考察・春藍は3199に登場するか?

皆様今晩は!
先日、Twitter上で、れみるちょり様をはじめとするヤマトファンの方々がPS2版ゲームソフト『宇宙戦艦ヤマト』三部作に登場したアンドロメダ改級「春藍」が、次回作「マトよ永遠に REBEL3199」に登場するかを議論されておられました。
非常に興味深い題材でしたので、れみるちょり様の許諾を得て今回はこのテーマを考察してみたいと思います。

れみるちょり様が「春藍」を登場させるうえで問題としているのは、軍縮の機運が高まっている2205世界において、「春藍」のような攻撃力の高い大型艦の建造が許されるのかという点でした。
結論から言えば、私はむしろ2205のような情勢だからこそ「春藍」のような艦の建造は受け入れられるのではないかと考えています。
その理由は以下で挙げる4つの点です。

人心を安定させるための象徴

まず第1に、2205での情勢を考えた場合、人心を安定させるための象徴としての艦が必要であるという点です。
確かに「ガトランティス戦役」の反動から地球市民の間に厭戦感情や軍縮の機運が広がっていたのは間違いないと思います。
しかしその一方で、強大な波動砲艦隊がガトランティス戦役で失われ、更にはそれらを生み出していた時間断層も消滅したことで、時間の経過とともに「地球の防衛は大丈夫なのか?」という不安もまた強まり、社会不安の温床になっていた可能性が高いです。
その為、地球連邦政府と地球防衛軍は、人心を安定させるべく、「地球の守りは万全である」ということを内外に示すために強力な艦を欲したとしてもそこまで不思議ではありません。
その結果、建造されることになるのが「春藍」なのではないでしょうか。

確かに軍縮の中で「春藍」のような攻撃力の高い大型艦の建造する事は矛盾しているように考えられるかもしれません。
しかし、ここでポイントなのは、整備したのが「艦隊」ではなく「ワンオフ艦」であることです。
確かに「春藍」は強力な艦ですが、別の言い方をすればたった1隻の戦艦に過ぎません。
強大な戦力として警戒はされるかもしれませんが、1隻の宇宙戦艦で出来ることはおのずと限界がある以上、地球が「軍縮路線を捨てた」と言われる程ではありません。
むしろ他の星間国家が地球に対するよからぬ野心を抱かせないための最低限度の抑止力と説明する事も容易であり、その建造に世論の反発を招くことは少ないのではないかと思います。

軍縮故の個艦優秀主義

第2に軍縮だからこそ逆に単艦の性能を追求する個艦優秀主義が強まるという点です。
実際、戦前の日本が大和級戦艦の建造に踏み切ったのも、数で勝るアメリカ海軍に対して、質で対抗しようとしたからに他なりません。
現実のアメリカ軍を見ても分かる通り、十分に戦力を揃えることが出来る場合、そこまで極端な個艦優秀主義に走りません。
というのも、建造コストの高い軍艦を1隻作るよりも、そこそこ優秀な艦を多数そろえたほうが戦略や戦術で大きく役に立つからです。
おそらく、2202で時間断層でアンドロメダ以上の強力な艦が作れるにもかかわらず、それにはあまり熱心ではなく、最後までドレットノート級を大量生産していたのは、まさに「質より量」という考えが根底にあったからだと思われます。
しかし、2202において時間断層が失われ、これまでのような数での勝負が難しくなってしまった以上、個艦優秀主義に転換するはごく自然な流れです。
2205で登場した「ヒュウガ」や「アスカ」を見ても分かる通り、「ガトランティス戦役」後の地球防衛軍では、多少大型化しても様々な任務に従事させることができるマルチプレイヤーの艦が主流になっている以上、アンドロメダ級をベースに建造された「春藍」が、様々な機能を追加していった結果、従来のアンドロメダよりも巨大な艦艇になったとしてもそこまでおかしな話ではないと思います。

デウスーラ3世建造の影響

第3に、この「春藍」の建造には2205でデスラー総統の乗艦となったデウスーラ三世が大きく影響を与えているのではいかと考えています。
この「デウスーラ3世」は、公式設定によればこの艦は、ガミラス本星で建造されていたものが、移民計画実行のためにデスラー総統に譲渡されたものであり、恐らくこの艦の建造は地球も知っていたと思われます。
地球とガミラスは同盟国ではありますが、内心では全面的に信じてはいない関係であることを考えれば、ガミラスがそのような強力な艦を建造している以上、その間に対抗できるような強力な艦を計画してもそこまでおかしなことではありません。
実際、PS2に登場した「春藍」のスペックと「デウスーラ三世」のスペックを比べてみると

【春蘭】
全長:300m
全幅:56m
全高:不明
基準排水量:151,000t
機関:波動エンジン×2基、補助エンジン×4基、艦艇尾部極微速推進基×一基、冷却機多数
兵装
拡散波動砲×3門
四連装衝撃主砲×5基(前後に2基づつ、艦底に1基)
四連装衝撃副砲×3基
各種ミサイル発射管×多数
対空パルスレーザー砲×多数

【デウスーラ三世】
全長:402m
全幅:98.6m
全高:102.4m
武装:
ゲシュ=ダールバム(通称:デスラー砲)×1
480ミリ四連装陽電子カノン砲塔×2
480ミリ三連装陽電子カノン砲塔×1
330ミリ三連装陽電子ビーム砲塔×12
対空・対艦ミサイル砲塔×10
四連装対空砲塔×6
ミサイル発射機×12
陽電子ビームランチャー×12
近接防御機雷発射口×52
魚雷発射管×4

とよく似たスペックを持っており、艦隊旗艦としての設備も整っていることを踏まえると、【春蘭】は地球版「デウスーラ三世」と過言ではありません。
以前ほどではないにせよ、地球人のガミラス人に対する感情は複雑であり、ガミラスが巨大な旗艦用戦闘空母を建造していると知った地球が、一種の対抗意識から「春藍」を建造したという設定は、十分納得できる理由になるのではないでしょうか。

以外に建造費の安かった可能性

またこれは完全な私の妄想ですが、リメイク世界の「春藍」は、完全な新造艦ではなく、既存艦を改造したものなのではないかと睨んでいます。
実際、リメイク世界の地球では大破したアンドロメダ級をより強力な「アンドロメダ改」に改造したり、ドレットノート級戦艦を「ヒュウガ」や「アスカ」のような空母や補給艦にするなどの改造が行われています。
これを考えるならば、「春藍」もまた既存艦を改造した艦であり、そのため意外に建造費や建造時間が少なく済んだこともこの巨大戦艦の建造を後押ししたのではいかと思います。

ちなみに私が考えている「春藍」のベースとなった艦はズバリ、2202で登場したアマテラスです。

AAAアドバンスドステージの1隻として登場し、ガトランティス戦役で戦没したと思われているアマテラスですが、やられている姿を見る限り、十分に原型が残っており、戦役後に回収・修理及び改造が行われていても不思議ではありません(時期的には時間断層がまだある時期であった可能性が高いです)。
その後、時間断層の破棄と大幅な軍縮が決まったものの、アマテラスを破棄するのはもったいないとして、この艦をベースに様々な装備を追加していって完成した姿が「春藍」なのではないでしょうか。
両者は重武装という点では共通しており、両者を結びつけるとすればアマテラスが春藍の改造ベースとなったと考えるのが一番です。

以上が、私が考えるREBEL3199に「春藍」が登場する理由です。
ヤマトが抱える権利関係の複雑さを考えると、あるいは「春藍」という名前では登場しないかもしれませんが(加えて、地球防衛艦隊の命名基準から考えてもこの名前が使われる可能性は少ない)、似たデザインの艦が登場する可能性は十分高いと考えております。
皆様はどのように考えられますか?

コメント

  1. ABARTH より:

    春蘭がアンドロメダ級改として登場はありえなくないとは思いますが、旧作ヤマトⅢが絡んでくるなら、護衛艦の1つかもしれません。アリゾナやビスマルク、プリンスオブウェールズが、建造途中の艦艇を改造したものとして登場する可能性があるためです。玉盛さんのサービス精神と福田さんのバンダイプラモデル増産及び製品拡大を目論んでの、販売可能なサイズに落とし込んだものとしてならあり得ます。あるいはアスカ改としての波動砲装備の通常型空母もありえます。永遠にベースなので、いきなり太陽の暴走のエピソードにはならないと思いますが、惑星探索や何らかの理由で地球を離れることを強いられる展開が用意されていればと思いますね。

    • yamasiro2202 より:

      ABARTH様、コメントをありがとうございます。
      春藍がアリゾナやビスマルクのような列強艦として出るとしたら中国管区の戦艦という感じですかね、やっぱり。
      アリゾナやビスマルクは出番が少なかった割に人気が高い船なので、是非3199にも登場して欲しいですね。
      できれば劇中でしっかり活躍する展開を期待したいです。
      太陽の暴走ネタは正直難しいともいますので、個人的にはデザリアムの奇襲に敗れたあとの残存兵力、あるいは以前、ブログの記事にも書いたようなガルマン・ガミラスために銀河系中心部に展開されていた戦力という感じで登場するのではないかと睨んでいます。
      いずれにせよ、現時点では3199に関する情報が少なすぎることもあり、色々なケースが考えられます。
      正直、もう少し公式さんには情報を出していただきたいところですね。