ガトランティス人が生み出された理由

皆様こんにちは!
今回は以前から気になっていたガトランティス人が生み出された理由について取り上げてみたいと思います。

ガトランティス人の正体がゼムリア人によって生み出された戦闘用人工生命であることは、2202本編内で語られています。
ここで疑問に思うのは、何故ゼムリア達はガトランティス人のような人造兵を必要としていたのか、ということです。

私は以前、ゼムリアはイスカンダルと古代アケーリアスの後継国家をめぐって対立関係にあり、イスカンダルがガミラスを先兵として使っていたのに対抗して、ゼムリアはガトランティス人を生み出したのではないか(大マゼラン銀河への侵略をガトランティスが繰り返しているのはその時の命令に無意識下で従っていたから)と考えていたのですが、2205でのイスカンダルの真相を見る限り、その可能性は低そうです。
また当のガトランティス人たちも戦士としては優秀ではあるものの、集団としての軍隊としては優秀としては言い難く、とても対外戦争向きの兵隊とは思えない側面があります。
ではなぜ、ゼムリアはこのようなガトランテイス人を必要としていたのでしょうか。

これはあくまで私の勝手な推測に過ぎませんが、ゼムリア人たちは娯楽のためにガトランテイス人を必要としていたのではないか。
つまり、ゼムリアでは古代ローマで行われていたような剣闘士による殺し合いが娯楽として行われており、その剣闘士として生み出されたのがガトランティス人達だったのではないでしょうか。
古代ローマでは戦争で得た他国の奴隷たちを訓練し剣闘士にしていましたが、ゼムリア人達はクローン技術の応用で絶えずガトランティス人と呼ばれる戦士達を補給していたのでしょう。
このように考えると、ガトランティス人が武器を使った近接戦闘を好んでいるのもその出生の名残であり、ゼムリア人達が彼らを「家畜」として人間扱いしていなかったのにも納得です。

タイプ・ズォ―ダーが生み出された理由

ではこの説に立った場合、タイプ・ズォーダーはどのような意図で生み出されたのか。
普通に考えれば単純な剣闘士の戦いを目的としているならば、統率者タイプであるタイプ・ズォーダーは必要ありません。
なぜわざわざこのような存在をゼムリア人は必要としたのか。
これもまた私の勝手な予想ですが、恐らくゼムリア人たちは単純な剣闘士の戦いに飽きてしまい、より刺激の強い戦い、すなわち戦争を娯楽とすることを思いついたのではないか。

実はこれとよく似たストーリーが松本零士先生が描かれた「銀河鉄道999」に存在します。
それは「永久戦斗実験室」というエピソードで、舞台となる惑星「ライフルグレネード」では、観光資源として戦闘モルモットと称する人々を二つの集団に分けて戦争を強いていました。
恐らくゼムリアでもこれと似たことを思いつき、作り出したガトランティス人たちを2グループに分けて、それぞれ指揮官というべきタイプ・ズォーダーに率いらせて戦争を行わせていたのではないでしょうか。

ズォ―ダ―が「人間がいる限り戦争はなくならない」という確信を抱いたのは、自信が生み出された理由故であり、人類は本質的に戦争を好む生命体であると認識してしまったからでは無いかと思われます。

ちなみに、戦争を望んだゼムリア人達ですが、彼らが望んだのは集団戦での激しい殺し合いであって、小難しい戦いは好まなかったと思われます。
それゆえ基本戦術は突撃であり、自軍の損失を減らすような戦術・戦略を考えることは意図的に避けるように遺伝子レベルで設定されていたのではないでしょうか。
ガトランティス人達が宇宙艦隊を所有する国家とは思えぬほど戦術や戦略が雑なのはその為だったと思われます。

ガトランティスの乱のモデルはスパルタカスの乱?

なお、ローマにおける剣闘士たちの反乱は指導者の名前を取って「スパルタカスの乱」と呼ばれ、映画の題材になっているほど有名ですが、その指導者であるスパルタカスは、一人の巫女を内縁の妻にして子供を作っていたという逸話があります(真偽のほどは不明)。
これは非常にズォ―ダーに重なるものがあります。
2199のガミラス帝政がローマ帝国をモデルにしていたというのは出渕総監督が話されていますが、その繋がりで2202のガトランティスはスパルタカスら剣闘士達をモデルにしたという可能性は十分にあります。
その意味では、リメイク世界のガトランティスがガミラスに勝利できなかったのは当然の帰結なのかもしれませんね(苦笑)

コメント

  1. ABARTH より:

    星巡る方舟と2202とではかなり設定が変わっているのであの蛮族的で好戦的なガトランティスが人造クローン兵器にされちゃったのはいささか不満がある。それに指揮官クラスは赤子から育てるから成長に時間がかかるはず。指揮官たけ戦死したら代わりは誰がやるのでしょうか?クローンなら赤子ではなく、成人として送り出さねば、兵器としては意味がないのでは?と思います。そう考えるとガトランティスは人数が減ってしまったゼムリア人の人的補てんであり、絶対服従をさせるためにゴレムをちらつかして奴隷扱いしたんでしょう。

    • yamasiro2202 より:

      ABARTH様、コメントをありがとうございます。
      私も2199のノリの良いガトランティス軍団は好きだったので設定変更はちょっと残念です。
      ただ私は2202で登場したガトランティスと方舟に登場したガトランティスは実は別物なのではないかと思っています。
      簡単に言えば、イスカンダルがガルマン人を多少改造してガミラス人にしたように、もともと人種としてのガトランティス人がおり、それらを捕獲・改造して作り上げたのが2202のガトランテイス人なのではないか。
      「女性がいない」「生殖機能がない」というのはあくまでゼムリアで使役されていたガトランティス人に限ってのことであり、野良として活動しているガトランテイス人は普通に女性がいるヒューマノイドだったと考えると2199との矛盾も解消できそうです。

  2. 航宙特務隊 より:

    こんにちは!
    なるほど、そういう考え方もありですね!
    しかし、リメイクシリーズは「使役する人種」と「される人種」の構図がよくでてきますね!
    ゼムリアにとってのガトランティス
    イスカンダルにとってのガミラス
    シャルバート(?)にとってのデザリアム
    こうなってくると、私達地球人は誰にとっての「使役される側」なのでしょうか?そもそも「使役される側」なのでしょうか? 完結編リメイクではそこがテーマになるのではないかと思います。

    • yamasiro2202 より:

      航宙特務隊様、コメントをありがとうございます。

      >私達地球人は誰にとっての「使役される側」なのでしょうか?そもそも「使役される側」なのでしょうか? 

      ここが3199以降に大きく関わってくる気がします。
      ちなみに現時点で明言されてはいませんが、個人的に3199は「完結編」のリメイクも兼ねているのではないかと考えています。
      雪の艦内服が白になったのもその伏線である気がしているんですよね。