかもしれませんが、コミカライズや「銀河英雄伝説列伝」のようなアンソロジーで展開していってほしいですね。

さて今回はせっかく「方舟」を見直しましたので、以前から気になっていた第8警務艦隊について取り上げてみたいと思います。
この第8警務艦隊については気になる事が2つあります。
1つはゲルバデス級航空戦艦が2隻配備されている点
もう1つはなぜあの宙域にいたのかという点です。
実はこの2つの謎は密接に関係しているのではないかと思われます。

ゲルバデス級航空戦艦が2隻配備されている理由

まずこの第8警務艦隊は治安維持が目的とする艦隊で、艦隊の戦力は少なめで編成(12隻前後)されているとされています。
しかしこの12隻前後というのは決して少ない数ではありません。
事実、第10話で銀河方面軍のゲールはヤマト討伐のために直属艦隊を派遣していますが、その戦力は旗艦であるゲルガメッシュ(ガイデロール級戦艦)及びポルメリア級強襲母艦1隻を含む12隻、合計13隻であり第8警務艦隊とほぼ同数です。
この時ゲールは自身の出処進退がかかっていることもあり中途半端な戦力を動員したとは思えません。
逆に言えば、この12隻というのがガミラス艦隊にとっては基本的な戦術単位であり、よほどの大きな戦いでもない限り12隻単位で動くのが普通なのではないでしょうか?

このような視点で考えると、「方舟」に登場した第8警務艦隊は治安維持という任務のわりに過度な戦力を有しているように思えます。
実際、ガミラス帝国でも珍しいゲルバデス級航空戦艦を2隻も有していることを考えると、ゲール艦隊よりも戦力が上であり正規の艦隊といっても良いレベルです。
本当にこの艦隊は治安維持を目的とする警務艦隊だったのでしょうか?

これはあくまで私の推論ですが、この時の第8警務艦隊は通常よりも艦隊戦力を強化していた状態だったのではないかと思われます。
その理由は恐らく「方舟」の冒頭に登場したゼルグート2世のような離反艦隊の存在です。

第8警務艦隊があの宙域にいた理由

2199第25話において、ディッツ提督は、デスラー体制崩壊に伴い中央政府から離反した艦隊の対策に乗り出していることを語っていますが、恐らくネレディアの第8警務艦隊もそうした対策で派遣された艦隊の1つだったと思われます。
そして相手が離反した正規艦隊である以上、通常の治安維持任務の時よりも艦隊戦力が強化されて行動していたと考えるのが自然です。

恐らくですが、通常の警務艦隊は通常の艦隊戦力の半分、旗艦+6隻程度の戦力であり(便宜上「警務戦隊」と呼ぶ)、それらの船体が合流し臨時の混成艦隊が編成されていたのではないでしょうか。
なお、警務艦隊は旗艦艦長が艦隊司令を兼任していますが、これは本来の警務部隊は指揮する艦艇が少ないからではないかと思われます。
ネレディアの第8警務艦隊の場合は、「ミランガル」を旗艦とする警務戦隊と「二ムバレス」を旗艦とする警務戦隊が合流して、警務艦隊を構成していたと考えると、治安維持をつかさどる警務艦隊に貴重なゲルバデス級が2隻も確認で切る事も納得です。

ちなみに、第8警務艦隊はルート的に大マゼラン外縁に向かっていた(七色星団から脱出したランベアは、ヤマトへの復讐戦を企図してマゼラン銀河外周部へ航行しているヤマトを探していたと思われるので)ことを考えると、彼女たちの本来の目的はバラン星の観艦式以降消息を絶ったゼルグート2世の艦隊の捜索、場合によっては撃沈だったと思われます。

ゼルグート級は当時のガミラスにとって最大最強の艦艇であり、生半可な戦力ではとても太刀打ちできません。
それゆえ、ゲルバデス級航空戦艦2隻という強力な戦力を整えて外縁部に向かっていたのではないでしょう(ゼルグート級がどの辺で消息を絶ったかは、バラン星から帰還した艦隊で確認が取れたと思います)
しかし、その途上でランベアを発見、合流する事になった・・・というのが、序盤での経緯だったのではないでしょうか?。

勿論、ここで書いたことは、あくまで私の勝手な妄想に過ぎません。
もしかしたら大ハズレかもしれませんが、このようなことを考えながら改めて方舟を見返すとまた違った解釈ができるのではないでしょうか?

コメント

  1. TORA より:

    こんにちは、お久しぶりです。
    ネレディア好きにはたまらん話です。
    私も基本的には第8警務艦隊はデスラー体制崩壊後の政権からの離反分子対策だと思います。なお、主任務はデスラー体制崩壊を知らなかったり、ランベアの様にテロンと手打ちを徹底させるための伝達であったと考えます。そこにゲルバデス級2隻という圧力が効くのではという想像です。
    ゼーリック死亡は周知のため、デスラー政権ではないヒス(ディッツ)体制からすると、ゼルグート級を率いるバンデベルとあえて事を構える必要性はない様に思えますし、劇中でもバンデベルもそのような意向の様です。
    離反勢力に対する武力対応のための戦力と考えると、むしろゲール率いる親デスラー体制30余隻が相手ではないでしょうか。そう考えるとちょっと戦力としては少ないですね。
    実際にはランベアに載っていて早々に漂流したガルントといい、ダロルド単艦しか出ていないゲルバデス級の商品展開を考えると、バンダイの意向かなと下衆な考えもしてしまいます。

    • yamasiro2202 より:

      TORA様、お久しぶりです!
      コメントをありがとうございます。

      >ランベアの様にテロンと手打ちを徹底させるための伝達であったと考えます。

      小説版には第8警務艦隊がこの任務に従事していたかはかかれていはいませんでしたが、デイッツの発言として伝達を行っている胸がありましたので、このご指摘は間違いないと思います。
      ゲール艦隊についても恐らく捜索はしていたと思います。
      ただやはり戦力としては行方不明になっているゼルグート級の方が上ですので、そちらを優先して捜索していたのではないかと考えています。
      戦力についてはあくまで主任務は捜索で手に余るような近隣の部隊に応援を頼む予定だったのかもしれませんね