2202につながる2199イベント

早いものでもう3月・・・
2018年も6分の1が終わってしまったことになり、時間の流れの速さを痛感します。
しかしまあこの調子でいけば「4ヵ月後か・・」と感じた第5章公開日もあっという間にきてしまうことになりそうで、その点においては喜ぶべきことかもしれません(苦笑)

さてさてここからが本題です。
この土日の2日間、2199の第6章、第7章を見返しました。
2199の復習にはもっぱら総集編である「追憶の航海」を使っていましたので、本編を見返すのは本当に久しぶりでした。
内容を覚えるほど見ていたはずなのですが、結構細かいところは忘れており私自身意外に思いましたが、さらに驚いた事は、これらの忘れていたイベントが2202の補足に使えるな~と思えたことです。
勿論、勝手な補足なので公式なものではありませんが、このような考え方も出来るということで紹介したいと思います。

雪を切り捨てていた古代

2202第3章で大帝の示した悪魔の選択に対して、約300人の避難民を見捨てて恋人である雪を助けに行った古代君の行動を「無責任である」と非難する声は現在でも少なくありません。
しかしすっかり忘れておりましたが、2199でも古代古代君は似たような選択を迫られており、この時、古代君はなんと他のクルーの反感を買っても雪を切り捨てていました。
それは第22話でのことです。
この話の中で、七色星団船の最中に拉致されていた雪の生存が確認された後、南部が雪の救出作戦を具申してきましたが、それに対して古代君は「ヤマトの目的はあくまでもイスカンダルに行ってコスモリバースシステムを受領すること」として、私情を捨て難易度の高かったその作戦を却下し、作戦会議に参加していた他のクルーたちを驚かせていました。
3年前には私情を押し殺して任務を優先することが出来た彼が、何故、ズォーダーの選択に対しては300人以上の命を見捨ててまで雪を助けに行ってしまうという選択をしてしまったのか。

雪を失う意味をを本当の意味で理解していなかった古代君

まず第1に、第22話の段階では古代君はまだ雪を失うことの意味を本当には理解していなかったと思われます。
勿論、古代君にとって雪は大切な恋人であったことは間違いありませんが、この時の彼にとってはそれはあくまでも私情であり、最も優先すべきは「地球を救う」という任務だったのでしょう。
そのため、この任務に支障が生じるならば私情は押し殺さねばならないと考え、南部が提出してきた雪救出作戦も却下したのではないでしょうか。
しかし、後に26話で雪がデスラー襲撃時に受けた銃撃の傷が元で死亡してしまったことで、古代君は雪を永遠に失ったという喪失感を絶望とともに味わうことになります。
幸いにしてこの時はコスモッリバースの起動により雪は蘇生しましたが、雪が死亡したことの喪失感と絶望は古代君の心の奥底にトラウマとして残りつづけ、2202におけるズォーダーの選択においては、雪を切り捨ててでも一人でも多くの命を救うという冷静な判断はもはや古代君の中には存在しなかったのだと思われます。

ちなみに雪の乗艦を認めなかった古代君を「恋人をえこひいきした」と非難する声もありますが、むしろこれは冷静な判断としてほめるべきだと思います。
勿論、雪を危険な眼にあわせたくないというのは嘘偽りもない本心でしょうが、一方で、古代君自身は雪が絡んでくるともはや冷静な判断が出来なくことを実感しており、このような状況ではむしろ自分を信じてついてきてくれた他のヤマトクルーたちを危険にさらすと分かっていたのでしょう。
そのため、他のクルーたちを守るという意味でも雪の乗艦を認めなかったのではないか。
実際、彼の危惧は惑星シャトラバーゼで的中しており、この意味においては古代君はむしろ自分のことを冷静に判断していたと思います。

4度目の正直だった雪の救出

古代君が避難民を見捨てて雪を助けに行ったもう一つの動機としては、「今度こそ雪を絶対に助ける」という強い想いがあったと思われます。
2199において状況的に仕方がないという面はあったとはいえ、3度雪の危機を救うことに失敗しています。
1度目は第20話の七色星団の最中において、眼前で雪が拉致されたにもかかわらず助けられなかったこと。
2度目は第23話で決心して第二ガミラスにいる雪を救いに行ったにもかかわらず結局何も出来なかったこと。
3度目は25話のデスラー襲撃において眼前で雪が撃たれてしまった事です。
・・・よくもまあ、これで本当に生きているといいたくなるような(一度は本当に死んでいますが)雪の危機ですが、これらで雪が助かったのはあくまでも彼女の運のよさと奇跡が起きた結果であり、古代君自身はなにもすることは出来ませんでした。
これらにおいて味わった無力感から、古代君の心中に「今度こそ絶対自分の力で雪を助ける」という想いが強く培われてても不思議はありません。
だからこそ、ガミラス艦から身投げした雪の姿を目撃した時、迷うことなく一直線に雪を助けに行ったのだと思います。
結果的に古代君は今度こそ雪をその手で抱きしめることが出来ました。
避難民たちを見捨て、自分たちにも死が迫っているにもかかわらず、100式空間偵察機内の古代君の表情が妙に穏やかだったのは、「今度こそ自分の手で雪を助けることが出来た」という達成感があったからでしょう。

このように考えると、第三章の古代君の行動は決して不思議なものではなく、むしろ2199から一貫していると思います。
この意味においては2202は紛れもなく2199の続編であるといえるでしょう。